ルール解説①

『小瀬の雰囲気を変えたい!』

これが私がレビューを書いてきた一番の理由である。
サッカーはルールが分かりにくいスポーツである。
試合が無いオフシーズンはよりサッカーの知識を深める期間にしたいと思う。
サッカーを学ぶ助けになれば嬉しく思います。

オフサイド

第1回目はオフサイドについて書きたいと思う。
まず、オフサイドはサッカー競技規則第11条に規定されている。
サッカー競技規則は国際サッカー評議会というところで制定されているサッカーの基本ルールとなる。
競技規則は年々改正されているため、毎年ルールのアップデートをしていかないと知っているルールも古いものとなっている場合がある。
JFAのホームページにも記載されているため、ご覧ください。

オフサイドは最も変わってきたルールではないかと思う。
「ゴール前での待ち伏せを禁止するルール」
こう解釈する方は多いのではないだろうか?
現状のルールではゴール前で待ち構えていても100%オフサイドになるわけではない。
サッカー競技規則第11条の中にこう記載されている。

オフサイドポジションにいることは、反則ではない。

以前までは間違った解釈ではなかったが、現在ではルール改正により間違った考え方になっていることがわかる。

オフサイドというルールの歴史を辿りながら、昔と今のルールの違いを説明していきたいと思う。

サッカーの起源はイギリスにある。
1863年にそれまでは地域毎にバラバラであったルールを統一することを目的にロンドンで会議が行われた。
この時「手を使うことを認めない派」と「手を使うことを認める派」で対立し、「サッカー」と「ラグビー」という競技が生まれることとなった。
この時制定されたルールの中に、後のオフサイドに該当するルールが含まれていた。

『ボールより前にいる人はいないものとして、プレーに関与できない』

すなわち、「前方にいる選手へはパスをしてはならない」とするのものであり、現在のラグビーのルールに近いものと言える。

1866年に最初の改正が行われる。
これにより、ゴールラインとボールの間にはゴールキーパーを含めて相手選手が3人いなければならないとし、これ以下の人数の場合にオフサイドの反則が取られる事になった。

そして1925年に現在のオフサイドの原型となる改正が行われる。
ゴールラインとボールにいなければならない相手の人数をゴールキーパーを含めて、3から2に減らした。

細かなルール変更はその後も経てきたかと思うが、2005年に大きく変更となる。
これを境に現代サッカーのオフサイドに近い形へと変更していく。
それまでの「待ち伏せ禁止」から「プレーへの関与の有無」によって適用されるのか変更となる。
当初はオフサイドポジションにいる選手がボールに触れるかあるいは相手選手と接触した場合にオフサイドとなっていた。
その後、2013年に「相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない」という文言が加わる。

現在のオフサイドルールの原型となった流れといえる。
この後も変更は何度か行われているが、現在のルール紹介に移りたいと思う。

このようにオフサイドの定義は時代によって大きく変わってきている。
競技規則に記載されている内容を元に説明していきたい。

1.オフサイドポジション
2.オフサイドの反則
3.オフサイドの反則ではないケース
4.反則と罰則

競技規則の中には4つの項目に分かれて説明されている。
この順番に見ていきたいと思う。

1.オフサイドポジション

競技者は、次の場合、オフサイドポジションにいることになる:
◦ 頭、胴体、または足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーラインを除く)、そして、
◦ 競技者の頭、胴体、または足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い場合
ゴールキーパーを含むすべての競技者の手および腕は含まれない。

オフサイドポジションについてこのように規定されている。
大前提としてボールが出た瞬間に敵陣にいる選手にしかオフサイドは適用されない。
また、ボールを触れることが許されている部分にしか、オフサイドは適用されない。

画像2

上の図は最もオーソドックスな形である。
4番の選手が後方から2人目の選手に該当し、オフサイドラインはこの選手が基準となる。

最終ラインを突破し、後方からに2人目の選手よりボールがゴールラインに近くなった場合はボールの位置がオフサイドラインとなる。

画像3

このケースではボールより前方に位置する11番の選手へのパスはオフサイドとなるが、後方の10番の選手へのパスはオフサイドとならない。

GKを含んで考えている方もいるのではないかと思う。
過去の規定には「GKを含めて」との記載があるが、現在では削除されている。

画像4

セットプレー後に多く見られる形であるが、GKが飛び出したケース。
この場合は後方から2人目の選手は3番の選手となるため、オフサイドラインはこの選手が基準となる。
そのためGKより後方にいる8番の選手はオフサイドとはならない。

2.オフサイドの反則

ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間にオフサイドポジションにいる競技者は、次のいずれかによってそのときのプレーにかかわっている場合にのみ罰せられる:
 ◦ 味方競技者がパスした、または、触れたボールをプレーする、または、触れることによってプレーを妨害する。
または、次のいずれかによって相手競技者を妨害する:
・ 明らかに相手競技者の視線をさえぎることによって、相手競技者がボールをプレーする、または、プレーする可能性を妨げる。
・ ボールに向かうことで相手競技者に挑む。

オフサイドポジションにいる選手が味方からのパスに反応し、プレーに関与することでオフサイドの反則は適用される。
あるいは、オフサイドポジションの選手が相手選手の視線を遮り、プレーに影響を与えたと判断された場合や相手にボールが渡った後に相手選手にプレッシャーを掛けに行く場合も適用される。

* ボールを「プレーした」か「触れた」最初のコンタクトポイントを用いる。
・ 自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競技者に影響を与える。または、
・ 相手競技者がボールをプレーする可能性に影響を与えるような明らかな行動をとる。
または、その位置にいることによって、次の場合にボールをプレーして利益を得る、または、 相手競技者を妨害する:
・ ボールが、ゴールポスト、クロスバー、審判員または相手競技者からはね返った、 あるいは、それらに当たって方向が変わってきた。
・ ボールが相手競技者によって意図的にセーブされた。
オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。 ただし、意図的なセーブからのボールを除く。
「セーブ」とは、ゴールに入りそうな、または、ゴールに近づいたボールを、競技者が手または腕(自分のペナルティーエリア内にいるゴールキーパーの場合を除く)以外の体のいずれかの部分を用いて止める、あるいは、止めようとすることである。

この部分が非常にわかりにくい部分なのではないかと思う。
「意図」という解釈が加わるためである。
ポストやクロスバー、GKのシュートセーブはオフサイドとなる。
難しいのは相手選手が意図的にプレーした場合はオフサイドとはならない。
偶然相手選手に当たった場合はオフサイドとなるが、クリアをしようとしたボールがオフサイドポジションの選手に渡った場合はオフサイドとはならない。

次の状況では:
◦ オフサイドポジションから移動した、あるいは、オフサイドポジションに立っていた競技者が相手競技者の進路上にいて相手競技者がボールに向かう動きを妨げた場合、 それにより相手競技者がボールをプレーできるか、あるいは、チャレンジできるかどうかに影響を与えていれば、オフサイドの反則となる。その競技者が相手競技者の進路上にいて(相手競技者をブロックするなど)相手競技者の進行を妨げていた場合、 その反則は第 12 条に基づいて罰せられなければならない。
◦ オフサイドポジションにいる競技者がボールをプレーする意図をもってボールの方へ動いたが、ボールをプレーする、または、プレーしようとする、あるいは、ボールへ向かう相手競技者にチャレンジする前にファウルされた場合、オフサイドの反則より前に起こったファウルが罰せられる。
◦ 既に、ボールをプレーした、または、プレーしようとした、あるいは、ボールへ向かう相手競技者にチャレンジしようとしたオフサイドポジションにいる競技者に対して反則があった場合、ファウルより前に起こったオフサイドの反則が罰せられる。

オフサイドポジションにいた選手が相手選手と接触等により、プレーに影響を与えた場合もオフサイドとなる。
また、オフサイドに該当する前のプレーで反則があった場合は遡って反則を適用する。

3.オフサイドの反則ではないケース

競技者が次のことからボールを直接受けたとき、オフサイドの反則にはならない:
◦ ゴールキック
◦ スローイン
◦ コーナーキック

スローインやコーナーキックは有名かと思うが、ゴールキックもオフサイドとはならない。

4.反則と罰則

オフサイドの反則があった場合、主審は、その競技者のハーフであっても、反則が起きたところから行われる間接フリーキックを与える。

副審のアピールに対し、主審が間接フリーキックを与える。
以下は副審のアクションとなる。

画像5

まず、①の旗を上げ主審にアピールをする。
主審が笛を吹き、オフサイドの反則を取った後は②のようにオフサイドが起こった地点に対し、場所を示す。
それに対し、主審が以下のアクションで間接フリーキックであることを示す。

画像5

プレーの再開位置はプレーに関与したポジションからとなる。

主審の承認なく競技のフィールドを離れた守備側競技者は、オフサイドの判断のため、 プレーが次に停止されるまで、または、守備側チームがボールをハーフウェーラインに向かってプレーし、ボールが自分たちのペナルティーエリアから出るまで、ゴールラインかタッチライン上にいるものとみなされる。その競技者が意図的に競技のフィールドを離れた場合、ボールが次にアウトオブプレーになったとき警告されなければならない。

『ハーフウェーラインに向かって』とはタッチライン方向ではダメである。
また、『ゴールラインかタッチライン上にいるものとみなされる』とはピッチの外に出た場所によって変わってくる。

『守備側チームがボールをハーフウェーラインに向かってプレー』
この部分は曖昧なのではないかと思う。
プレーということはドリブルやパスでとも取れる。
苦し紛れのクリアを相手に拾われた場合などは『プレー』には該当しないのではないかと思う。

また、怪我の治療等で意図的に許可なくピッチの外に出た場合はプレーが切れたところで警告を受けることとなる。

攻撃側競技者は、そのときのプレーにかかわらないようにするため、競技のフィールドの外に踏み出る、または、外にとどまることができる。次にプレーが停止する、または、 守備側チームがボールをハーフウェーラインに向かってプレーしてペナルティーエリア から出るまでに、その競技者がゴールラインから復帰してプレーにかかわった場合、オフサイドの判断のため、その競技者はゴールライン上にいたとみなされる。意図的に競技のフィールドから離れた競技者が主審の承認なしに復帰し、オフサイドで罰せられず利益を得た場合、警告されなければならない。

攻撃側はプレーに関与しないため、ピッチの外に出ることが許される。
怪我の治療等で意図的に許可なくピッチの外に出た場合はオフサイドで罰せられなかった場合は警告の対象となる。

ボールがゴールに入ったとき攻撃側競技者がゴールポスト間のゴール内で動かずにいた場合、得点は認められなければならない。ただし、その競技者がオフサイドの反則または 第12条の反則を犯していた場合、間接または直接フリーキックでプレーは再開される。

ゴールの中で動かず、プレーに関与しなければボールがゴールに入ってもオフサイドとはならず、得点が認められる。

✳︎写真は競技規則内の物を使わせてもらっています。

5.あとがき

改めて調べてみると知っているつもりであったが、間違った解釈や知らなかったこともあった。
また、完全に納得できていないものもある。
私は審判のライセンスを持っているわけではないので完全に素人であります。
競技規則の文言から理解しようと試みてみましたが、より詳しく理解されている方がいらっしゃれば教えていただきたいです。
上手く説明できているのかはわかりませんが、ルールを覚えるあるいは新たに知るきっかけとなればと思います。

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