インド紀行文①ニューデリーに到達するまで
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コンディションは悪かった。前日から少し悪寒がしたので、押し入れから厚手の布団を引っ張り出して寝たのだが、その努力の甲斐もなく、悪寒は姿を現してきた。
正直心細かった。両親は旅行で不在にしており、見送ってくれる人はいない。全てをキャンセルして投げ出してしまうのもいいかもしれないとさえ思った。
何にせよただの旅行なのだ。仕事でも部活でもない。誰に求められるわけでもない、大義のない所業なのである。
その時点で、違和感はあったのかもしれない。オレがインドに行くのに、理由が一つ