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戦争が始まった/アフリカの蝶

【戦争が始まった】

コロナに感染して休んでいる間に戦争が始まった。戦争反対!ウクライナの市民も巻き込まれているのをyoutubeなどで見たが最悪だ。インターネットの発達でどんな些細な悪も白日のもとに晒される時代となり、煽り運転や絵のパクりやアイスのケースに入ってふざけるバカまでも逃れようのない証拠を突きつけられ罰せられる時代、ネットミームにとどまっていたプーチンの恐ろしさがついに現実として世界の脅威となっている。ロシアの核ミサイル保有数は約6500発、アメリカよりわずかに多い。これは全人類の半数を滅ぼすのに十分な量だという。そして親ロシアの立場をとる核保有国、中国の存在もある。また世界の小麦輸出量の25パーセントはロシアとウクライナが占めている。戦争は他人事ではない!
わたしは今後ロシア国内で「反プーチン派」による動きがあるだろうと予測している。戦争に反対し平和を望むロシアの人々による反乱だ。その動きはきっと西側諸国により支援される。具体的にはNATO軍だ。平和を望みながらもより多くの血が流れる──こんなことが許されていいはずがない。今すぐ戦争を止めよ!
これを一介の作業員に過ぎないわたしがいくら訴えたところで何も変わらない。しかし変わらなくとも訴え続ける。わたしは趣味で世界中のセーターの画像を集めている(記事★セーター伝説BEST5 SPECIAL参照)が、最近めっきり世界中のセーターから元気がなくなってきた。特にセーター大国、ロシアと中国のセーターだ。セーターの多様性はその国に住む人々の多様性、あそび心、余裕のあらわれ。それが失われつつある。言論、セーター統制、これが健全な世の中といえようか!?
ダサセーター画像がネタ切れになっちゃう!

──既に3年ぐらい前からネタ切れだという噂もありますが、わたしは平和を願い続けます。決してセーターのためだけではないですよ!?


【アフリカの蝶】

 さて、心臓病なうえコロナにも感染してしまい、人に言わせれば「踏んだり蹴ったりですね。」というわたしですが、ゆっくり何日も睡眠がとれたおかげで近年まれにみる健康ぶり。27年も肉体労働を続けてきて常に背中や膝の痛み、下痢、両足の巻き爪、鼻づまり、肥満、髪型や顔の不調に悩まされてきましたが今全て解消されました!されたんだ。しかし、いままでずっと下痢だったのに急にFUN(ふん)がきょだいかしたMONですから、こうMONの方が先に参ってしまい、コロナとの戦いというより「いぼ痔との戦い」になってきています。もうボラギノールがなくなっちゃう!世の中にはアマゾンほしいものリストというやつがあるみたいですが、情報弱者のわたしはそもそもアマゾンで物を買うときには妻にお願いしてやってもらっている身なのでわかりません。こういう人間が情報化社会の養分となって繁栄の片翼を担っていると思うと、身が引き締まる思いです。どんどん俺のような人間を出し抜いて、繁栄していってほしい!建築業界はもうだめです。ITゴロのいい食い物にされて、意味のないポイント付き入退勤カードや使いこなせてない搬入管理、工程管理アプリを導入してはより生産性が下がりまくり、営業利益は前年比20%ほど。わたしの年収もここ2年で40%下がりました。そんな人間を出し抜け!無知で怠惰なおれ自身のせいだから構わない。そしてより良い世の中を作ってください…どうかお願いします…できればもうちょっと面白い事を…とりあえず、ボラギノールはほしいです。

さあ、伝えなければ失われてしまう話があります。太陽フレアの活動によっては、このインターネットのログもサーバーごと磁気破壊されあっさり失われてしまうという話ですが、早めにプリントアウトして石版にでも刻んでおくとして、今日は現場のglobal eviscerationの話をしようと思います。

2020年 多摩市 ある現場

ひとくちコラム「建設現場、国際化の今」
 現場は今、国際化の時代──があっさり終わった!一時期はベトナム、フィリピン、中国などアジア各国からたくさんの作業員が「技能実習生」として現場で働いていたが、日本の建築会社のピンハネ、陰湿ないじめ、差別的民族性の悪評が各国に広まり日本は実習先として不人気になった。そして安価な労働力を求めた焼き畑農業的実習ブローカーの矛先は、アフリカへ── 
現場で働く人間として誠に恥ずかしい限りだが、これが現場の国際化の今だ。
国際化全盛期、わたしはある夜、ざんぎょうをしていた。深夜2時、わたし以外いないはずの現場入口の扉が開き、中国の方と思われる集団が入ってきて、横付けしたハイエース3台に高価な電動工具や測量機器、パソコンなどを積み込み始めた。わたしは「何してんの?」と言って近づくと大層驚いて集団の1人が鉄パイプを手にしたがリーダーと思われる人物が中国語のような言葉で諫めた。リーダーは「アシタノゲンバデツカイマス。」と言って積み込みを続けていたが、どうみても内装屋(中国の方は内装(ボード、軽量屋)が多い)なのに高価な電線やリースの発電機なども堂々と積み込んでいた。わたしは命の危険を感じたのでこっそり担当監督に連絡するにとどめた。翌朝盗難と確定し監督は被害届けを出していた。わたしは目撃者として出頭した。のちに彼らは捕まった。ちなみにこのnoteの最初にのせた写真でわたしが持っているマキタのインパクトドライバー(電池、充電器、各種ソケット総額8万円ぐらい)もまるごと盗まれていた。そのぐらい国際化全盛期はドロボーがたくさんいた。ドロボーに走らせた社会も問題だが、わたしが言いたいのは、お気に入りのインパクト返して!ということです。
おわり

(登場人物は仮名です。)
アフリカからの技能実習生といっても様々だ。ガーナ、ナイジェリア、セネガルなどアフリカの西部沿岸から来た方が多いが、出身国によって体型、身長などが大きく違う。例えばナイジェリアの方は丸顔でがっしり体型、ほのぼの系。セネガルの方は細面で手足が長く、身長は190センチ以上の方ばかり。みんな普段着はスキニーパンツにナイキのハイテクスニーカー、シンプルなシャツを着こなしモデルのようなかっこよさ。わたしよりよっぽどおしゃれだ。
この現場にはセネガルからの実習生が防水屋としてやって来た。初顔合わせの工程打ち合わせにも参加して日本語も達者、「もし俺がアフリカの現場で働くとしたら、まず言葉で詰むだろう。」と思ったわたしは素直に彼を尊敬した。彼のヘルメットにはカタカナで「アレクサンダー」と書いてあった。
彼は相方の「セヌー」と共に現場に来て屋上やバルコニーのウレタン防水をした。ウレタン防水とはコンクリートの下地にウレタン製の防水剤をペンキのように刷毛やローラーで塗る工事だ。
防水屋は現場の工程が躯体から内装に移り変わりある程度仕上がってきたあたりで入る。あまり前に入ると激しい躯体工事で防水面が傷つくし、あまり後に入ると仕上げ物に防水剤がつかないようにする養生工事だけで利益が大分減ってしまうからだ。
そしてこの現場では、ちょっと遅めのタイミングで防水工事がスタートしたが、長い手足でスピーディーに防水を塗るアレクサンダーの動きを見るに、「彼ならやってくれる」と現場のみんなは安心していた。
さて、ある日、建物の外装取り付けやシーリング工事が完了し、いよいよクリーニングから足場解体へと取りかかる工程。クリーニングはわたしの仕事だ。まず足場上から仕上げを確認──サッシもガラスも、上から下までめちゃめちゃ防水剤だらけやんけ。
アレクサンダーの野郎、養生をサボリやがったな!監督に報告してアレクサンダーに拭かせようとしたが、今日は防水屋は来ていないという。
特に、アルミ材にくっついて固まった防水剤はシンナーで拭いただけでは落ちない。(ガラスは刃物でいける。)鋭利な刃物(1枚刃、3枚刃、AK、O-ブレードなど)で外装仕上げ物に傷をつけないよう削いで、薄切りにしてからシンナーで伸ばす。跡をメラミンスポンジで消し、はじめて通常のガラスや外部サッシのクリーニング工事に取りかかれる。
足場解体の鳶さんやクレーン車、搬出のトラックも手配済みで日程をずらせないとの事で、次の日の朝までかかって西面外装全てを10人がかりでクリーニングした。
次アレクサンダーが来たら文句のひとつと10人分の請求書を突きつけてやるかと思いつつ、折しもコロナ渦。
その現場の入口での検温、消毒などの対策はわたしの会社から専門の人員を出して担当していた。検温器で額の体温を測り霧吹きで消毒剤を手に吹きかける簡単な仕事だ。やることがない時は詰所のテーブルを拭いたりする。
次の日の朝現場入口でなにやら騒ぎがあった。行くと、わたしの会社の消毒おじさんが黒人2人に詰め寄られていた。アレクサンダーとセヌーだ。
わたし「ちょっと何どうした!? 」

アレク「ジジイオレノアイフォン二消毒ブッカケタヨ!」

セヌー「BUKKAKEヲシテンジャナイヨ!」

…ちょっと笑いそうになったが、彼らの激おこぶりは本物だ。高身長からの怒声の迫力もすごい。
アレク「テメエジジイアイフォン二ブッカケテンジャネエヨ!」
拭けばいいだろが。とも思ったが一生懸命働いて日本で買ったiPhone、大事な宝物かもしれない。

セヌー「BUKKAKEヲシテンジャナイヨ!」

やっぱり笑いそうになる。しかし消毒おじさん(やさしい)はすっかり怯えてしまっていた。
わたし「わかったわかった中で話そうよ」

アレク&セヌー「オマエ関係ナイウルサイヨ!オマエのドレッドヘアージャナイヨ!!」

…何か最後に関係ない悪口を言われた気がするが、それを捨てゼリフに彼らは帰ってしまった。
間違って彼のiPhoneに消毒剤をBUKKAKEてしまった消毒おじさんを慰めたがすっかり落ち込んでしまい、次の日から現場に来なくなった。
わたしはもう…なんか…とりあえず彼らの防水会社に請求書を送る段取りをしたり、代わりの消毒人員を手配したりめんどくさかったが、とりあえずアフリカ、戦争ばっかしてる理由は…馬鹿なのに失礼ながら勝手に想像した。

屋上に行って彼らのやりかけの仕事を見た。
塗りたての防水剤にとまってしまったのか、羽根まで綺麗な水色になった蝶が固まって、死んでいた。 おわり 完

つづく




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