【疎開日記2020#13】 怒涛の週末
4月11日、疎開生活12日目。
1日飛ばしでお送りします。もう土曜日です。
部屋の内見に行ったのは9日木曜日。翌10日に会社を通して、大家さんに連絡を取ってもらい、洗濯機とテレビ、Wi-Fi、扇風機、マットレスを用意してもらうことになりました。そう、引っ越しすることに決まったのです。
早送りですみません。
今日は大家さんとの契約日。契約が終われば、いつでも引越しができます。今週は夫も土日休み、来週からオンライン授業も始まるし、引っ越すなら今週末がベストです。
10時に大家さんがやってくるとのこと。不動産屋のお姉ちゃんに連れられて、新しい部屋へ向かいます。部屋についてびっくり。大家さん、家族総出で来てはりました。
お父さん、お母さん、そしておじいちゃん、内見の時にいたおばさんは親戚の方でしょうか?娘さんと息子さんが、わたし達のために用意されたシーツが敷かれたベッドの上で裸足で飛び跳ねています。
娘、苦笑い。
こちらの要望通り、テレビ、洗濯機、マットレスに扇風機がありました、Wi-Fiもつながっています。リストを見ながら、一つ一つあるかどうか確認してチェックをします。
蛇口を捻って、水が出るか。トイレの水は流れるか。シャワーのお湯は出るか。扇風機は動くか。洗濯機もきちんと動くか。キッチンのコンロは使えるか。テレビも見られるか。
エアコンにスイッチを入れますが、入らない…。大家さん(父)がリモコンをいろいろいじって、なんとか入るようになりました。
掃除をしたと言っても、自分たちでサッと済ませたのでしょう。日本人にとってはきれいとは言い難い環境ですが、このあと自分たちで掃除をすればいいだけのこと。
問題もなく、大家さんたちもいい人そうで一安心。聞けば、すぐ近くに住んでいるとのこと。
お願いするのを忘れていたウォーターサーバーも追加で買ってくれるとのこと。しかも、今日中に届けると。さらに、大家さん(母)が鍋や食器はあるか?いるか?と聞いてきました。是非、お願いします!今日の夕方持ってきてくれるとのこと。いい大家さんでよかった。
夫が不動産屋のお姉ちゃんと契約書類を書いている間、わたしと娘は部屋を見て回りました。シャワーが嫌だと言っていた娘も、だんだん乗り気になり、この部屋だったら明るいし、広いし、今よりいいねと言ってれました。前に見た時より確実にイメージは良くなっている模様。えがった、えがったのう。
と、そこへ近所の子どもが部屋を覗きにやってきました。そして、「あれ?なんでいるの?」と大家さん娘に声をかけ、何の躊躇もなく上がり込み、うちのソファーで一緒に遊び始めました。
昭和っぽい!
きっと、つい最近まで大家さん一家が住んでいたのでしょう。近所の人も大家さんが話してくれたようで、ニコニコ受け入れてくれている感じ。娘はまだドキドキしているようですが、昭和生まれのわたしと夫、この感じ、悪くない。
さて、無事に契約が終わり、大家さん一家は帰って行きました。
気合を入れて引越しと掃除です!
夫の会社の同僚(単身赴任の方)が荷物運びを手伝ってくれたので、お昼前には荷物は運び終わりました。お礼にホーチミンから持ってきていた香港製造の出前一丁(醤油味)でお昼を一緒に食べました。こんな物しかなくて申し訳ない…。またご飯を食べに来てください!
午後は大掃除のスタートです。
一見きれいに見えるこの部屋ですが、あくまでも見えるだけ。ソファーは破れて真っ黒、キッチンは油汚れと水垢だらけ、洗面所とシャワーも水垢と石鹸カスで真っ白です。
スーパーでマジックリン的な洗剤を購入し、ソファーを拭き続けると、ある程度白くなりました。(写真はビフォーアフター)
掃除機をかけ、モップをかけ、水回りを擦り、すべての物を雑巾で拭いたら、持ってきた物を少しずつしまっていきます。
前の部屋ではしまいたくなかった服もキッチン雑貨も、今回は観念してきれいに片付けます。
最後にベッドの準備…と思ったら、盲点が一つ!
エアコンが、今までの人生で見たことがないくらい汚い!
慌てて会社の知っている業者さんに連絡してもらい、今日中の掃除をお願いすることができました。ホッとしていると、悲しいお知らせが。
コロナ対策でマンション内に業者が入れないので、エアコン掃除はできない!
ヒィー!こんなエアコンスイッチ入れたら、カビとホコリだらけでアレルギー出ちゃう!こうなったら、自力でできるところまで掃除するしかない!
ひとまず社会的隔離政策は15日までということなので、そこまで待てば掃除は入ってもらえるかもしれませんが、そこまで待てないし、噂では30日まで延期の可能性もあるとかないとか。
封鎖、社会的隔離、次々に厳しい対策を取ってきたベトナムは、新規感染者がほとんどいなくなってきました。それで気が緩み始めたんでしょう、町をうろつく人が増えつつあります。罰金を強化したり、対策はしているのですが、たぶんもう一回締めつけが来るはずです。そう簡単に解除されるはずがありません。
ここに長く住むことになるかもしれない、そう覚悟してエアコン掃除の開始です。
割り箸にキッチンペーパーを巻き付け、マツイ棒で拭き拭きすると、あっという間に真っ黒になります。外せるところまで外し、拭けるところまで拭き…とは言っても、このエアコン掃除を担当したのは夫ですが。わたしはこれまたホコリだらけの中古扇風機を解体して掃除しておりました。
引越し記念でネット乾杯しようと友達が言ってくれていたのに、気がついたらもう6時。約束は4時半でした。ごめんよ、友たち。せっかくさっきスーパーでビール買ってきていたのに…。
夕方に大家が食器を持ってくると言っていたのに、なかなか来ないなと待っていたら、全然知らないおばちゃんがやってきました。何やらベトナム語で言っているのですが、全く話がわからない。どうやら、このおばちゃんは向かいの部屋の人らしいです。何やら言いながら部屋に帰ろうとしています。すると、隣のおばちゃんが出てきて英語に訳してくれました。
大家さんから食器持ってくって聞いてるでしょ?これよ!と。
なぜか大家さんではなくこのおばちゃんがゴミ袋に入った鍋やら食器やらを部屋から運んできてくれました。
花の絵の書かれた茶碗が10枚くらいと平皿4枚、そしてスープを入れる大きな深皿とプラスティックの小皿10枚ほど。ありがたいけど、なぜお向かいさんが?ベトナムっぽくて笑えます。
掃除に手間取ったので、夕飯の準備もできず、ブンタウで初のデリバリーを取ることに。空いているお店も、デリバリー対応しているお店も、ホーチミン とは比べ物にならないくらい少ないブンタウですが、とにかく星4つ以上評価されているベトナム料理屋でいくつか頼んでみることに。
ドライバーが道に迷ったのか、なかなか届かず、時間には遅れましたが、無事に受け取ることができたので良し!終わり良ければすべて良し!
揚げ豆腐、ティンリー、エビ、間違いないやつばっかり。
そうそう、デリバリーを待っている間、前の部屋に干したまま洗濯物を夫が取りに行くことに。
娘と2人で待っていると、チリンチリン鳴らしながら廊下を自転車で走り回っている男の子がいます。風通しのため、開けっぱなしになっているドアから中を覗き込み、チリンチリン鳴らしながら娘に精一杯のアピール!
セーダップモイ!セーダップモイ!
(新しい自転車、新しい自転車やで!)
娘、テレビを見ていて反応せず。
その後もしばらく粘っていましたが、諦めて帰って行きました。
(夫命名:チンチン太郎)
昭和!なんか、ものすごく昭和!
いろいろ疲れたのですが、ベトナム料理をつまみながらビールをひっかけ、いい気分で家族3人、夜のスーパーへ繰り出しました。シャワーでビチョビチョになった時、洗面所で使うスリッパを買うためです。おかしなテンションになっている家族3人、安いスリッパを買い、ついでに娘に鉛筆型のクッションまで購入しました。普段なら絶対買わないやつ。
心地よい疲労感でいっぱいの3人は月明かりに照らされて、笑いながら部屋に帰って行きました。
けれど、これでめでたしめでたし!にはならないのがベトナム。続きはまた。
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