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東都の逸材たち 〜2023年秋季〜

今年の東都は下級生から活躍してきた投手が多く、ドラフト1位候補が目白押し。

最終週を迎えてなお、4チームに優勝の可能性、5チームに最下位(入替戦行き)の可能性が残る大混戦はまさに戦国東都。これは観に行くしかないなと。
(最終週なのに中央、國學院、青学は優勝も最下位もあるってどないやねん)
最終週第1戦で観た選手たちの感想を書いていく。

西舘 勇陽

中央大学の西舘(4年・花巻東)は高校時代から好投手と評判が高かった右腕。観るのは1年半ぶり。

先週229球を投げており、今日は疲れが残っていたか?おとなしい立ち上がりだった。
ストレートは130km台後半〜140km台後半で、球筋もきれい。
制球力は健在で、どの球種でもカウントを取れるのは大きい。
スライダーとカーブがよいが、プロで武器になりそうなのはフォークで、打者の内角に狙って落とせるしカウント球としても使える。その他にカットとツーシーム。
四死球が少なく、常にクイック。実戦力が高くてプロでも先発としてゲームをつくれそう。ストレートの状態次第で2桁勝てるかも。
タイプ的にはロッテや阪神にいた久保康友。

細野 晴希

東洋大学の細野(4年・東亜学園)を観るのも1年半前の入替戦ぶり。
アマチュア最速左腕で、今年の大学生を代表する投手。
今日は安定感があった。一目見てボールだ!とわかる球が減った印象。
スライダーはグニャグニャ曲がるし、カット、スプリットもキレてる。チェンジアップは対右打者の勝負球でかなり厄介。
そしてなにより勝負所のストレートは一見の価値あり。プロ含めても左腕ならトップクラス。
相変わらず制球力は課題だけど、下手に矯正せずのびのび育ててくれるチームに行ってほしい。球の力で押し切れば問題ない。
それと牽制がうまい。
タイプ的には濱口、菊池雄星、石井一久あたり?どれも少し違う気がする。大きく育って15勝できるピッチャーになってほしいしならなきゃいけない逸材。

試合はタイブレークまでもつれる熱い展開を東洋が制して先勝。
西舘がヒットを打たれながらも9回途中まで1失点の粘投。細野はエラー絡みで2点取られたものの、9回を2安打3四球でまとめた。ともにらしさを見せた投げ合いだった。
他には縦横のスライダーで空振りを取れる中央の岩本(4年・石岡一)、2エラーあったものの打撃好調の大型内野手、東洋の宮下(2年・北海)が気になった。

連盟HPより抜粋

草加 勝

亜細亜大学の草加(4年・創志学園)は3年秋から台頭してきた右腕。高校時代は現阪神・西純矢の影に隠れていたが、その頃から評価は高かった。
上下左右に変な動きがないフォームで、まっすぐ打者に正対。
ストレートは140km台を常時計測。曲がりの大きいカーブとスライダーを低めに制球してカウントを稼ぐ。
決め球は例の如く亜細亜ツーシームで、ストレートとカーブの中間球だからこそ際立つ。
三振より凡打を重ねるタイプで、丁寧にアウトを積み重ねていく。大きな破綻がなさそう。
目標はやはり東浜になるだろうか。

武内 夏暉

國學院大学の先発は武内(4年・八幡南)。高校時代は無名ながら大学で覚醒。下級生の頃から主戦投手として投げてきた大型左腕。
小さな腕の振りから、キレのある140km台後半のストレートを投げ込む。
草加と同じくツーシームで凡打を誘うタイプ。
特筆すべきはコマンド能力で、コースの隅に安定して投げることができる。
他にもスライダー、カーブ、チェンジアップとあるがプロで空振りを取れる球かは不明。
ストレートとツーシーム中心に、ゾーンの中で勝負になる気がしている。
制球力は間違いないので、球質がプロで通用するならばの条件付きで2桁勝利が見える。
完成形としては近年の大野雄大か。

試合はまたもやタイブレークに。先攻の亜細亜が1点差を凌いで先勝。
草加は9回1失点の力投、武内も7回を1失点でまとめて持ち味を出した。
他にはディフェンス力が光る捕手、亜細亜の小山(4年・東海大菅生)は社会人でもやってほしい。
國學院は次期エースの坂口(3年・報徳学園)が武内の後を継いで好投。
左腕の冨田(1年・鳴門)はストレートのキレ、同じく左腕の新名(3年・大分舞鶴)は投げっぷりがよかった。

連盟HPより抜粋

下村 海翔

青学は下村(4年・九州国際大付)が先発。高校時代から九州を代表する投手として注目されてきた選手。
小柄ながら均整のとれたフォームから放たれるストレートは、まるで矢のよう。捕手のミットに刺さっていく。
変化球は多彩で、カット、縦スラ、カーブ、フォークとチェンジアップもある?
この中でもカットは制球抜群で、一番自信がありそう。縦スラはプロで勝負球にできる。
フィールディングも器用。
目指すは山本由伸や伊藤大海のような、総合力で勝負する右のスターターだろう。

青学は大学球界を代表する打者となった西川(3年・龍谷大平安)に加え、佐々木(3年・県岐阜商)、小田(2年・中京)の岐阜コンビ、
強打者の松本(2年・盛岡大付)、渡部(1年・智弁和歌山)、今日ホームランを打った初谷(2年・関東第一)といった下級生が残る。
来年以降も打線が超楽しみなチーム。

今日の結果をもって、優勝戦線から中央と國學院が脱落。一転残留争いに巻き込まれるのが東都の怖さ。
明日の青学vs日大の勝者が優勝となる。
超ハイレベルな東都を制して神宮行きを決めるのはどっちだ!

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