小説 すずめの戸締まり を読んで。

この小説は、鎮魂歌だ。
ネタバラシになるので詳しくは言えないが、この物語は一つの答えであり、背中を押してくれるきっかけであり、弔いでもある。

もともと扉や鍵穴といったものが好きで、この本も、映画の予告を見て興味をそそられたので購入。そして半日たたないうちに読破した。
主人公の鈴芽視点で描かれるので読みやすく、感情もすぐに移入できた。そこまで小難しい表現もないので、中学生くらいなら気楽に読めるかもしれない。

かつてそこに存在した、今はもうなくなってしまった思い出への弔い。色褪せてしまった景色への鎮魂歌。激しく移り変わっていく時代だからこそ、この物語は鮮やかな色彩をもつのかもしれない。

小説だけでいいやと思っていたけれど、読み終えたからこそ映画も見に行きたいと思った。見に行きます。

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