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【あつ森】クリーム島青春与太話(チョコルート5)


前回↓↓


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あれから学校で甘露と会うことがあっても喋ることが無くなってしまった。どちらかと言うと甘露の方が明らかに俺のことを避けるようになったのだ。

今日も甘露が峯山と話しているところを見かけたので近づこうとしたのだが、甘露は俺の姿を見るなり会話を切り上げてその場から離れていってしまった。しかし峯山の方は何故か嬉しそうな顔を俺に向けてきた。

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ペーター「やぁ加納くん、聞いてくれよ。最近、僕は自分から甘露さんに声をかけて世間話が出来るようになってきたんだ。」

再会した日に比べて峯山から少しだけだが自信があるように感じる。自分から用事とは関係なく甘露に声をかけることが出来る。これは峯山にとって飛躍的な進歩だったんだろう。

ペーター「僕、決めたことがあるんだ。加納くん、今日の放課後の時に屋上まで来てくれないか?これは君にしか話せないんだ。」

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放課後になって屋上に行くと既に峯山が俺のことを待っていた。

ペーター「これまでずっと憧れだった甘露さんと距離を縮めることが出来たのは加納くんのお陰だ。本当にありがとう。」

「峯山、悪いんだけど先に教えてくれ。お前はどうして甘露のことが好きなんだ?」

ペーター「……そうだね。協力してくれた君には話すべきかもしれない。あれは僕らが中学生だった時、僕と甘露さんの2人で日直になった日のことだった…」

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チョコ「そういえば峯山くんってさ、字書くのすごく上手いよね!」

ペーター「え………そ、そうかな。普通の字だと思ったんだけど……」

チョコ「上手だよ!アタイ、授業で峯山くんが先生に指されて板書する時いつも見てて思ってるよ。少なくとも男子の中じゃダントツで綺麗な字だって!!アタイも峯山くんみたいに綺麗な字を書けたらいいのにな〜。」

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ペーター「その言葉がものすごく嬉しかったんだ。ただの空気のような僕のことを見て褒めてくれる人がいるんだって思えたから。」

確かに峯山はクラスでも友達を作らず、常に1人で教室の隅にいるか机に向かっていることが多かった。峯山が何を考えているのか分からなかったのだろう。クラスの連中が誰も近付こうとしなかったのは本当だ。

特に虐められる様子は無かったが、それでも孤独で自分のことを知って貰えないことに寂しさを感じていたかもしれない。そんな峯山にとって甘露は救世主のような存在だったんだろう。

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「そうだったのか。じゃあ峯山、お前が話したいことっていうのは…」

ペーター「ああ。僕、今日こそ甘露さんに告白するんだ。」

峯山はいつに無い真剣な顔つきで俺に向き直る。

ペーター「これは僕の学生人生にとって大事な挑戦だ。どうなるか分からないから正直怖いけど、何もしないまま後悔したくないんだ。」

なんとなく分かった。今の峯山の言葉に嘘偽りはない。これは本気の宣言だと。

俺は………

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告白を応援する

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「なら頑張れよ。ずっと好きだったんだろ。」

俺にも甘露に対して思うことはあったが、峯山の気持ちには敵わない。アイツの決意を俺が踏み躙るわけにいかないと感じた。

ペーター「加納くん…。」

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ペーター「僕、頑張るよ!自分の想いをちゃんと甘露さんに伝えるよ!」

峯山は俺の手を握ると意を決したかのように歩を進め、屋上を後にした。俺はそんなアイツの後ろ姿をただ見送るだけだった。

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それから数日が経過したが、俺は今でも甘露とまともに話すことが出来ないままだ。そんな中、世界史の移動教室に向かうと机に向かって項垂れている峯山の姿を見つけた。

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ペーター「…………………。」

峯山は俺の視線に気付いたのか、のろのろと顔を上げた。

ペーター「あぁ、加納くん。なんだかこうやって話すのは久しぶりだね。」

作り笑顔で誤魔化そうとしているが、すぐにしょぼくれた顔に戻る。

ペーター「君が何を聞きたいのか分かるよ。僕、確かに甘露さんに告白したよ。でもね………振られちゃった。」

「甘露が、峯山を振った??」

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ペーター「甘露さん、他に好きな人がいてその人のことを諦められないんだって。」

なんだよ甘露のやつ…峯山が勇気を出して告白したというのに、受け入れなかったっていうのか??俺は一抹の怒りを覚えたがそれを咎めるように峯山はゆっくりと話し始めた。

ペーター「…好きな人がいるんじゃ、しょうがないよ。そりゃあ言われたばかりの時はすごく落ち込んだよ。でも不思議なもんでさ、だんだん自分でも納得出来る様になったんだ。加納くん…あの時僕の背中を押してくれてありがとう。」

峯山は再び作り笑顔を浮かべるとそっと俺に耳打ちした。

ペーター「僕は君が、羨ましいよ。」

…………………………。

…………………………………………………。

(END)




告白を応援しない

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「峯山。悪いけどその告白、俺は受け入れられない。」

ペーター「え………。」

峯山は驚いたのか俺の顔を3度見してきたが構わず話を続ける。

「お前のおかげで俺もアイツのこと、どう思ってるのか気付いたんだ。」

ペーター「加納くん、何を言って………。」

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「俺も甘露のことが好きだ。多分、中学の時から。俺だって甘露といると楽しい。もっと一緒にいたい…そう思えるやつなんだ。」

ペーター「なんだよそれ………。そんなの、そんなのあんまりだよ加納くん!」

確かに恋愛相談した相手が手のひら返して彼女を取り合おうとするなんて思いもしないだろうな。峯山からしたら俺は相当酷いやつなんだろう。

「お前がそう思うのも無理ないよな、いっそ恨んでくれてもいい。でも俺は甘露をお前に譲る気はないから。」

ペーター「なら君がどう考えようと僕の気持ちは変わらない。今からでも僕は甘露さんに告白しに行くんだ!」

そういうと峯山は俺を振り切り、屋上から出て行ってしまった。

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俺は階段を駆け降りて廊下に出たが、もう峯山の姿はない。早く…アイツより早く甘露に会わないと!この時間に甘露は何をしているか…きっと部活動中だ。そこなら甘露がいるかもしれない。気持ちがはやった俺はチアリーディング部が練習に使う体育館へ急いだ。

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モニカ「あれ?君、部活見学の時に来てた人だよね。もう部活見学はとっくに終わってるよ。」

俺が体育館に入るなり、1人の女子生徒が顔を出してきた。部活見学の対応をした大神モニカさんだ。

「甘露……甘露チョコさんはいませんか?彼女と話がしたいんです。」

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モニカ「分かってると思うけど、今練習中なの。用があるなら部活が終わってからにしてくれないかな?」

大神さんは出会った時より少し圧を加えた声で俺を追い返そうとする。迷惑をかけることになっても俺は甘露に会わなければならない。どうしても、一刻も早く会いたい。

「練習中のところすみません。でもどうしても今、彼女に会いたいんです。お願いします!その為にして欲しいことがあるならなんでもします!!」

モニカ「ふーん、そう。じゃあ部員皆の前で3回まわってワン!て鳴ける?」

な!?古典的だけど恥ずかしいプレイだ。でも今1回そうするだけで甘露に会わせてくれるなら……。俺は犬のポーズを取り、屈んで回ろうとしたが大神さんは大笑いしながら俺を止めた。

モニカ「アハ!なーんてね、冗談よ。すごく真剣なのは伝わったから今日は特別にOKするわ。チョコちゃんだっけ、呼びに行くね。」

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モニカ「チョコちゃーん、男の子から指名入ったわよー。」

チョコ「え…加納……!?……………。モニカ先輩、アタイこの人知りません。追い返していいです。」

コイツ…まだ他人のフリをする気か!このまま甘露の言うまま追い返されたら峯山に先を越されてしまうかもしれない。俺はチアリーディング部員らが集まる中に強歩で踏み入り、出てこようとしない甘露の腕を掴みにいった。

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チョコ「ちょっと!!?何すんの!!?」

「いつまでも俺のこと避けれると思うなよ。いいから話を聞いてけ!」

チョコ「ちょ、どこ連れてく気ーー!!?」

俺は周りの部員らに驚かれるのも気にせず甘露の腕を強引に引っ張り、体育館の外へ引き摺り出していく。

(次回)


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