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kintoneを一番安く使えるのはいくらなの?他のノーコード/ローコードサービスと最低料金を比較してみました!

一人では使えないんです

よく見積り金額を出す時、kintoneのライセンス利用料も含めて出してほしい、とお客様から言われることがあります。そこでサイボウズの以下のページを確認すると、kintoneのスタンダードコースでは1ユーザーあたりの利用料金は月額1,500円とあります。ふむふむ、それなら年額約18,000円(正確には17,640円)ですね、と思います。思いますが…。「価格」の下に小さく、こんな文言が書かれていました。

※5ユーザーから契約可能

https://kintone.cybozu.co.jp/price/

ユーザーが一人ではkintoneは使えません!いや、使っても良いですが、この値段では使えないのです…。

kintoneは5ユーザーから契約可能です。つまり、最低でも月に¥1,500 x 5 = 7,500円。個人的な感覚で言えば、そんなに高いとは思いません。世の中には1ユーザーの利用料金が月に数万円、というサービスもありますから。
しかし、お客様によっては「うちは3人で使う予定だから、2ユーザー分を余計に払わなければならず、割高に感じる」という意見もありました。確かにそうですね。では、他の似たようなローコード/ノーコードサービスの最低利用料金はいくらなのでしょうか?調べてみました。

各サービスの最低利用料金は?


各サービスの最低利用料金表

上の表は非常に荒っぽい比較なので、この表をもって「AサービスはBサービスに比べて高い、安い」と断言することはできません。しかし、大まかな比較にはなるかと思います。ポイントは以下の2点だと思いました。

  1. 最低利用者数が設定されているか

  2. 利用プランが設定されているか

つまり、最低利用者数 x 利用プランの月当たりの利用料金で最低利用料金が決まります。そのように考えると、kintoneはライトコースの5人利用で年額45,850円掛かります。ライトコースというのは、その上のスタンダードコースに比べて「外部サービスとの連携、プラグイン、および拡張機能が使えない」制限があります。その他にも最大アプリ数、スペース数がスタンダードコースよりも制限されるようです。この利用プランの選定は「自分たちはkintoneの標準機能のみを使うのか?それともカスタマイズ、または外部サービスと連携するのか?」と考えれば、どちらを選択すればよいのか判断できそうです。

kintoneと競合するサービスの料金は?

上の表にはkintoneの競合サービスとして、Google AppSheet Starterプラン、Salesforce、Claris FileMaker、Microsoft PowerApps, Microsoft Dynamics365、およびGeneXusの料金を比較対象にしました。といってもこれらの製品・サービスがkintoneのユーザー層・利用目的と完全に重なるかというと、一部重なる部分はありますが、図にすると、以下のようになりそうです。

ノーコード/ローコードサービスの 2x2 マトリックス

上の図の右上にあるエンタープライズ向け、かつSFA/ERP向けのサービスは高額だということはできるでしょう。

Google AppSheet (最低ユーザー数:1)

一人から使えるって、良いですね。しかしほとんどのケースで「ユーザーが1人」というのは考えられず、ユーザーの最低人数は2-3人から、でしょうか?最低利用者数が設定されていないのは、使わないユーザーの分の料金を払わずに済むため、合理的ですし、安くなります。Starterプランで使える機能も非常に多く、2-3ユーザーから使い始めたい場合は、検討してみても良いでしょう。
ちなみに不特定多数のユーザー向けにアプリを公開したい場合はPublisher Proプランを購入できます。これが月額$50ですから、kintoneの場合で考えると、トヨクモ  kViewer(月額 ¥6,000~)とFormBridge(月額 ¥6,000~)をあわせた額よりも安く、検討する価値があります。

Salesforce (最低ユーザー数:1)

本来はCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)なので厳密にはローコード/ノーコードツールではありません。しかしお客様からの問い合わせとして「Salesforceをkintoneにリプレースして固定費を圧縮できないか」というお問い合わせをいただくため、比較対象にしました。
最低ユーザー数は1人から、というのは使いやすいですが、ユーザー企業の営業担当者が1人しかいない状態でSalesforceを使っても…という気はします。プランは、1人1ヶ月3,000円からで、最もよく利用されているEnterpriseプランは月18,000円です。

Claris FileMaker (最低ユーザー数:5)

この製品もkintoneと同じく最低ユーザー数の制限により、5人以下のチームでは無用なアカウントにより割高になります。WebDirect機能によりWebアプリとしても動作しますが、ユーザーは有料アカウントである必要があり、不特定多数の人たちにアンケートを取るような用途には使えません。
一方、Excel並に存在する豊富な組み込み関数や標準でリッチな帳票を作れるなど、kintoneでは有料の外部サービスを使わなければ実現できない機能が標準で組み込まれているといった長所もあり「自分たちの使いたい機能を実装するために、合計で幾ら掛かるのか?」と考えればFileMakerの方が割安な場合もあります。ユースケースに合わせて利用すると良いでしょう。

Microsoft Power Apps (最低ユーザー数:1)

料金プランがちょっと特殊です。Power Appsは「アプリごとの料金」と「ユーザーごとの料金」があり、利用状況に合わせて選択すると良いでしょう。1つのアプリしか使わない場合は、1ユーザーあたり月額630円に抑えられますが、そのようなケースは少ないと思われ、結局アプリごとではなくユーザーごとの課金となる、月額2,500円のプランに入ってしまいそうです。これも、利用するアプリ数を決めてから見積もる必要がありますね。

Microsoft Dynamics365 (最低ユーザー数:1)

これもちょっとエンタープライズ向けのため、kintoneと厳密には競合しないと思われます。営業、マーケティング、サプライチェーンなど、業務領域に合わせたカスタムソリューションを構築するためのひな形が用意されており、個別に価格が設定されています。月額2,500円からのサービスもありますが、1万円以上のものもあり、非常に複雑な料金プランです。

GeneXus (最低ユーザー数:なし)

ローコードというか、コードジェネレーターに近いものです。課金もユーザーという単位ではなく、年単位の製品利用ライセンスのようです。GeneXusはローコードという言葉が生まれる前からローコードであり、第三次AIブームが起きる前からのAI研究つまり論理学や定理証明をコンピューターで記述する研究から生まれたものです。歴史は長いですが現在のコンピューティング環境にもキャッチアップできており、経験豊富なベンダーを見つけることができれば、基幹システムの開発・運用環境として未だにパフォーマンスを出せる製品です。
ライセンスは端末に紐づいており、ライセンスを一括管理するライセンスサーバーで管理しています。その同時起動ユーザー数で価格が決まるようです。その価格は販売会社に要問合せです。

まとめ

kintoneから少し離れてしまいましたが、競合製品と比較するのは書いていても楽しいですね。サービスを採用するのに必要なことは「どれが一番安いのか?」も重要ですが、「どのサービスを採用すれば自分たちが求めているものを一番効率的に作れるのか?」だと思います。判断に迷ったときは、ぜひ私たちヴィップシステムにお問い合わせください!豊富な経験で、お客様に一番フィットしたサービスを一緒に見つけるお手伝いをします。

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kintone導入検討時のご相談から、導入後の利活用・定着化に至るまで、私たちは、お客様と「伴走」しながら思いを込めてサポートいたします。ご相談無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

記事作成
kintone推進チーム 金子 🙂
使用画像
UnsplashTowfiqu barbhuiyaが撮影した写真