【疎開日記2020#3】 憂鬱な月曜日
とにかく、今週末の引っ越しはなくなったはず。なんならブンタウも行かなくていいんじゃないか?とホッとしながら、一度出したスーツケースを片付ける金曜の夜。
外国人への管理強化で、公安がマンションへ渡航歴チェックに回ってくるようなこの頃。きっとブンタウ引っ越しも公安が許可を出さないはず。
友達にLINEで「ブンタウに疎開って言われちゃったよー」と冗談まじりに報告。「たぶん行けないけどね」と付け足して。
いつマンション封鎖されてもいいように、食料を2週間分備蓄している我が家。ブンタウへ行くなら、食べなきゃいけないものが山のようにあるなと冷蔵庫を確認。日本へ一時帰国した時に持ってきて、大切にとってあった食材を今食べるべきか悩む週末が過ぎ、いつもと同じ引きこもり生活の月曜日がやって来ました。
3月30日朝、衝撃的なニュースが飛び込んできます。
「志村けんさんコロナで亡くなる」
コロナ感染のニュースは知っていたけれど、志村けんなら大丈夫だと、何の根拠もないけれど、心の中でそう思っていたんでしょう。相当なショックで午前中はボーッとしたまま過ごしました。
午後、夫から電話。「公安OKでたよ、ブンタウ行き準備してね。」
わー、最悪のタイミング。わたし今、超ネガティブなんですけど。
行くのはもちろん、ホテルなわけではなく、会社が借りているローカルマンション。近くにスーパーがあるらしいけれど、多分ホーチミンとは品揃えが違うはず。引っ越しではないので、持っていける荷物にも限りがあるだろうし、何かあったときに頼れる友達もいなければ、日本語の通じる病院もない…考えれば考えるほどネガティブに。
でも、行くしかない。
まずは日本人学校に連絡。10日に配布予定の教科書を先にもらえるか確認。ピアノの先生に連絡、今月分のレッスン代を支払いに行く約束。そして、持っていくものリストの作成。しまったスーツケースを再び引っ張り出します。
待てよ、引っ越し先のマンションに何があるかわからなければ、準備のしようがないじゃない?今空いている部屋は1つしかないということで選択肢はありません。会社の人にお願いをして、写真を撮って来てもらうことに。
そう、これ。ローカルマンションのこの感じ。嫌いじゃないけど、出来れば住みたくないなっていうレベルの懐かしい感じ。テンションはやはり上がらず。
海が見える部屋だったらいいなとか、妄想膨らませようにも、なかなか息が吹き込めず萎んでしまうわたしの心。
そして、この部屋の1番の見所はこれ!
神棚と線香で焦げた天井。
いつものわたしなら、この写真につっ込みまくり。笑いに変えることができるのに…こういう時に器の大きさが出るんだなと実感。ちっこい人間です、わたし。
娘に持っていくおもちゃの選別をするように言い、持っていく服を選別し…それでも、心のどこかでまだ行かなくてもいい方法があるんじゃないかとあがき続ける月曜の夜なのでした。
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