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後悔はしないと決めた選択の先にあったものは

長いトンネルを抜けられない

幼少期の家庭環境もあり、それがずっと
まとわりついて、10代も20代も30代、そして40代になっても、私はずっとトンネルの中を
歩き続けていた。

何をやってもうまくいかない。
どこに行っても自分の居場所がない。

さまよい、さまよいながらも生きていた。

けれど、トンネルの灯りは一向に見えてこない。

いつになったら私はこの長いトンネルから
出られるのぉー。
そんな思いの毎日だったわ。

修行の日々

頼れる実家というのは、とうの昔に
なくなっていたの。

でもね、そんなのはもうずっと前から。
高校に入学したのと同時に、すぐに
アルバイトを始めた。
学校に行くより、ずっとずっと
楽しかった。

自力で稼いで、自力で生きていく。
すっかり身についた。

自力で貯めたわずかなお金ができると、
海外を渡り歩いていたの。

そんな日々を10年ほど続けた後に
やっとやりたいことが見つかった。

子どもの頃にね、親がいろんな選択肢を
与えてくれてたらよかったんだけどね。
私には、そうした環境はなかったから、
自分で手探り状態。

自分のことすらまともにわからないのに、
自分がやりたいこと、自分にできることなんて
本当にわからなかったの。

ふらふらとさまようように渡り歩いた海外で、
これだっ!というのを見つけたのね。

だから、さっそく帰国。
お金なんてなかったから、弟子にでもならせてくれるところはないかしら、と
探し回ったわ。

その時で40歳目前。年齢で弾き出されるのを
食らいついて(笑)。


似合わない仕事

やっと見つけたやりたいこと。
仕事としてできるようになって5年ほど。

それから、状況が変わってね。
やりたいこととは別に ある国家資格を取るために 職員として働き出したのよ。

その時で40半ば。独り身。
誰を頼ることもできず、この先は
もうこのままひとりで生きていくんだろうと
半分開き直りにも。

いや、いや、何を今さら。
自力で自分の身は立ててきたじゃない。
どうにかなるかな。

事情があって就いた仕事。
収入面は安定。このまま定年までいけばわずかでも退職金はあるし...

うーん...それにしても、私にはどうも
心地よくない...

それに、今思えばだけど、
あれらって、
全部"パワハラ"ってやつだったのね。
当時にそんな言葉あったかしら?
それとも私が知らなかっただけ?

今振り返っても、思い出したくもない
環境だったわ。

そんな中に4年。
ずっーとずっーと自問の毎日。
これでいいの? このままでいいの?

安定は確かにある。
けど、これで定年まで?
何も楽しいことも嬉しいこともないまま?

資格を取るために就いた仕事だけど、
で? その先は?
私には似合わない仕事だわ...

自問の日々。

選択はいつも自分で

これまで何をするのにも
いつも自分で選択してきた。

そう、私の人生。

心地よくない似合わない仕事。
安定を捨てたらどうなる?
もうすぐ50歳。
どうやって生きていく?

ここまでどうにか生きてきた。
どうにかなるんじゃない?

そんな自問自答の声が
神さまに聞こえたのかしら...
いえ、神さまがいるとしたなら。

なんだか人生最後の大きな
岐路に立たせてくれたかのように
職場でのパワハラが増した。

ヨシっ!

親はもうとっくにいない。
きょうだいは、それほど交流はない。

けれど一応報告をしよう。

当然のごとく、頭ごなしに反対の声。

"今さらその歳で、その安定を捨てて
どうするの⁇"

予想通りの言葉。

私はね、そういう時にいつも思うのよ...

"私を幸せにできますか?
私を幸せにしてくれますか?" って。

誰かに幸せにして欲しいということではなくて、あなたの言う通りに生きていても
私は幸せじゃないの、ということ。

人はね、誰であっても
人の人生は背負えないの。

だから何かを決めるのは自分なのよ。
自分で選んだものは、どんな結果だったとしても、誰のせいにもできないでしょう。
それでいいのね。
それがいいのね。

自分に似合わない仕事を我慢しながら
続けるよりも、
何とか生きていくことはできるだろ。

もう一度、やりたいことに自分を
戻そう。

選択の先にあったもの

すべての安定を捨てた。

その時、何故かまだ何も見えないのに、
何故かトンネルを抜け出せるような
気がした。
まだ抜け出せてはいなかったけど、
なんとなくそんな予感がした。

職業は身につけてある。
あとは、働き先を見つけるだけ。

どうしても気になる場所があった。
どうもその場所に呼ばれているような気がした。

何度もその場所まで足を運んで
そして、決めた。

その場所で働き出して1か月ほど経った後。

今の夫である人と出会った。

誰もが反対した、安定を捨てるという
私の選択は間違っていなかった。

長かったトンネルをやっと、やっと
抜け出した。

自分の人生の選択は、いつも自分で。
その選択の先にあったもの...

私はそこから今もずっと幸せで生きています。


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