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対人支援は誰のため?クライアント?自分?

〜人生のオーナーシップを自らの手に〜Vol.11

『うるせぇ、“クライアントのためにを思って”なんてきれい事言うんじゃねぇ!あんたが自己重要感を感じたいからやっているんだろう!それを潔く認めろ!』

これは、もうかれこれ7〜8年前。
とあるワークショップで、(その当時の)コーチによく見かけられる
典型的なコミュニケーションパターンについて、十数人で話し合いが行われたときに、我を忘れて僕が叫んだ言葉です。

コーチと名乗る人の多くが、通常のコミュニケーションの中でも、
やけに柔和な顔をして相づちを打ってきたり、面倒な質問を投げかけてくることをよく見かけるという話しから、始まった話し合い。

コーチを名乗る人や、カウンセラーを名乗る人、心理的な自己探求をしている人など数十人いる中で、それぞれの立場毎に、テーマに対してどのような考えがあるかを話し合い、理解し合ったり、学び合うための手法を学ぶという目的で集まったワークショップでの一場面です。

コーチを名乗る人の中から、「クライアントの方が本質に気づく機会になればと思って」というフレーズを聴いたとき、強烈に自分の中に怒りが湧いてきたのを憶えています。
それで怒りながら相手に浴びせた言葉が前述の言葉です。
後から冷静に見ると、大人げない言動でした。
お相手を傷つけたかもしれませんね。ごめんなさい。

これを少し紐解くと、
1,対人支援職たるもの、相手を支援することに重きを置くべきであり、
「自分のため(利己)ではなく、クライアントのため(利他)のために」
というスタンスであるべきである。
(傾聴の焦点を自分ではなく、相手に当てるというスタンスを当時、このように解釈していました)

2,自分が実のところ、「自己重要感を感じたいからやっている」ということを認めたくなくない。認めると、自分が対人支援職として失格となるような気がしていた。

という思い込みがあり、自分の中にある、「自己重要感を感じたいからやっている」=「利己」という考えを自分自身で律し、疎外し、表に出ないようにしていた。

その一方、そうした利己的な部分がある事への恥というか劣等感を感じてもいたのだろうと思います。

加えて、
「クライアントのためにやっている」という言葉のなんとはなしの
「押しつけがましさ」というか、
「あなたのためを思って、私は言っているのよ!」という
子供の頃に良く母から言われた眉唾物の言葉にも似た感覚が蘇り、
「うそつけ!自分(母親)が恥ずかしい思いをしたくないから、僕を縛り付けようとしているんだろう?」といったような反発心も湧きました。

「クライアントを思って」という言葉の裏に、「クライアントが未熟だから、私がなんとか気づかせてあげる」
といったような傲慢さを僕が相手から感じてしまった。(自分がそういうメガネをかけて、相手の言葉をそのように聞き取ってしまったのだろうと思います)

結局の所
1,恥、劣等感を感じる自分を、発言されているお相手に投影して怒る

2,お相手の発言から勝手に感じ取った傲慢さ(=自分の傲慢さをお相手に投影)への怒り

が相まって、「なんて奴なんだ!」と怒りが湧いたのだろうと思います。結局、全ては投影した自分に怒っていた(苦笑)

【自分のため】と潔く言い切った方がよっぽどスッーっと言葉が入ってきますよね。

今、もしあなたは何故コーチングをしているのか?と聞かれたら

「僕がお役に立ちたいと思っているクライアント(特にビジネス・リーダー)のお役に立てるために自分のリソースを最大限に活かすことで、僕が充分に自己重要感を感じられて喜びを得る為にやっています」

とお答えします。

シンプルに言うと
「クライアントに役に立つことで、自分が嬉しくなるからやっています」

しかし一言、「自分のため!」と言い切ろうとすると少し躊躇が僕には湧くのですが、「自分のため」と言い切るときに、どうも「not クライアントのため」というものもくっついて居るように感じてしまう癖があるからですね。(二元的なものの捉え方に慣れているのでしょう。)

『クライアントのため「 or」 自分のため』ではなく『クライアントのため 「and」 自分のため』ですね。

「クライアントのため」に自己犠牲をしてはいけませんよね。

「自分が幸せを感じるため」にこれからも続けていきたいと思います。

_________________________

自分が大切にしている「人生のオーナーシップを自らの手に」という世界観やこの言葉の言霊が僕に体験させてくれたこと、僕が思っていることを発信していく時期に来たという感覚に従い、不定期ではあるものの、発信を始めてみました。
(何も真理を説くつもりはありませんし、どれも私の仮説です。)

ご覧になって頂いた方の何かしらの参考や刺激になれば嬉しいです。

では、また。

エグゼクティブ・コーチ
ヴィニー垂水

自分の人生のオーナーとして主体的に生きることで、自分が持つリソースを気づき、最大限に活かすマネジメント・リーダーシップを発揮したいという方は↓


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