〈完了〉以外におさえておきたいrồiの3つの用法

ベトナム語学習において、「rồi」の理解は非常に重要です。「rồi」は、動作の段階や状態を示す「アスペクト」を表す代表的な単語だからです。
ベトナム語では、過去や未来といった時間軸的に現在から遠い表現よりも「もうやったのか、まだやってないのか」といった、時間軸的に現在に近い表現を重視するため、「もう〜した」という意味の「rồi」は日常会話で非常に多用されます。

今回はその〈完了〉の意味以外で「rồi」がどのように使われるかに焦点を当てて解説します。


① 〈成立・強調〉の副詞 「〜(な状態)になった」「確かに〜だ」

「rồi」を単純に〈完了〉と理解していると、場合によっては誤訳や誤解を招くことがあります。たとえば、「ăn cơm rồi」という表現は「食べること」が〈完了〉した、つまり「もう食べた」と訳せます。このようなケースでは、「rồi」を〈完了〉と解釈することに問題はありません。

しかし「no rồi」という場合は「(すっかり)お腹がいっぱいになった」という意味であり、「no(お腹がいっぱい)」な状態が〈成立〉したことを意味します。

〈完了〉というと「何かが終わった」というニュアンスがあるため「rồi=終了」というイメージを抱きがちですが、〈成立〉というイメージも合わせて持っておくとrồiの理解がしやすくなります。

ここから先は

1,506字

¥ 180

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?