【疎開日記2020#17】 OPP

4月19日(日)、疎開生活20日目。

ホーチミンは新規感染者ゼロが数日続いているにもかかわらず、15日までの社会的隔離措置を22日まで延長しました。

念には念を入れて、ここまできたら徹底的にやってくださいって感じです。こんなに耐えたのに、解放された後に感染者がひょっこり出てきて、またゼロからってなるんだったら、このまま撲滅までまっしぐらに進んでほしい。

ここブンタウはリスクが低い地域に分類されたため、週末から営業を再開する店が増えました。緊迫していた日々が嘘のようです。

レストランはテイクアウトのみですが、ローカルカフェは軒並みオープン、多くの人が利用していました。床屋もやっているようです。放置していたボサボサ頭をどうにかしようと駆け込む人も多いでしょう。

我が家も、もうかれこれ2か月以上美容院へ行けていません。自慢の刈り上げが伸び放題です。1か月に一回は刈り上げないと気が済まないわたしが、よく我慢しているものです。夫も同様にボサボサですが、ローカル床屋には行きません。襟足をものすっごいV字にされたり、もみあげをテクノカットにされたり、10年以上前にフルコース経験済みなので。


外見で言うと、休み中に娘に塗ってあげたネイルがハゲハゲで…。

いつもは塗りません。休校が2ヶ月続き、部屋から出られない生活をしている娘に、特別に塗ったピンクのネイル。そういう特別感っていいでしょ、こんな時なんだし。ブンタウでリムーバーが探せないので、シャワーのたびに剥がせるところを剥がしていますが、未だに親指にオーストラリア大陸のようなピンクの島が残っております。ネイルセットも一式置いてきたので、このまま大陸の変化を楽しんでもらうしかありません。


化粧もしないので鏡をきちんと見ることもなく、この前久々に眉毛を見たら、えらいことになっていてビックリしました。放っておいても生えるものは生える。

もともとが外見に無頓着なので、こういう時は手抜きに拍車がかかります。着ているものはペンキのついたシャツにヨレヨレデニム、ボサボサ頭ですっぴんにマスク。このままスーパーへ行くのも平気になってしまいました。

辛うじて鼻毛だけは出ていません。出ていたとしても、マスクをしているのでわかりませんが、これだけは譲れないところ!夫にも鼻毛カッターを渡してカットしてもらっています。ベトナムは空気が悪いせいで鼻毛の伸びが早いのです。鼻毛が出にくい生え方をしていて良かったと、しみじみ思います。


話をブンタウの様子に戻します。

確実に交通量が増えた日曜日、これなら親子3人で出歩いても大丈夫だろうと、近所を歩いてみました。ブンタウに来て初めての徘徊、いや散策。

近所に日本の商品ばかりを扱っているお店があるのを発見しました。100均グッズのようなものが2、3倍の値段で売られていたり、日本製の炊飯器や冷蔵庫もありました。日本のお菓子や食品も!ユニクロの服も数枚置いてありました。

その中で我が家がその存在に歓喜したもの、それは赤味噌!

赤味噌売ってる!そりゃもう小躍りしました。

味噌は持ってきているのですが、疎開直前に慌てて買った合わせ味噌で、物足りなくて困っていました。お味噌の国で育ったもので。赤味噌不足で震えが来る一歩手前まで来ていたので、これでしばらく生き延びられます。


他にも自転車屋、小さなフォー屋、ブンボー屋も見つけました。ローカルカフェはおじさんが溢れ、そこだけ見ると日常が戻ってきたかのよう。

何年もベトナムで過ごし、実に見慣れた光景ではありますが、おっさんでムレムレのオープンカフェを見て、これほど嬉しく思った日はありません。


あとは近所の小さな市場を発見!

画像1

どローカルで手が出ない虫のたかり方でしたが、町が動き出している!この感動!

画像2

そのうち絞められてしまう運命にある鶏さん達を見ても、ドナドナが流れませんでした。

ただ時間が10時半ということもあり、店が少ないのか、まだやっていない店もあるのか、野菜と少しの肉、そして魚介も少し。ブンタウですが、エビとカニが少しというがっかりな品揃えでした。やはりシーフードは大きな市場へ行かなければ買えないのか…。


コープの中はどうでしょう?スーパー以外営業していないのか見てみると…

画像3

まだ閉まってる…と思ったら、KFCだけやってました。ポテト食べられるの?と娘が聞きます。ええ、食べられますとも!お昼はケンタッキーだ!イエーイ!


二階をのぞくと、FAHASA(本屋)も開いていました。やったー!やっとメモ帳が買えるー!

記憶力が低下気味のお年頃なんで、ちょこちょこって書いときたいんですが、メモを忘れました。スマホのメモ機能とか使ってみますが、やっぱり手書きのほうが落ち着く世代。

学校の宿題類をまとめるクリアファイルも買えました。


ウハウハしながらケンタッキーへ行くと、残念ながら辛くないのはあと1ピース、次は20分待ちですと告げられました。

が、辛くてもいいのです、娘の分1ピースあれば。大人は辛いのとエビバーガー、ペプシだって飲んじゃいます。普段滅多に飲まないけど。久々のジャンクフードに満たされました。

画像4

食後は週末のお楽しみ、ドラえもんタイム。今週末はスペースヒーローズ。ドラえもん映画一挙放送も残りわずかとなりました。


映画も終盤に差し掛かった頃、キュルルルルル…聞き慣れない音が。お腹が悲鳴をあげています。痛みもなく突然始まったOPP。(OPP=お腹ピーピー)

なんだろう?身に覚えがありません。

夫も娘もお腹は平常運転。わたしだけが必死こいて何かしらの毒素を排出しています。

ランチか?久々の開店で野菜がいたんでたとか?いや、待てよ。家族でわたしだけということは、わたしに問題があるのかも。他人のせいにするより、まずは謙虚な姿勢で。


ふと思い出したのは、貧乏日本語教師時代の出来事です。

はたらけど、はたらけど…日本語教師だけではカツカツで、夜は別のバイトをし、体も壊し、ろくなものも食べていなかった青春の日々。キャベツ一個で1週間とか過ごしてみたり。バイトの賄いで生きていたあのころ。

東京で美容師のインターンをやっていた友人と久々にご飯を食べようと出かけたものの、お互いに懐に余裕はなく、確か選んだのは「てんや」の天丼だったか。

あまりにお久しぶりな揚げ物に胃が驚いたらしく、まだ20代だったにも関わらず、二人とも胃もたれを起こしたんでした。その後、数日胃が痛くて食べられなかった…懐かしい思い出。


そんな事もあったので、もしや久々のジャンクフードに胃腸が耐え切れなかっただけかもしれません。中年って残念。


OPPはこの後もずっと続き、翌朝も下り続けますが、日曜日はまだ終わらない…続きは次回。

#ベトナム疎開日記





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?