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Boccallinoってなんやねん?(スイスでワイン造ってるの? #65)

今や世界中で造られているワイン。
ワインを造っている国・地域にはその国・地域の文化・風習に根付いた「ワイン文化」があります。

ワインボトルの形が地方によって違っていたり、ジョージアのクヴェヴリ*1などは各地固有のワイン文化と言えるでしょう。

*1 素焼きの器で、ワインの発酵、熟成、貯蔵に使われる

今回はスイス・ティチーノ州の独特のワイン文化をご紹介します〜
(タイトル写真はティチーノ州モンテカラッソのぶどう畑)

スイスの中のイタリア

まずはティチーノ州について。
冬場はどんよりとした天気ばかりのスイスですが、アルプスを貫くゴッタルドトンネルを南に抜けてティチーノに入ると、青空が広がり、全く違う国に来た様な気分になれます。

ティチーノ州ベリンゾーナは3つの古城をもつ要塞都市としても有名

中世、ミラノ公国に支配され、イタリア語が公用語で、文化的にもイタリアのティチーノはさながら「スイスの中のイタリア」と言えるでしょう。

とは言え、スイスなので、列車も時間に正確で、「イタリアは好きだけど、時間にルーズなところがなぁ〜」と思っているアナタ❗️
ティチーノお勧めですよ〜

メルロ王国

ティチーノのメルロ畑

ティチーノと言えばメルロ、メルロと言えばティチーノ」と言われるくらい(誰が言うてるか知らんけど)メルロの栽培が盛んなティチーノ。

ぶどう畑の80%以上がメルロで占められ、赤ワインはもちろん、ロゼもスパークリングも、そして白ワイン*2も❗️メルロで造られているんです。
そう、ティチーノは「メルロ王国」なんです。

*2 ぼくがスイスワインの虜になったきっかけもティチーノのメルロの白です

元々メルロばっかりが植えられていたのではなく、フィロキセラという害虫被害のあとメルロに植え替えられ*3ティチーノの気候風土*4に合ったので、今やメルロばっかりになったそうです。

*3 1906年に植え替えられたと言われています
*4 スイスなのに地中海性気候❗️

ボッカリーノ

メルロの栽培以外にティチーノのワイン文化を代表するのが今回のメインテーマ「ボッカリーノ」です。

どこから見ても湯呑み(笑)

ティチーノのレストランでボトルのワインを注文した時のことです(もちろんメルロでっせ〜)。
ボトルと一緒にテーブルに運ばれて来たのはワイングラスではなく、陶器でできた持ち手のない、日本の湯呑みのような器ではありませんか❗️

容量の目盛りがついてるのもユニーク

ぼく:あの〜、これ何ですか?
店員さん:あぁ、コレかいな、コレでワイン飲むんや。ティチーノの伝統やで〜

へ〜、それまで何度かティチーノに来てたのですが、湯呑みを出されたのはそれが初めてでした。

この湯呑みがボッカリーノ (bocallino)です。*5

湯呑みのようなカップと可愛らしいカラフェ

*5 ワインを飲む器そのもののだけでなく、ワインを移し替えるカラフェを含めてボッカリーノと呼ばれています

ボッカリーノは紀元前8世紀から7世紀ごろに生まれ、スイスの隣のピエモンテ、ロンバルディア、トスカーナで使わていたものが、19世紀にティチーノにもたらされたそうです。

どうでしたか? ボッカリーノご存知なかったでしょう?

スイスワインのエバンジェリストを目指すぼくですが、まだまだ知らない事がいっぱいありそうです。
また折にふれ、紹介しますので、フォローしてな〜

ティチーノのワインのお求めはこちら〜

Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
www.vinumhelvetica.com


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