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あの頃…。

私の幼少期って まだまだ昭和真っ盛りで

実家の玄関を出ると目の前には立山連峰がパノラマ状態で広がり

まだ整備されていなかった道路と用水の間の草の中では

夏になるときらきらと無数の蛍が舞い

それはそれはきれいなところだった。

祖父母がいる田舎の農家で生まれ育った子供時代。

爺ちゃんは年中浴衣を着ているような人で

朝一番に 母が大きなポットいっぱいに湯を沸かし

爺ちゃんはテレビの前の特等席で

日に何度も急須で茶を淹れる。

近所の爺婆だったり親戚だったり、車で売りに来る魚屋だったり

家には常に誰かが来ている状態で

爺ちゃんは何度も茶を振る舞いながら

延々と話に花が咲く。

家には酒屋さんが御用聞きに訪れ

物置には瓶ビールと日本酒がケースで置いてあり

三ツ矢サイダーもケースで置かれていた。

体調を崩して小児科に行くと いつも医者から

「三ツ矢サイダーを飲みなさい」

って言われた時代。

私の家には「おやつ」という概念があまりなくて

仏壇にお供えするための袋菓子はいつもあったけど

子供好みのものはあまりなくて

爺婆の茶菓子用に菓子器には

いつも何かしらの駄菓子が入れてある。

それは、動物ヨーチだったりきなこねじりだったりエースコインだったり

これらの名前って、今日検索して初めて知ったものばかりだけど。

たまごボーロが入ってるのは、当たりのとき。

大体が動物ヨーチで、食べるのは爺ちゃんだけ。

それでも母と一緒にスーパーに行くとすきなお菓子を買ってくれて

当時の私のお気に入りは、江崎グリコのパピーちゃん。わかる人いる?

いちご味のスナック菓子に着せ替え人形のおまけがついていて

もちろん私はおまけ目当てで買ってもらう。

ひと箱に人形1体と服が2着入っている。

昔から人形遊びや着せ替えが大好きな私は夢中になって集めて

真面目に今でも「パピーちゃん復活しないかな」とか

なんなら自分が会社をつくろうかとか考えたりする。

家に御用聞きに来る町の酒屋さんとは別に

町内にも「菅田の店屋」と呼ばれる小さな酒屋さんがあって

そこが、子供たちの駄菓子スポットだった。

いわゆる「駄菓子屋さん」ではなくて「駄菓子コーナー」

それも私がかなり大きくなってから流れに乗って置き出した感じで

駄菓子に対してあまり思い入れはない。

お小遣いでおやつを買おうと言う発想がそもそもなくて

漫画やインテリア雑誌を買うのにほとんどを費やした。

それでも好んで買いに通うものもあって

それが、アイスクリームだった。

まず思いつくのは2本入ったソーダのアイスを真ん中で折って食べる、ダブルソーダ

そして、ホームランバー

ホームランバーは当たりつきのアイスで、

一時なぜか買いに行くたびに当たりが出ることがあり

たぶん10回くらい続いた気がする。

引き換えに行くたびに店屋のおばさんが

「また当たり出たん?」って、目を丸くしていた。

自分で買っていたわけではないけれど

アイスと言って思い出すのは宝石箱

バニラの中に、宝石のようにキラキラした氷が入って

とっても素敵な夢のアイスだった。

6年生の頃、隣町に新しく宅地を分譲していて

まだ家がない中にぽつんとできた小さな公園。

それは、ブランコしかないほんとに小さな公園だったけど

ある日何気なく行ってみるとそこに

なんとなく近所の子供達も遊びに来ていて

校区内でいちばん大きな団地に住む

クラスメイトのT君もなぜか現れて

なんとなく、毎日そこでみんなが集まるようになる。

メンバーの年齢も様々で

いちばん年長者はT君と私。

そこで毎日何してるかって言うと

まだ誰も住んでいなくて車も来ないその区画で

自転車を乗り回したり、だべったり。

私はなかなか自転車を買ってもらえなかったので

隙を見てお姉ちゃんの自転車に跨って

颯爽と出かけていた。

ある時アイスを食べようぜってことになり

みんなでほど近い菅田の店屋へ。

メンバーには低学年とか小さな子たちもいて

そこで私は全員にアイスを買ってあげた。ソーダバー。

当時は1本30円で、10本買っても300円なんだけど

自分やるじゃんって、今でも思う。

公園でみんなでアイスを食べながら

なにかの拍子に従姉妹のタケちゃんが

「ちょっと持ってて」って食べかけのアイスをT君に渡した瞬間

パクッとそれをひと口で完食したT君。そりゃないよ〜!

そんな懐かしい、昭和の時代。


拝啓 あんこぼーろさんの企画に参加しています。

書いてみたいなと思いつつ、なかなか筆が進まなかったわけですが

あんちやん、ももちやんと呼び合うあんちやんが昨日投稿した写真。

これを見たときに「あ、龍だ」って思って

そしたらあんちやんは現場で彩雲を見たときに

ももりゅう

ってつぶやいたんだって。

それがあまりにも嬉しかったから

筆が進まなかったのは、このタイミングのためかって納得して

今日の投稿に至ったわけです。

私の子供時代の話。

懐かしい感じは伝わったでしょうか。

この企画、明日が締め切りになります。

あと少しだけ時間があるので

気になる方はご参加ください。

未来はいつも面白い!