【疎開日記2020#9】 切って埋めて

疎開生活4日目

4月3日。昨日が祝日で本当に良かった。臭いながらも楽しい我が家。夫と娘と3人で楽しく過ごしたおかげで、ブンタウ生活もなんとかやっていけそうな気がしてきています。

ホーチミン封鎖と言われたものの、実際はソフトロックダウン。出入りは厳しく管理されて入るものの、完全に塞がれているわけではなさそう。けれど、外出する人はほとんどいない状態らしく、テトより空いてるんじゃないか?というくらいスカスカな町の様子が友人から送られてきました。

ブンタウもいつもよりずっと交通量が少ないんでしょう。普段の感じがわからないから何とも言えないけれど、大通りだと思われるマンションの前の道も途切れ途切れにバイクが通るのみ。


朝起きて、掃除をして、洗濯をするのはどこにいても同じ。夫が出勤した後、休校3ヶ月目に入る娘はダラダラと起きて、ご飯を食べて、朝の日課トイレタイム。少し時間がかかったけれど出ました、出ました!やっぱりドラゴンフルーツは効くなと感心しました。

午前中は涼しいので、娘にそろばんを教えたり、一緒にナンプレやったり、結構あっという間に過ぎていきます。お昼はホーチミンで買ってきた納豆、ベーコン、ネギで納豆チャーハン。これならいくらでも食べられると娘はいつもの倍パクつきます。嬉しそうに食べる子どもを見ると幸せな気分になります。

夕飯はサムゲタンに決めていたので煮込むだけ。ホーチミンは韓国人が多いので、韓国スーパーでサムゲタンに入れる漢方セットが買えます。骨付き鶏肉とサムゲタン セット、適当に餅米やら緑豆やらナツメ、クコの実、コトコト1時間煮込むだけで完成。味付けは塩のみ。栄養があるので最近よく作ります。ベトナムのスーパーの鶏肉は骨つきが当たり前なので、苦労して骨を自分で取り除くより、骨付きで美味しいレシピを作る方が楽ちん。

ここでふと、楽ちんの語源って何だろうと思い立ってググってみましたが、これ!という解説に出会わず。ちょっとモヤモヤ。


さて、午後2時ごろ、おばちゃんがやってきました。祝日と日曜はやって来ないらしいので、1日ぶりのおばちゃん登場。洗濯と掃除はやってあるので、モップだけやってもらいました。おばちゃん、ニコニコしながら洗濯物をせっせとクローゼットに運んでくれたのですが、確認したら脇の下とかまだ湿ってる…おばちゃんが帰ったら、また自分で外に出すことにしよう。

こういう時に言うと悪いかなって気を使ってしまうところが、日本人の良いところ?いや、悪いところなのかもしれないですね。きちんと伝えれば良いんだけど、相手の好意を無にするようで言いにくい…。


5日目

4月4日、土曜日ですが夫は出勤。ベトナムはまだ半ドンが取り入れられた昭和の日本ぐらいの感じです。各週で土日休みという会社も増えてきましたが、まだまだ週休1日のところも多いはず。あ、半ドンって通じるのは40オーバーだったりするのでしょうか?土曜日の一斉下校の後、急いで帰宅してご飯食べて吉本新喜劇。日本のテレビが見られるサービスに入っているので、同じように吉本が見られる幸せ。

昨日と同じように午前のルーティンを終え、昼ごはんはホーチミンから持ってきたUDON SUKISUKI。これが発売された時、ベトナムの単身赴任駐在員達の多くが歓喜の声を上げたというインスタントうどんです。

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辛いものが苦手な娘が、どうしてもカレー味にチャレンジしたいと言い張るので、食べさせてみることに。結構辛いんだけどな、これ。麦茶を飲み飲み、ヒーハー言いながらも、娘7割完食。大きくなったものです。これだけ飲めば、明日も快便のはず!グッジョブ、UDON SUKISUKI!


午後夫から電話あり。な、なんと午後に業者の人が来てトイレの臭いを解消してくれるとのこと!臭いから解放されるの?きゃー、嬉しすぎるー!でも、期待しすぎると臭いが変わらなかったときのショックが大きいぞと自分に言い聞かせつつ、おばちゃんと一緒にやってくるというその救世主を待ちました。

午後2時過ぎに昨日と同じくおばちゃん登場。あれ?救世主は?

おばちゃんは1人でやってきて、身振り手振りをまじえながら私に言います。

ここ(バスルーム)臭いんでしょ?ドアを閉めているからよ。(ドアに貼ってある「close the door」の文字を指差しながら、)掃除してから、開けておけば大丈夫。


おばちゃんはおもむろに青いトイレ洗い用の洗剤を床にぶちまけると、水を流し始めました。

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…やっぱりそう来たか。言うと思ったんです。そんなもんだよね、解決法って。とりあえず自分でものすごくたくさん水は流してみたし、ラップで蓋はしたし、脱臭効果のある芳香剤も置いてみたし、できることはもうないんです。

そうだよね、期待した私がバカでした。だけど、だけど、やっぱり諦められない!夫に電話して確認します。

業者の人、来るって言ったよね?誰も来ないよ。おばちゃん、ドア開けとけば大丈夫って言ってるよ。

夫がもう一度会社の人に頼んで確認を取ってくれることになりました。


しばらくすると、作業着を着たおじちゃん登場!この人が救世主なのか!?

ローカルマンションにはよく専属のエンジニアがいて、マンション内のトラブルを解決してくれたりするのですが、おじちゃんはそんな感じ?おばちゃんと一緒にトイレに入って何やら話しています。

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そして、またおじちゃんいなくなる。やっぱり何もできないか、と諦めかけたその時!おじちゃんがアシスタントを連れて再登場!何やら工具も持っています。

突如、ウィーーーーーンという音が鳴り響き、洗面所が真っ白に。

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えっ?タイルを切ってる?

なんかするなら言ってよー、洗面所には歯ブラシやら化粧品やら置いてあるというのに。全部粉塵被って真っ白だろうよ…


しばらくして、おじちゃん達は作業を終えて帰っていきました。真っ白に汚れた洗面所を残したまま。

置いてあったタオルを勝手に使ったのでしょう。タオルはドロドロ、ビショビショ。先にこれ使ってと雑巾を渡しておくべきだった…後悔先に立たず。ベトナムあるある。


恐る恐る洗面所を覗いてみると、排水溝周りが真っ白に。雑巾で拭いてみると…

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…排水溝を付け替えてくれたの?


おばちゃんが臭いはどう?と聞いてきますが、粉塵のニオイというか、隙間を埋めたタイル目地のニオイというか、いろいろ混ざっててよくわかりません。臭いがしなくなっているような、まだするような…。

とにかく、このまましばらくドアを閉めておいて、臭いがなくなっているかどうか後で確かめよう。

これで大丈夫!と言わんばかりにニコニコ笑っているおばちゃんは、せっかく洗ったのに粉塵でザラザラになった床をそのまま帰って行きました。


夕飯は昨日のサムゲタンの残りにカレーのルーを入れただけのサムゲタンカレー。手抜きでしょ?と思われるかもしれませんが、これが激ウマなのです!


洗面所のドアは閉めたまま、娘と一緒にヨガマットの上でジャレあって、期待半分、諦め半分、夫の帰りを待つのでした。

#ベトナム疎開日記

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