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第五回こむら川朗読小説大賞前半戦ピックアップ5選 Vol.2

 進捗どうですかー?
 前回のPUから一週間で40作近く増えたので、急遽前半戦ピックアップ5選の第二弾をしてみました!
 ありがたいことに2022/07/23 の夕方時点でのエントリー作品は87作でした。
 初参加の方だったり、自主企画に参加するためにカクヨムに新規アカウントを登録してくれる方もいるみたいでとてもうれしいです。
 前半戦ピックアップ5選第二弾でも、こむら川らしい作品と僕が思う作品や好きな作品を独断と偏見を基に選びました。
 ピックアップに選ばれなかったからといって大賞になれないとか、つまらなかったわけではないので安心してください!
 みんなも推し作品を布教しよう!
 以下からピックアップ作品をネタバレしないように紹介していこうと思います。
 読んでみてくれたらうれしいです!

エントリーNO43から87までの感想はこちら
【雑談】第五回こむら川朗読小説第二弾ピックアップ作品を決めよう【#こむらいぶ】

青の星くろかわ

 ある程度の年齢になってから自分の性別や身体的な能力を選んでいく世界で、海の底にいることを選んで体を変えた主人公と、嵐で全てを失った子供のお話。
 魅力的な設定の開示、そして想像力をかきたてる世界の描写がすごくよかったです。
 主人公が、子供にとって良い大人であろうとしている部分や、自分の保身的な行いの結果を目の前にいる子供に対して悔いる部分、そして悲しむ子供を形はちがえども大人として慰め、そして前を向くために背中を押す美しい威話でした。
 太陽の色をした髪色の少女と長鰭と呼ばれる主人公の出会いと少女の成長のお話。
 とても良質なSFでした。

あさりとうしおいりこんぶ

 めちゃくちゃあやしげな男がうどんを食べたお話を語ってくれるというそれだけのお話なのですが、どことなくめちゃくちゃ怖い雰囲気が漂っています。
 どことなくずっとぞわぞわするというか、怖い話を聞いているような雰囲気になる不思議なお話なのですが、飽きさせずに最後まで読ませる筆力が本当にすごいと思いました。
 本当になにか読み逃したことがないか何度か読み直したけれど、多分本当に謎のうどん屋に行っておいしいうどんを食べただけなのかもしれない。
 本人は自分の頭がクズだからと言っているのですが、不思議なそういうお店だった可能性もある、とても不思議な魅力に溢れたお話でした。
 方言が好きな人にオススメ! あとお腹が空いているときに読んで欲しいです!

夜の向こう側大塚

 美しくて鋭い目をしていて気前も良く不良っぽい兄貴分だけど自分にだけはそうじゃない黒髪長髪イケメン。最高でした。
>大きな右手で額に落ちる黒髪をかき上げる
>これは髪が長かった頃の三神の癖で、彼と額を突き合わせて喋っていると何度も何度も何度も同じ所作を見せつけられることになって、俺は、三神のこの癖が、好きで。

 ここ!!!! ここ!!!! 最高ですありがとうございます。
 本当にめちゃくちゃよかった……。
 ちょっととっつきにくい黒髪長髪イケメンへの感情、とっても美味しくいただきました。
 海辺に佇むカッコいい男の良さを噛みしめられる、そんな作品です。

夜空に瞬く幾億の金玉

 星という単語が金玉の世界に異世界転移した星くんと、その友人である成瀬くんのお話でした。
 星が金玉に置き換わった世界の発想が考えられそうで考えられなかっためちゃくちゃいい作品です。
 作品の中にちりばめられた細かな言葉遊び、何度も向こうの世界で名前を呼ばれる星くん、あちらの世界にいる好きだった女の子、そして金玉……。
>「金玉と万光年は相性が悪いんだ」
>「金玉薫になるんだよ。金玉が薫るってさ、なんかさ……オシャレじゃない?」

この引用部分が気になった方は是非読んで欲しいなと思います。

BREMENぷにばら

 キャプションに「音楽とは乳首をこねることと見つけたりというお話です」とある通りのお話です。
 悲しい事故で右手の握力を失ってしまったチェロ奏者の主人公と、意識を失ってしまった声楽家だった祖父のお話で、主人公がVtuberとして有観客ライブを行うところからこの話はスタートします。
 ところどころマジでおかしなワードは出てくるのですが、それをものともしないエモの物語。
 めちゃくちゃ良かったです。KUSOの波動を放ちつつも、感動とか涙腺に来るという構成は本当に素晴らしい。
 フルトラッキングのVがどうやってライブをしているのかなどの描写がしっかりしていて、祖父の乳首をこねるという飛び道具だけではない奥行のあるのがすばらしいと思います。
 キャッチコピーとキャプションは嘘ではないけれど、決してふざけているわけではないお話でした。
 本物川小説大賞やこむら川大賞らしいという言葉が似合う作品といっても過言ではない。そんなことを言いたくなる作品でした。

 以上、主催の独断と偏見による前半戦ピックアップ第二弾の五作でした。
 締め切りまでは約一か月、評議員の心臓を狙ったり、自分の好きをぶつけてくれたらうれしいです。
 おもしろくないからとか、拙いからピックアップしないわけじゃないですし、評議員は三人いるので、ピックアップされてなくても大賞の可能性はあります。
 進捗は計画的に!
ピックアップ第一弾はこちら

◆物好きな方へのご案内

 宗教上の理由でnoteでの投げ銭を解放してません。
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 →お疲れさまの投げアイス

◆参考サイト

第十一回本物川小説大賞 大賞は ナツメ さんの『これはフィクションです』に決定! - 大澤めぐみの落花流水 https://kinky12x08.hatenablog.com/entry/2020/12/21/004802
本物川小説大賞歴代講評
http://kinky12x08.hatenablog.com/archive/category/%E6%9C%AC%E7%89%A9%E5%B7%9D%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E8%B3%9E

前回までのこむら川小説大賞の様子はこちら

◆こむら川小説大賞
https://www.comrasaki.com/?page_id=29
◆朗読 鹿の苑/鹿さん
https://youtu.be/3TMUwGSjvyk