ピッチと絶対音感

音感は必要だけれど

 舞台袖で出演者同士の会話。
「あると・びおらさんは絶対音感とかあるの?」
「たぶん無いと思います。」
「だよねー。絶対音感とかあったらシュッツとか弾けないよね。」
「そもそも世の中にもてはやされてるほど絶対音感って要りますか?」
「本当それ。相対音感とか和声感の方が大事。」
「絶対音感あったら不便なことの方が多そうだよね。」
 この日のチューニングピッチはA=466Hz。

いろんなピッチ

 調べてみたら一言で「基準ピッチ」と言っても様々な種類があるようで、466Hzはヴェネツィアンピッチとも呼ばれているそうです。バロックを弾き始めて最初に触れたのはA=415Hz(バロックピッチ)。他にもA=392Hzのヴェルサイユピッチ、A=430Hzのクラシカルピッチ等あるそうな。意外だったのは、モダンを弾いているときの基準ピッチ「国際標準ピッチA=440Hz」が意外と最近(といっても1939年)会議で決められたピッチであるということ。国際化が進んだことが理由の一つとか。
 今では当たり前のようにA=442Hzで調弦しているけれど、曽祖父母の代まではずっと地域や場所によってチューニングピッチが変わっていたというのが驚きでした。そういえば国際標準ピッチも、ここ30年くらいで442Hzか443Hzに上がってる。私が子供の頃は440Hzだったのに。

youtubeにあった

 さて今回シュッツの譜読みを、もとい466Hzに慣れるための練習で助けられたのがYoutubeでした。5分間、A=466Hzの音をひたすら流してくれる動画(動いてないけど)があるんですね。スマホのチューナーアプリもチューナーも持っておらず、調弦のたびに助けられました。
 他にもいろいろな「A」の音を聞くことができて、youtubeには本当に色々な動画がありますね。

絶対音感は必要なのだろうか

 絶対音感の人が415や466で弾いたら、気持ち悪くなってしまうらしいという話を聞きました。テレビや何かでやたらもてはやされる絶対音感だけれど、こういう話を聞いていると、絶対音感があると逆に不便なのではと思わずにはいられません。

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