聖夜-note

【過去作】詩…「聖夜」【無料解説書付き】

私は、あの暗闇の中で煌めく、灯りが大好きなの。



まるで、腕に抱かれているような、



あの温もりが……___。



でも、ずっと寒いままね。

画像1



初公開:2014年11月29日
詩過去作集「異世界」収録
冬の特別詩集『Snow globe』収録
photo by 写真AC https://www.photo-ac.com/main/detail/284962


解説

詩人としての記念すべき処女作の詩、「聖夜」。
そもそも聖夜を公開した頃は、詩人とすら名乗っておらず、
プロフィールにも書いたのですが、その頃小説をブログに投稿していて、それが書けない日のお詫びとして詩を代わりに投稿していたのがきっかけでした。

もう5年前のことなのでうろ覚えですが、始めのうちはただついでというか、記事が書けない日にただぽんと呟く程度のものだったのでしょう。

けどいつしか、詩を書くことのほうに喜びや楽しみを見出して、小説から詩に移行したのでした。
昔のブログを見た限り、2015年の夏頃にそう決断したようです。
実際にその頃から、四季ポエムという私ならでは(?)の詩集もやり始めましたし。


さて、「聖夜」自体の解説です。

私は基本、自分で書いた詩は新しいもののほうが好きなんです。
まあ、日々進化してるからなお素晴らしいものが書けてるでしょうしね。

けど、この「聖夜」に関しては初期でもこれは素晴らしい!と思うお気に入りの詩なんです。
行数にすればたった四行の詩なのに、しっかり最後に心に残す。
寧ろ今は緻密で長めの詩が多いので、今の私からすると逆にすごいって思うんです。

この詩のイメージは、蝋燭しか灯していない暗い部屋で、ぼーっと蝋燭の火を見つめている感じ。
たぶん書いた当時はしっかりイメージしてなかったと思うのですが、ちょっと読むだけですぐ光景が想像できる。
私自身が蝋燭が好きなので、私のことを投影してもいると思います。

蝋燭の仄かな灯りだとしても、火って心も体も温まりますよね。
「聖夜」の登場人物は、その感覚を誰かの腕に抱かれているような温もりと重ね合わせています。
けどなぜかずっと寒いまま。ということは、たとえば恋をしている人に本来は抱きしめられているはずが、現実には叶えられていない状況だとか。
他の人物に取られてしまったとか…そんな風に妄想できます。

もちろん初期の頃は作品の方向性は決めていませんでしたが、私の書く詩の傾向として、叶わぬ恋が多いんですよ。
自分に経験があるかは置いといて。笑
意識せずとも、叶わぬ恋を思い浮かべて書いていたのかもしれません。

だからこんなに胸が締め付けられるのですね。
最初にも言いましたけど、たったの四行だけの詩、しかも最後の一行でガラッと雰囲気を変えて胸を締め付けるこの「聖夜」はすごいなぁと思うのです。


続いてイメージ写真の解説です。

実は初期の作品って、詩だけぽんっと置いてただけで、イメージ写真(ジャケットとも呼んでる)が無かったんですよ。
なので、初めて公開した数年後、新しく写真を探そうということになったのです。

残念ながらうろ覚えなのですが、この蝋燭一本だけのシンプルな写真はすぐに決まった気がします。
詩の解説にも書いた通り私は蝋燭が好きなのですが、たとえば蝋燭がずらーっと並んでまるでイルミネーションになったようなものじゃダメだったんです。(もちろんそういうのも大好き。)
この一本だけの寂しい感じが、「聖夜」の切なさを表現するのに必要だったのです。

そういう意味で、イメージはおそらくすぐに固まっていたと思います。

改めて見ると、上の解説の「蝋燭しか灯していない暗い部屋で…」にぴったりすぎじゃありませんか?
実際にこの写真を眺めるだけでも、いろんなことが思い起こされますね。
我ながら自分の写真を選ぶセンスに驚きです。笑


noteではまだ未公開ですが、「聖夜」は後に2回詩集に収録されます。
それだけ気に入っているわけですね。
そんな初期では珍しい(?)お気に入りの「聖夜」の解説でした。

購入して読んでくださり、ありがとうございました。


2019年8月6日 Update: 8月8日
Victoria-Black Rose

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