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シノニム (スイスでワイン造ってるの? #40)

シノニム、シノニム、IT部門にいた頃、なんか良く使っていた用語やけど、なんやったか忘れた〜(笑)

ということで、「スイスでワイン造ってるの?」記念すべき第40回はシノニムです。

Synonym(シノニム)ギリシア語 synonymosが語源 
syn-(似た) + -onym(名前) 
1. 同義語、類義語、シノニム 2.(他言語の)相当語、異名…*1

*1  ジーニアス英和大辞典、南出康世編集、大修館書店

い、いきなり、英語の勉強か〜❗️
ちゃうで〜、安心してや〜

ぶどう品種にはさまざまな別名(シノニム)があります。
よく目にするのは「シラー」と「シラーズ」です。
今ではワインを生業にしているぼくですが、ワインをかじり始めた頃は「シラー」と「シラーズ」は別物、もしくは亜種だと思ってました(涙)

ということで、今回はまじめにスイスでのシノニムについて綴ります。

ためになるな〜(笑)

シャスラ, グートエーデル&ファンダン

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スイスを代表する伝統品種Chasselas(シャスラ)
なかなか飲む機会がないスイスワインですからその中で「飲んだことがある」という数少ない方の多くはシャスラを飲んだ、と仰います。

スイスで一番多く造られている白ぶどう品種シャスラですが、産地によって呼び方が異なります。
ドイツ語圏のグートエーデル(Gutedel)、ヴァレー州のファンダン(Fendant)が代表的なシノニムです。
その他、Blanchette、Bois Rouge、Bon Blanc、などなどシャスラには非常に多くのシノニムが存在します。

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このシャスラ、フランスのブルゴーニュ地方のシャスラ村から来たから「シャスラ」と言われていますが、ブドウの遺伝子解析によると、レマン湖畔が原産とされています。*2

*2 Jose Vouillamoz, SWISS GRAPES, 2019:44

また、シャスラはテロワールを如実に表すことでも知られており、産地によって味わいは大きく異なります。そのためシノニムで表記されているとつい違う品種と思われる方も多くみられます。

マルサンヌ&エルミタージュ

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フランスのローヌ地方北部エルミタージュで多く栽培されている白ぶどう品種のMarsanne(マルサンヌ)はヴァレー州ではErimitage(エルミタージュ)と呼ばれているそうです(とワイナリーの人が言ってました)。

さしずめ「甘薯」(かんしょ)を「薩摩いも」と呼んでるようなもんでしょうか。

面白いことにローヌのエルミタージュの綴りは「Hermitage」ですが、スイスでの呼称、エルミタージュは「Ermitage」とHなしで綴られています。

ピノ・ノワール&シュペートブルグンダー

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フランス・ブルゴーニュ原産のピノ・ノワールは世界各地で栽培されている国際品種です。
もちろんスイスでも多く栽培されており、栽培面積はスイスで一番広いのです❗️(これにはぼくもビックリ)

ドイツではピノ・ノワールのことをSpatburgunder(シュペートブルグンダー)と呼ばれ、オーストリアではBlaugurgunder(ブラウブルグンダー)と呼ばれていますが、面白いことにスイスのドイツ語圏ではピノ・ノワールと呼ばれることが一般的です。*3

*3 エノテカさんのWEBサイトによればスイスでもシュペートブルグンダーやブラウブルグンダーと呼ばれているそうです
https://www.enoteca.co.jp/article/archives/3173/

スイスワインのエバンジェリストを目指すぼくもシュペートブルグンダーもしくはブラウブルグンダーと表示されているスイスワインはまだみたことがありません。(お店でシュペートブルグンダー、ブラウブルグンダーと言っても通じますよ)

また面白いシノニムを見つけたらつづりますね〜

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Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
https://www.vinumhelvetica.com/

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