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新戦力紹介⑩

10回目の今回は石川俊輝選手。
大宮アルディージャから期限付きで加入した選手を紹介したい。

1.経歴

埼玉県で生まれ育った石川は大増サンライズFCでサッカーを始める。
中学生になると大宮アルディージャのジュニアユースに加入。
中学、高校を大宮のアカデミーで過ごす。
新井涼平の1学年後輩となり、同期には菊地俊介(大宮アルディージャ)がいる。
トップチーム昇格を果たせなかった石川は東洋大学へと進学する。
大宮のアカデミーから東洋大学というキャリアは浦上仁騎と同様となる。
東洋大学を卒業後は湘南ベルマーレへと加わる。

こちらがプロ入り後の成績となる。
1年目から出場機会を掴み、湘南ベルマーレのJ1昇格に貢献。
2年目以降、徐々に出場機会を増やしていき2016年〜2018年は中心選手として活躍した。
J1でレギュラーを務めていた石川だが、2019年に古巣からのオファーに応えJ2に舞台を移す。
加入初年度となった2019年は40試合に出場し、主力として活躍したが2020、2021年シーズンは怪我もあり出場機会を減らしている。
これまでJリーグ通算で183試合に出場しており、今シーズンは200試合出場達成も期待できそうだ。

2.特徴

石川の特徴は良くも悪くも目立たないことにある。
攻守にそつがなく、あらゆるプレーをハイレベルでこなせる運動量のあるボランチとなる。
CBやSB、シャドーでのプレー経験もあるがキャリアのほとんどをボランチでプレーしてきており、甲府でもボランチで起用される可能性が高いだろう。
足元の技術も高いが、ボールを持ちすぎることも無いため余計なミスも少ない。
先日加入した松本凪生のような球際の激しさは無いが、ボールを奪う能力も高くポジショニングも良いためセカンドボールの回収にも優れている。
2017年にはFootball LABさん(https://www.football-lab.jp/)のデータでボール奪取はリーグ5位を記録した。

https://www.football-lab.jp/player/1400086/?year=2017

2019年にもリーグ14位と高い数値を残している。

https://www.football-lab.jp/player/1400086/?year=2019

また、空いているスペースを埋めるカバーリング能力も高く、前に出ていけるタイプの選手との相性も良い。
山田や松本、林田と守備に特徴がある選手がボランチには多いが石川がバランスを取ることで積極的にボールを奪いに行けるだろう。
的確に危険なポジションを感知し、攻撃の芽を摘んでいくため気づいたらここにもいたという場面は多く見られるはずだ。

一方でゴールに繋がるようなプレーはあまり多くはない。
Jリーグ通算で5ゴール決めているが、多くのゴールはこぼれ球を泥臭く押し込んだゴールと派手さは無い。

こちらがJリーグで決めた全ての得点であるが、ご覧のように派手な得点は一つも無い。
強烈なミドルシュートからの得点があるわけでもなく、圧倒的なフィジカルやスピードを持つわけでもない。
だが、いて欲しいところにいるのが石川俊輝という選手の特徴でもある。
また、目立つ仕事は他の選手に任せて自身は縁の下の力持ちとしてチームを支えることに徹することができる選手である。
過少評価されがちだが、チームに1人はいて欲しいタイプの選手であり、ピッチにいれば大崩れはしないと思える安心感を与えてくれる。
過去に甲府でプレーした選手で考えると保坂一成やマルキーニョス・パラナに近いイメージと言って良いだろう。

3.最後に

素晴らしい選手が来てくれた。
憧れのクラブを去って甲府にやって来たことは大きな覚悟を持って来たに違いない。
これだけ実績のある計算できる選手が加入するとは想像もしていなかった。
ご紹介したように数字を残せる選手ではない。
だが頭が良く、サッカーを良く知っているだけに目立たないかもしれないが、追いかけて見るとサッカーの見方も変わるかもしれないような選手でもある。
戦術理解度が高い選手のため、怪我等のアクシデントが無ければ開幕から多くの出場機会を得る可能性は高いのではないかと思う。
若手が躍動しやすい環境作りにはもってこいの選手と言える。
石川俊輝と共に若手が躍動する場面は多そうだ。
攻守のリンクマンとしてチームを支えて欲しい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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