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【読書録】蒼穹の昴

おはようございます!いがちゃんこと、イガラシです!

約7年ぶりに再読!当時読んだときも衝撃を受けたことを覚えています。


約300年続いた、中国の清王朝(江戸幕府とほぼ同じ期間)の末期の時代を描いた作品。舞台は光緒12年(1886年(日本:明治19年))から光緒25年(1899年(日本:明治32年))までの清朝末期。
文庫本で4巻セット。続編として『珍妃の井戸』、『中原の虹』、『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』を書いており、これらを含めて『蒼穹の昴シリーズ』としています(いずれも講談社刊)。

すべてはここから始まった。

極貧の少年・春児の姿に
生き抜くことの尊さを見る傑作。
(浅田次郎ONLINEより)


中国の歴史って、学校ではそれほど習わず、どんな王朝があったかをうろ覚えくらいしかしてない日本人がほとんどであると思います。
僕もこの本を読むまで、清って日清戦争のときの中国だよね、くらい(・.・;)
かなり恥ずかしい限り。
だからこそ、この本を読んで当時の人達の生活、心情が垣間見れてとてもおもしろかったです。
最初こそ、中国人の名前とか、しきたり・慣習の語句に慣れないけど、読みすすめるうちにわかってきました。


ざっくり言うと、中国版明治維新的なお話。
日本の明治維新と同じように、新しい時代をつくろうとする人たちと、
それを食い止めて現状を維持しようとする人たち。

今回、再読して、それぞれの登場人物が立場は違えど、それぞれがよかれと思って行動しているなと客観的に見れた気がします。
もちろん国のためと、自分のためという違いはあれど。


『歴史が動いたとき』

それを垣間見れた気がします。
もちろん小説なので、史実と違うとか言う人もいますが、別によくないって個人的には思っています。
史実にしたって、誰かが書いたもの、主観が入ったものであるからです。

『事実は一つ、解釈は無数』

だから、小説を読むときは、その人になりきって読めると楽しいなと思っています。


話逸れましたが、歴史が動くときというのは、やはり傑物が現れますね。

実在した人物もだし架空の人物として出てくる、主人公の春児や梁文秀はもちろん、王逸がいいんですよね。もっと出てきてほしかった!
あの男気こそトップたるだよなと感じました。
その王逸が弟子入り(?)した李鴻章も、地味ながらいい!


とても全部は書き表せないけど、とにかく読んでみてよかったよってことです
( ̄ー ̄)bグッ!

最後にいくつか抜粋だけ載せて、

「死ぬは易し、生きるは難し」

譚嗣同のこの言葉は現在だとわかりづらい言葉だけど、心にぐさっときたな。


この話の主流ではないけれど、乾隆帝やジュゼッペ・カスティリオーネ、兆恵将軍の話も好き。そのカスティリオーネが残した作品に対して、過去に宮廷入りしていた安徳海と白太太が思い馳せている場面。

「神の造りえぬものを、絵師はあの御殿の正中に描いてみせたのじゃよ。蒼穹の昴ー何ともすばらしい。」
「人間の技に限りはないの」
「そう。神の定めには、限りがあるが」

人間の可能性に目一杯焦点当てている!
運命とか宿命とかいう前に、努力だなと思った。


さ、今日も気張っていこ(-ω☆)キラリ

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