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いろいろな色と、いろいろな人

私は、人とよく接する仕事をしています。
唐突に自己紹介をしたけれども、
初対面の人とたくさんコミュニケーショを取ることが日常的にあるんですね。

初対面の人と話して、なんとなくこんな人なんだろうな、と思った時点で、
「あ、この人は何色だな」って、色が決まるんです。

この感覚がわかる人は少なくないと思います。

なんとなく、何がどう、とかではないのですが、
この人はこの色、はたまたこの人はこの色。
と。それぞれに色をつけて見ている気がするんです。

アイドルグループはメンバーカラーをつけることによって、
ファンの推し活を楽しくしているだけではないと思うんです。
メンバー個々のキャラクターを可視化したり、
逆に理想の色をつけることによってそう言う人材によっていくのかもしれません。

戦隊ヒーローもほとんどの場合色分けされています。
熱血主人公のレッドが真ん中にいて、
左右を固める冷静沈着なブルーと、
おっとり穏やかなイエロー。
グリーンは男前でちょっと年上かもしれません。
紅一点のピンクはみなさん意見は一致でしょう。
途中で出てくるクールな味方キャラはブラックですね。

何が言いたくてこんな色の話をし始めたのかって言うとですね、
ややお恥ずかしながら、私の過去の失恋を見返す機会があったからなんです。

純真で引っ込み思案な"群青色"の彼

私の過去の恋愛遍歴を晒していくことになります。
そんなもん興味ねーよ!って方はここでUターンをお勧めします。

さて、純真で引っ込み思案な群青色の彼について。
大学の頃に付き合っていた同い年の男の子です。

人混みが苦手で、新しい人と仲良くなるのに時間がかかります。
周りの目をしっかり意識できて、私からするとやや過剰なくらい体裁を気にしていました。
そんな彼は、キャンパス内で私に一目惚れし、勇気を振り絞って友達経由で連絡先を聞いてくれた、隠れロマンチストでもあります。

そんな彼はなんとなく、私の中ではブルーでした。
空色や、絵の具の原色の青のような、鮮やかな青ではなく、
深くしっとりとした深海のような、群青色をイメージしています。

なぜでしょうか?
なぜ彼は群青色なのでしょうか?
わかりません。感覚だけで語っています。

群青色について調べてみましょう。
この文章は、様々なことを調べながら書いているので、
どんな着地をするのか、この時点では全く見えていない文書です。

群青色

◯群青とは本来、藍銅鉱(岩群青、アズライト)のことであり、群青色はその色である。
瑠璃(ラピスラズリ)を原料とする青色顔料の色も群青色と呼ばれる。

◯ラピスラズリの石言葉は、「成功の保証」「真実」「健康」「幸運」など。
身につけると判断力を高め、幸運へ導いてくれるといわれてもいる。

◯和名の群青は「青の集まり」「青が群がったような色」という意味に由来する。

なるほど、なんとなく当てはまりました。
「成功の保証」「真実」に純粋な人でした。

彼は思考を巡らせるタイプでした。
頭の中は常に選択肢の連続で、間違った選択肢を選ぶことは彼の中ではあってはならないことでした。
連絡を返すこと、問いかけに答えること。
私になんて言えば良いのかを長考することで、時間がかかり、私の心の不安を煽りました。

頭の中には正解(青色)の思考が群がっていたんでしょうか。
正解とはなんでしょう。彼にとっての正解は、果たして私にとって正解だったのでしょうか。
群がり固まって、凝り固まってしまった彼の中では、いつの日にか「しこり」がうまれ、そのしこりは私に向けられたものとなりました。

彼の決断はとても頑固でした。
なすすべなく、彼との日々は幕を閉じました。

自信家で感情的な"黄金色"の彼

私が社会人3年目の頃です。
心療疾患を患い、3ヶ月間休職しました。
その時に再会した大学時代のバイト先の仲間だった男性とお付き合いしました。

とても落ち込んだ状態で、何も考えられず。
家に篭りがちだった私を、家の外に引き出してくれて、
色んなところに連れて行ってくれて、様々な初めての体験をして。
彼の明るい性格で上を向かせてくれました。

自信家な彼は、仲良くなっていくにつれ、
私のことを支配したい。思う通りになってほしい。
と思うようになったようで。
最終的には彼の支配欲に私が耐えられず、
別々の道をゆくことになりました。

そんな彼は内から出てくるエネルギーと、
王様気質のイメージから、黄色の中でもオレンジがかった黄金色に見えていました。

さて、
またこれも黄金色について調べながら綴っていきます。

黄金色

◯金色または黄金色は、オレンジがかった黄色で金属光沢を持つ、物体表面の光学的状態である。金がその代表例である。英語ではゴールド 。

◯仏教では金色を「こんじき」と呼び、「最高の存在を象徴する色」と定義されていました。 また、現実世界では金色を「きんいろ」と呼び、「富と権力を象徴する色」とされました。

◯金色が好きな人は権力や富を好み、理想が高く努力を惜しみません。
強い承認欲求を持っていて夢を実現するバイタリティがあります。
面倒見もよく、人のためにもお金を使えるので多くの人に慕われ尊敬されます。
強さを持ち、知恵があり賢いのでカリスマ性を発揮することもできます。
しかしプライドが高く、人をコントロールしようとしてしまったり、お金や権力に執着心を持ちケチになってしまうことが時にはあるでしょう。

なんとまさに、彼そのものです。

彼の良いところは、コミュニケーション能力が高く、様々な人と容易に仲良くなり、様々なスキルを必要な場所に提供することができるところです。
仕事の効率も良く頭もキレるので、一緒に出かけても「次、ここに行こう、距離的にちょうどいいから」など効率的に先導してくれました。
私が困った時には時間や場所を問わず徹底的に助けてくれました。そんな彼を、ヒーローのように感じる瞬間も多々ありました。

対して、悪いところです。
非常にプライドが高く、簡単には「ごめんなさい」が言えない人でした。自分が間違っていることを認めるのが、彼にとっては難しいことなのです。
また、感情型でしたので、すぐ怒る、不満を態度で示す、そんな人でした。
承認欲求からなのか、私が弱音を吐いたところで「俺もつらくて、」と、自分の話に持っていきます。

驚くくらいに、黄金とは彼そのものです。

実は最近その彼と2年ぶりに再会しまして。
彼は私と別れた後、人生トラブルに苛まれ、様々なことを考える時間があったとのことです。
恋愛なんてしている余裕がなく、最後の恋人であった私のことを振り返ったようです。

当時の自分の行動を振り返り、私に対してとても傲慢な態度で、辛く我慢させた状態で別れてしまったと、自身で気がついたようで、再会時に謝罪を受けました。
漫画であるような、「失ってから気がついた。あの女、いい女だったなぁ…」のパターンが、まさか自分の身に降り注ぐとは。
(やや恥ずかしいことを言いました。)

久々に見た彼は黄金色ではなく、琥珀色くらいでした。
黄金ほどの自信や輝きはなく。
それであって黄の持つ内から出る明るさは健在で。
昔より素直な分、琥珀のような透明感を感じました。

これもまた、ここまで書いてみてから調べてみて驚いたのですが。

◯石言葉は、幸運の象徴、優しさ。
愛琥珀(アンバー)は、内部にギュッと詰まった強いプラスのエネルギーを持っています。 昔からヨーロッパでは、琥珀のことを「幸福の石」と呼び、大切な人へ「幸運を贈るお守り石」としてとても重宝されてきました。

黄金色と琥珀色は、並べてみるととても似ていますが、
今の彼は昔の彼に比べて、優しさと愛のエッセンスが追加されていたのですね。


ここまで綴っているのは、私の印象からくる偏見の色の話なので、まさかここまで石言葉や色の歴史とリンクしてくるとは…
我ながら己の感性に対して感心しています。

思考家で人を信頼するのが苦手な"柚葉色"の彼

ここまでですでに3,000文字以上書いてしまいました。
長らくお付き合いいただいている方、ありがとうございます。

さて、柚葉色の彼です。
柚葉色(ゆずはいろ)とは、濃く暗い緑色のことです。文字通り柚子の葉に由来する色で、別に「ゆばいろ」とも読まれます。

共通の趣味で知り合いました。
深い思考のもと、明確な理由で行動する彼は、黄金色の彼の反動、感情的すぎないところが魅力的で恋をしました。
彼との時間は楽しく幸せでしたが、あまりに思考型すぎるが故に、深く考え込み動けなくなってしまうところがあり。
「当たって砕けろ」「思い立ったらまず行動」派である私と価値観が食い違い、
無念にも長続きしなかった、ほろ苦い恋でした。

彼は穏やかで声を荒げることもなく、自然体なグリーンが似合う人でしたが、
どこか他人を信頼しきれていないところがあり。
その闇深さも加味して、少しくすんだ濃いグリーンである柚葉色を当てはめてみると、私の中でピタッとハマるのです。

さて、
柚葉色について調べてみましょう。

柚葉色

◯柚子はミカン属の常緑小高木で、柑橘類の一種。独特の清々しい香りと、ほどよい酸味が特徴。奈良時代には既に栽培されていたとの記録があり、その頃から薬用や薬味として親しまれてきました。

◯柚子につけられている花言葉は「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」。

なるほどこれも納得です。

彼は嘘をつくのが下手でした。
思っていないことを言うことができませんでした。
また、嘘をついてもすぐに辻褄の合わなさからバレてしまうのです。
「汚れなき人」であることは確かです。素直で真面目で、それゆえに熟考してしまう。熟考しすぎてしまう。
それが良いところであり、私にとってはストレスでした。

「恋のため息」
このセンテンスには言葉もありません。ただただ、心に刺さりました。
彼のこと、と言うよりは、私から彼に対しての気持ちそのものです。

久々の自発的な恋でした。とにかく大好きでした。
彼との恋は、胸がいっぱいになり、ため息をして吐き出さないと破裂してしまいそうな時間でした。
幸せな時間も、別れた後の辛い時間も。
私にとっては常にため息との共存である恋でした。

幸せな時間をありがとう。
最後の瞬間まで、100%で恋していました。

いろいろな色


兎にも角にも、
私の感性にはほとほと感心します。
全てドンピシャズバリ。我ながら脱帽の一言です。

やはり色というのはその人のまとうオーラや価値観、性格からなんとなくイメージできてしまうものなのでしょうか。

私は私自身の色を何色に設定しているのでしょうか。

根は暗くて、しかし後天的に明るさを手に入れました。
自分で言うのは恥ずかしいですが、比較的優しい性格であると思っています。
博愛精神は多少なりと自信があり、しかしスピード感や効率は重視したく、「当たって砕けろ」の精神で、やや体育会系のマインドがあるのかもしれません。
目立つのはあまり好きではありません。縁の下の力持ち、誰かのサポートをして、その人が感謝してくれることが幸せかもしれません。

なんでしょう。なんとなく、"藤紫"ですかね。
藤の花のような明るい青紫色のことです。平安の頃より女性に人気の高い『藤色』と、高貴な色の象徴である『紫』を組み合わせた色名で、藤色よりも紫みが強い色になります。

◯藤の花言葉は、「優しさ」「歓迎」「恋に酔う」「忠実な」「決して離れない」という意味があります。

◯「紫」色が持つ一般的なイメージ・意味の中でポジティブなものには
「高貴・気品・ミステリアス・癒し・再生・優しさ・成熟・繊細・芸術的センス」などがあります。
ネガティブなものには
「疲労感・葛藤・ストレス・憂鬱・不安・情緒不安定・孤独」
などがあります。

うむむ。
なるほどどうでしょう。

これに関しては、自分から明言することはありません。
なぜなら他者から見た評価の方が、この場合信憑性があるからです。

いつの日にか、誰かとこの話をする日があれば話題に出してみましょう。
藤紫が私の色なのかどうか。

皆さんの色は何色ですか?
皆さんの周りには何色がありますか?

この機会に、調べてみると意外に面白いですよ。


written by 猫とビオラ

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