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【あつ森】クリーム島青春与太話(モニカルート3)

(前回↓)


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モニカ「加納少年!ホントに来てくれてマジ助かる〜、ありがとね!」

「は、はぁ…よろしくお願いします。」

とうとうこの日が来てしまった。俺は今、モニカさんと一緒にレジャー施設『ニュー・ホライズン・ラクーン』に行こうとしている。側からみたらデートに見えるかもしれない。いやいっそその方がマシだったかもしれない。だが…

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モニカ「てちょっと待ちなさい。あなたは今日、アタシの可愛い弟になるの。さん付で呼ぶ弟なんてすごくよそよそしいじゃない。」

そう、今日の俺はモニカさんの弟という設定だ。シベリアという本物のイケメン弟を差し置いて。モニカさんは友達と弟を見せ合いっこする約束をしている。しかしシベリアが入院してしまった為、何故か俺を代打に選んでしまったのだ。

モニカ「今日はアタシのことをモニカお姉ちゃんって呼ぶこと!今ここで練習してみよう。さ、モニカお姉ちゃんって言ってごらん。」

「モ、モニカお姉ちゃ……………。」

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「……あの、お姉ちゃんはちょっと。モニカ姉さんとかでいいですか?」

モニカ「んー、まぁそれでもいいわ。」

そもそも俺に兄弟がいないというのもあるが…いきなりお姉ちゃんはキツい。どうしても照れの感情が先に勝ってしまう。

モニカ「さ、これ以上リラ達を待たせるといけないし。そろそろ行こっか!」

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ということで水着に着替えてきたわけだが…俺の隣には同じく水着姿になったモニカさんがいる。スラリと伸びる手足と豊満だけどバランスの良い部位。その姿は俺と1つしか歳が離れていないのに大人の色気さえ感じさせる。

モニカ「なーに?そんなにジロジロ見ちゃって。お姉ちゃんのボディがそんなに気になる?」

やべ。いつの間に視線でモニカさんを追っていたのか。俺はモニカさんから視線を意識的に外そうとした。

「い、いやそんなこと無いですよモニカさ…モニカ姉さん。」

モニカ「あれ〜?そんなこと無いのに顔を赤くしちゃうんだ。可愛いとこあるのね、このこの〜!」

止めてくれ。腕組んで俺を身体ごと引き寄せるのは止めてくれ。色々と、その…当たっている。そんな時だった。モニカさんを呼ぶ誰かの声が耳に入った。

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???「あー!モニカいた!随分待ったよー!」

モニカ「ヤッホーリラ!今ちょうど来たとこなの。」

モニカの友人と思わしき女の子が来た。女子生徒にしてはガタイが良く、髪型と水着が随分派手だ。

リラ「この人がモニカの言ってた弟くん?あんまり似てなくない?」

モニカ「アハッ、リラは鋭いな〜。実は本物の弟が入院しちゃったから代理人を連れてきたの。弟の友達で加納柊二少年!」

おい!開始数分だというのに弟という設定はどこいった!?いや、もう普通に他人として接していいならその方が楽だけどな。

リラ「なーんだそうだったんだ、入院したんじゃ仕方ないね。初めまして加納君、アタイは波呂(はろ)リラ。よろしくね。」

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モニカ「ねーねー、リラはどんな子連れてきたの!?早く見たいな〜。」

リラ「えへへ〜、とっても可愛いんだから。目ん玉飛ばさないで見ててよ?おーい!マーく〜ん!!」

リラさんが声を掛けると俺よりも小柄で覇気のなさそうな男がやってきた。

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モニカ「わあ!なにこの子すっごく可愛い!!この子ホントにリラの弟??」

リラ「残念だけどアタイも弟連れて来てないの。マーくんはね、実はアタイの彼氏なんだー!」

そっちもか!!?しかも多分弟を連れてくる気は全く無かったな!?恐らくモニカさんに彼氏を自慢したいだけなんだな??

モニカ「え〜〜〜!彼氏なのー!?リラずる〜い!!」

リラ「黙っててごめんね。どうしてもモニカを驚かせたかったんだ。でもアタイより年下の彼氏だし、見方を変えればモニカの弟代行君と似たようなもんじゃない。」

モニカ「そっかぁ、年下じゃしょうがないね。」

何がしょうがないんだ!?そろそろツッコムのも疲れてきたぞ。

リラ「モニカ、早く遊ぼうよ!まずあっちの流れるプールとかどう?」

モニカ「いいね〜!早く泳ぎたいと思ってたの。いこいこ!」

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もう弟の見せ合いっこという本来の目的はどうでも良くなったらしい。モニカさんとリラさんは2人だけでさっさとプールに行ってしまい、マーくんと呼ばれた男とその場に残されてしまった。深くため息をついた後に顔を上げるとニコニコ顔のマーくんと視線が合う。

マーくん「よろしくー。」

「お、おう…。」

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もはや何の集まりなのかよく分からない俺たちは流れるプールの他にもウォータースライダーなど様々なプールを楽しんだ。今はプールサイドに上がって休憩がてら雑談しているところだ。

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モニカ「リラは副部長でね、ウチの部の中でもとびきり運動神経がいいし練習中も周りをきちんと見てくれるの。アタシが部長としてチアを続けれるのもリラが支えてくれるお陰なのよ。」

リラ「アタイはただダンスするのが得意なだけ。チアはチームでやるものでしょ。ただダンスが上手いだけじゃなくて、モニカみたいに皆のモチベーションを保てる人が必要なの。」

モニカ「ありがとう。でもアタシはリラみたいに上手になりたいな。リラのダンスは迫力があるし、スタンツだって誰と組んでも安定してるじゃない。」

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「あの、スタンツって何ですか?」

リラ「スタンツっていうのは簡単に言うとチアリーディング向けの組体操って感じかな。2人でやるものから大人数でやるものまでいっぱいあるんだ。」

モニカ「難しい技が多いけど、成功するとすっごく気持ちいのよね。そうだリラ!ここで加納少年とマーくんに簡単なスタンツ見せようよ!」

リラ「えー!?それ大丈夫?プールサイドは落ちたら危ないし、大体モニカはずっとトップやってないよね?」

「そ、そうですよ。難しいんでしょ。何も俺達の前で今やろうとしなくても…」

モニカ「大丈夫!リラのベースなら安心してアタシのこと乗せられるわよ。落ちないようにちゃんとバランス力も鍛えてるんだから。」

リラ「そう?まぁモニカがそこまで言うんだったら。じゃあ、この辺で足場が安全そうなところを探そうか。」

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俺がスタンツの話を振ったせいなのか、モニカさんの妙なやる気に火がついたらしい。これから何をするのか分からないが、モニカさんはリラさんの真後ろにつく。

モニカ「頼りにしてる、リラ。」

リラ「モニカ、集中して。アタイと息を合わせて。…………行くよ、」

モニカ&リラ「「1、2、3、4………………!」」

リラさんが片足を後ろに伸ばすと屈んで肩の後ろでモニカさんの手を繋いだ。一方、モニカさんは伸ばされたリラさんの膝の裏に足を乗せる。するとリラさんが繋いだ手を手前に引くと同時にモニカさんの身体が浮き上がり、モニカさんの足がリラさんの肩にピッタリつく。するとリラさんはモニカさんの足を掴み、水平に保ったまま立ち上がった。

素人目線でもなんとなく分かる。これはお互いの呼吸を合わせないと成功しない。持ち上げられたモニカさんが爽やかな顔で俺に手を振ってくる。

モニカ「どう?これがアタシ達のスタンツよ!」

リラ「モニカ、そろそろ降ろすけどいい?」

モニカ「オッケー。行くよリラ……1、2………………あ!」

息を合わせようとしたところでモニカさんの足がリラさんから離れた。モニカさんの身体が宙に浮き、背中から後ろに倒れていく。

モニカ「きゃあああ!!!!」

「モニカさん!!!…うわっ!!!!」

無我夢中だった。2人の後ろはちょうどプールになっていたが、打ちどころが悪かったら怪我なんてレベルでは済まない。とにかくモニカさんを受け止めようと必死だった。なんとか伸ばした片腕でモニカさんの肩を掴むことが出来たが、結局身体まで支えきれず俺も一緒になってプールに落ちた。

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プールの水を全身に被った俺とモニカさんがプールから這い上がると、顔面蒼白なリラさんが俺たちを覗き込んできた。

リラ「ちょっとモニカ!加納くんも大丈夫!?」

俺は特に問題ないが、ヒヤッとする思いをした当のモニカさんはけろりとした表情を見せるだけだ。

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モニカ「アハッ全然大丈夫よ!でも加納少年が受け止めてくれなかったら危なかったかも。」

リラ「もうう〜〜〜〜。それ笑って言うことじゃ無いでしょ!?」

全く持って同感だ。

…シベリア、お前の言う通りだ。お前のお姉さんは大変な人だ。

(次回↓↓)


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