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えっ! 税金取られるの? (スイスでワイン造ってるの#69)

これまでもワインの輸入に関するトピックを「ワイン裏ラベルの裏話」「デバンってなんやねん」「起業奮闘記その3」「スイスワインの輸送あれこれ」でご紹介してきました。

今回は最近の輸入時にふと疑問に思ったことを綴ります〜。

今回は短いで〜(ホンマかいな)

ワイン輸入のおさらい

まずはワインを輸入する際の簡単な流れとそれらに付随する書類についておさらいしてみましょう(お〜っ、勉強になるな〜)

出荷前にワイナリーに作成・準備をお願いしている書類が「試験成績書」と「原産地証明書」です。(ワイナリーとのトホホばなし 参照)
それら書類が揃ったら、乙仲さん*にワインの集荷をお願いします。

* 乙仲(おつなか)戦前の法律で定期船貨物の取次をする仲介業者を立業と分類されていたことから海貨業者のことを乙仲と呼んでいます。
いまではワイナリーの集荷から弊社倉庫までの輸送を一気通貫で引き受けてくれています。

ワイナリーからはインボイス(送り状)とともに可愛い娘ちゃんたち(ワイン)がトラックに乗せられて積出港まで運ばれます。
そこで船に乗せられて、はるばる日本までやってきます。(スイスワインの輸送あれこれ 参照)
日本に着いてまず最初のプロセスがDevanning、いわゆる「デバン」でしたね。(デバンってなんやねん 参照)
無事検疫検査も終わり、酒税・消費税を納めると税関から晴れて「輸入許可通知書」が発行され、保税倉庫から弊社倉庫に運ばれます。

保税倉庫からワインが出される際にはいわゆる「裏ラベル」が貼られていないといけなかったですね。(ワイン裏ラベルの裏話 参照)

抜き取り検査

抜き取り検査された箱

試験成績書を確認するだけで検疫検査が終わることが多いのですが、時折「X線検査」や「抜き取り検査」が行われることがあります。

初めて輸入した時に抜き取り検査の通知があったのですが、輸入本数も少なかったので、
抜き取りされて、実際に入ってくる本数が減ったら、かなんわ**」と駄々をこねたら、
しゃーないなー、今回は許してやろ」と抜き取り検査を回避できました。

** 関西弁で困ったときや弱ったときに使われる表現。
「かなわない」→「かなわん」→「かなん」に変化した(知らんけど)

その後、何回目かの輸入時にも抜き取り検査の通知があったので、初回とおんなじように交渉してくれるよう乙仲さんに頼んだら、

何回も抜き取り検査を回避すると、税関や検疫所の心証を悪くして、今後不利益が生じますよ〜」やって~
おいおい、お役所の仕事やで、ルールに則って、心証でいろいろ左右するなよ〜

なんでやねん!

ながめていた輸入許可通知書

初めての抜き取り検査の時には気づかなかったのですが、今回の輸入時の輸入許可証をながめていた時にふと気づいたことが!

あれっ?酒税や消費税額って、送り状に書かれている本数に対して計算されているやん!
抜き取りされて送り状に書かれている本数が全部来てないのに、なんで抜き取られた分まで税金払わなあかんねん!

なんかおかしいんちゃうの?
抜き取り検査したんやったらその分の酒税や消費税は課税せんといてくれよ〜

通関を代行してくれた乙仲さんに質問したら、「そういうもんなんです」***って。
サラリーマン時代から「ロジカル・シンキング」を叩き込まれてきたぼくとしては納得いか〜ん!

*** 後日乙仲さんから「厚生労働省からの通知でモニタリングでのサンプル採取となった商品につきましても、輸入のルールとして、輸入納税申告を行い税金を納める必要があるとのことです」との連絡がありました。単に「そういうもん」ではありませんでした

しかも、「輸入時の税金支払いの効率化」の謳い文句の元、輸入許可が下りたらチャリーンっと「自動的に」弊社法人口座から税金が引き落とされるから、支払いを渋ることもでけへんねんで〜。

納税額が少なかったら追徴課税したりするくせに多めに税金とっても返してくれへんのかーい!

今回の輸入で入荷したシャスラ2022のお求めはこちら〜
https://www.vinumhelvetica.com/product-page/CHA2022

ちなみに、多めに取られた税金分は価格に転嫁してへんで〜

Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
www.vinumhelvetica.com


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