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【あつ森】クリーム島青春与太話(チョコルート2)

前回↓↓


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授業の中には選択科目に合わせた移動教室の授業がある。俺は世界史を選択しているが、ハムカツとシベリアは日本史を選択しているので互いに違う教室に移動して授業を受けに行く。

こういった移動教室では他クラスの生徒と同じ席につくことがある。…なんだ、やけに視線を感じるな。俺が視線の先を見る前に声がかかってきた。

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???「加納柊ニくん、だよね?」

声の主は俺の1つ後ろ席にいた。少しねっとりとした声質でハキハキ感のない風貌の男子生徒だ。どこかで見覚えがあるようなないような…。

???「僕、たぬき中の嶺山(みねやま)ペーターなんだけど覚えてる?」

峯山ペーター…思い出した。俺と同じ中学で同学年の男子生徒だ。1度だけ俺と同じクラスになったけど、誰ともつるまずに1人で隅っこにいることが多かったな。同じ高校に進学していたなんて知らなかった。それぐらいあまり存在感のないやつだ。

ペーター「君にお願いしたいことがあるんだ。今日の放課後、屋上まで来てくれる??」

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「悪いけどお前とは顔と名前を知ってるだけの他人だ。面倒な頼み事なら他のダチにお願いしたらどうだ。」

ペーター「そう…。君が拒むならクラスの皆にこう言いふらそう。」

峯山は断られて凹むどころかスッと真顔になり、俺にそっと耳打ちしてきた。

ペーター「加納柊二と甘露チョコはできている、てね。」

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ペーター「来てくれてありがとう。僕もあんな噂流したくなかったから安心したよ。」

「お前、マジでやろうとしてんなら相当性格悪いぞ。あと俺と甘露は付き合ってない。」

無視するという選択肢もあったが、出鱈目な噂を本当に流されるとなると気分が悪い。正直面倒くさいことこの上ないが俺は峯山の待つ屋上へ向かうことにした。中学時代、大人しいと思われていた峯山が強気の態度に出る程の『お願い』とは何だろう。

「で、俺に頼みたいことってなんだよ。」

ペーター「ああ。実は…………」

言いかけたところで峯山は急にまごまごし出した。

ペーター「実は僕、甘露チョコさんのことが好きなんだ。」

「はぁ……………は!?」

峯山の予想外の切り出しに俺は思わず素っ頓狂な声をあげた。

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ペーター「好きで居続けて気付いたら高2になってて。今年こそ甘露さんに告白したいんだ。それで君には、僕が甘露さんと話せる機会作りを手伝って欲しい。君は中学の頃から甘露さんとよく喋ってるだろ?」

まさかこれが峯山のお願い?俺に恋のキューピッド役をしろと言うのか??

「甘露と話したいだけなら峯山が自分で声掛ければいいだろ。」

ペーター「用もないのに親しいと思われてない女の子に話しかけれる?しかも今はクラスも違うんだよ。無理だよそんなの。」

まぁ峯山がそう言うのも分からないことはない。何か物理的な用事がないと目的の人と喋る機会を得るのは意外と難しいかもしれない。しかも相手はあの甘露だ。弱気な状態の峯山ではどんな目に合うか…想像すると少し可哀想に思えた。

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ということでその数日後。俺は昼休みの時間を利用して甘露との接触を試みる。峯山が食堂の場所取りをしている間、俺が甘露を探して昼飯に誘うという作戦だ。運が良いことに、甘露が独りで教室を出ようとするチャンスを捉えた。俺は小声で甘露を呼び手招きをする。

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チョコ「なに?アタイこれからお昼なんだけど。」

甘露が鬱陶しそうな表情を浮かべて俺のところまで来た。嫌そうな表情をされるのも仕方ない。甘露には甘露自身のタイムスケジュールがあるだろうから。

「あー…だよな。俺も今から昼飯なんだ。で…今日さ、甘露さえ良ければ一緒に食べないか?」

チョコ「加納と?お昼??」

「いや正確に言うと俺ともう1人…峯山となんだけど。でもいきなり誘われると迷惑だよな。今のは無かったことに」

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俺が諦めて踵を返そうとした時だった。

チョコ「ちょっと!誰がヤダって言った?アタイの返事を待たずに話を進めんな。」

俺を呼び止めた甘露は少し考えるような表情を浮かべてから言ってきた。

チョコ「いーよ、一緒にお昼行こうか。でも条件1つ追加。アタイの方からも1人連れてきていい?」

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こうして甘露と峯山を引き合わせることになんとか成功し、同じ中学出身というだけでクラスはバラバラという風変わりなメンツで昼飯を取ることになった。

チョコ「好きな色か〜。アタイは断然グリーン!峯山くんは?」

ペーター「え、えと…僕はオレンジが好きかなー。」

いつものつっけんどんな態度からして俺は甘露は男嫌いなのかと思っていた。しかし分からない。甘露のやつ、なんで峯山とは普通に接しているんだ??何故俺の時とあからさまに態度が違う。

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エトワール「オレンジはとても暖かみのある色ですよね。私も好きです。」

ペーター「そうなの?あ、僕はベージュも好きだな。」

甘露が連れてきたもう1人の女子生徒。彼女も俺と同じ中学校に通っていた生徒で名前はエトワール星野(ほしの)という。進学してからも甘露と仲が良いらしい。彼女も交えて自分達の話の他に中学時代にあった行事の話などで会話が弾んでいく。

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チョコ「そうだ!せっかくおな中で集まってるんだし、休みの日に皆で遊びに行かない!?」

エトワール「わぁ!行きたいです。どこがいいかしら。」

チョコ「ねー。どこがいいかな?加納、アンタ盛り上がれるとこ知らない?」

何故責任重大な提案を俺に降るんだよ!と思ったが、ここで前にオフクロがメールで送ってくれた屋内プール施設の優待券のことを思い出した。俺は3人に携帯メールで送られた優待券の画像を見せる。

「ここならどうだ?ちょうど4人まで使えるみたいだし。」

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ペーター「え、これって『ニューホライズン・ラクーン』だよね。いいの、僕たちが行って。」

エトワール「わあ!実は私、前から興味あったんです。」

峯山と星野の反応は上々だ。この施設、オンシーズンの時は予約優先になるくらい人気があるからな。

チョコ「てことはアタイ達水着で遊ぶの??」

「そりゃそうだろプール施設なんだから。」

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チョコ「あ、アンタいきなり何考えてるの!?いきなりプールとか難易度高すぎでしょ!?」

「俺に場所の話をふったのは甘露だぞ?なんならここの他に良い場所があるなら教えてくれよ。」

他に行きたい場所があるなら素直に言えばいいのに。甘露はぐぬぬと頭を抱え出す。そして顔を真っ赤にして俺に向かってビシッと指差してきた。

チョコ「分かったわよ、行ってやろうじゃない!アタイの肉体美に腰抜かすんじゃないわよ!?」

どうやら甘露も行く気になったらしい。かなり強引だがこれで甘露と峯山が接触する機会を作れただろう。峯山はというとまだ当日にもなっていないのにウットリしている。大方、甘露の水着姿でも想像してるんだろう。そういえば中学の時期から体育は男女で分かれるから女の子の水着なんて殆ど見てない。甘露はどんな水着を着るんだ……………て何故俺まで想像してるんだよ!!?

(次回)↓↓


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