電動車両のエアコンコンプレッサーとオイル選択:PAG対PAO

電動車両(HV、EV)のエアコンコンプレッサーは、従来の燃焼エンジン車とは異なり、エンジンの回転数ではなく、専用のモーターによって駆動されます。さらに、高電圧が使用されるため、エアコンシステムの効率と安全性は、使用されるオイルの品質に大きく影響を受けます。具体的には、オイル中の不純物が高電圧に影響し、リークの原因となる可能性があります。

エアコンシステム用の一般的なオイルには、PAGオイルとPAOオイルの2種類がありますが、それぞれが持つ特性は大きく異なります。

PAGオイルは、良好な潤滑性と冷却性能を持つ一方で、不純物が比較的多いとされています。このため、高電圧環境下で使用すると、不純物が通電し、リークを引き起こす可能性が高まります。

一方、PAOオイルはその純度が高く、不純物が少ないのが特徴です。この特性は、高電圧の電動車両のエアコンシステムにおいて、電気的な問題を引き起こすリスクを最小限に抑えることに寄与します。

これらの観点から、電動車両のエアコンコンプレッサーには、不純物が少ないPAOオイルの使用が推奨されます。これは高電圧環境下でのリークリスクを低減し、システム全体の安全性と効率を高めるためです。ただし、具体的なオイル選択は、車両の種類や条件、そしてメーカーの推奨によって変わる可能性があることを念頭に置くべきです。

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