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認知の癖丨10パターンの一覧

ご要望がありましたので、認知の癖のよくあるパターンたち一覧を軽くご紹介します。

※ご注意!
人や媒体によって細かい名称に差があったり、10パターンという数が微妙に異なったりします。何をもって癖とするかも曖昧なものです。
「人を苦しめるケースが多い、選りすぐりの10パターン」とでも考えておくとちょうどいいかもしれません。


1. べき思考

〜すべき、〜してはならない、といった思考にとらわれてしまう癖です。それらの規範から自分や他者が外れてしまったときは、自責や怒りなどの感情を覚えます。

■状況
仕事で失敗してしまい、同僚の仕事が15分程度余分にかかった。

■捉え方
「人に迷惑をかけてしまった。俺はなんてダメなんだ。」と考える。「人に迷惑をかけてはならない、仕事で失敗をしてはならない」という「べき思考」を持っているが、人に迷惑をかけずに生きていくことは現実的に不可能。


2. 全か無か思考(白黒思考)

さまざまな物事を全か無か、白か黒か、成功か失敗か、などの2極のみで捉えてしまう癖です。

■状況
BIDで投薬を指示していた薬を、オーナーいわく「やっぱり忘れがちで…」ということでSIDでしか与えていなかったことが判明した。

■捉え方
「BIDで指示をしたのに、SIDとは…全くだめじゃないか。治す気があるのか。」と考える。「SIDでは与えられていたのか。それなら薬を変えてみようかな」とは考えられない。


3. 個人化

周囲に生じるさまざまな事象について、自分とは関係のないことまで自分に関連付けて考えてしまう癖。言い換えれば、「さまざまなことを自分ごととして考える」こと。よくないことがあると、自分とは関係なくても自分のせいのように感じてしまう。

■状況
受付でいつもどおりの対応をとっていたが、ある飼い主の感情を傷つけたようで嫌な顔をさせてしまった。

■個人化の具体例
「あぁ…私がもっと飼い主さんに合わせて臨機応変に対応していれば…」と考える。実際には、「いつもどおりの対応」でほとんどの人は問題ないのなら、自分の対応に大きな責任はなかったといえる。


4. 一般化のしすぎ

たったひとつでも良くないことがあると、それをすべての物事や状況にあてはめてしまう。「いつも」、「絶対に」、「すべて」などが口癖となりやすい。

■状況
ある医薬品について先発品からジェネリック医薬品に切り替えてみたら、効かなくなってしまった。

■捉え方
「ジェネリック医薬品はすべて先発品より効果が劣るんだ」と考える。たった1種類のジェネリックの結果を、他のすべてのジェネリックに対しても当てはめてしまっている。


5. 心のフィルター

たった1つだけの良くないことだけに目がいってしまい、少しはあるはずの良かったことは一切意識にのぼらなくなる。現実的には、良かったことが1つも見つからない状況などほとんどないはずだが、主観的に良かったことなど何もないように考えてしまう癖。

■状況
ある日の診療業務の中で、1人の飼い主と軽いトラブルを起こしてしまった。

■捉え方
「トラブルを起こしてしまった…。どうしてこんなにトラブルばかり起こすのだろう…。」と考える。実際には、その飼い主以外はトラブルなく満足して帰っているのに、そのことは意識にはのぼらない。


6. マイナス化思考

すべてのものごとにマイナスの解釈を加えてしまう。客観的にみたら悪いことでもなんでもないことに対しても、悪い事のように解釈してしまう。

■状況
学校の試験で80点をとった。この点数は学年で上位10%にはいる成績だった。

■捉え方
「80点か…。どうしてあと20点、いや10点とれなかったんだろう…。」と考える。客観的にみれば十分に優秀な成績といえるが、心情的にそのように感じられない。


7. 結論の飛躍

客観的、合理的な根拠がないにも関わらず、自分にとって不利だったり悲観的だったりする結論を出してしまう。

■状況
獣医師あるいは動物看護師のキャリアを考えて、10年後の自分を想像した時に…

■捉え方
将来に実際に起きることは誰にもわからないにも関わらず、「10年後も大した仕事はしていないんだろうな…。」と決めつけて考える。


8. 拡大解釈と過小評価

自分の失敗や短所は過大に捉える一方で、成功や長所は過小評価するような物事の捉え方。

■状況
店舗の経営者としてマーケティングに大成功し、新規顧客の大量獲得に成功した。一方で、大量に増えた顧客に対応するためのオペレーション改善が間に合わずに現場が混乱した。

■捉え方
「こんなに現場を混乱させてしまって…、私は経営者失格だ。」と考える。実際にマーケティングで成果をあげた事実は過小評価されている。


9. 感情的決めつけ

理性ではなく、感情にもとづいて物事を判断してしまう。

■状況
なんだか仕事に対するモチベーションが低下しており、やる気をもって仕事に取り組むことができない。

■捉え方
「こんなにやる気がでないということは、本当にやりたい仕事ではないんだな」と考える。「やる気が出ない」という一時的な感情を根拠に、「やりたい仕事ではない」と判断している。実際には睡眠不足で疲れているだけかも…?家族関係で心配事があって、仕事に向けるエネルギーが減っているだけかも?


10. レッテル貼り

自分、あるいは他人に対して極端なレッテルを貼ってしまう。「4. 一般化のしすぎ」がさらに極端になったかたちとも捉えられる。

■状況
久しぶりに同窓会に顔を出して友人たちと話をすると、みんなの給料が自分よりも高いことがわかった。

■捉え方
「みんなはもうあんなに稼いでいる。自分のキャリアは負け組だ…」と考える。キャリアは給料だけで評価されるものではないにも関わらず、給料の1点だけで「負け組」というレッテルを自分に貼っている。


大切なのは偏りに気づくこと!

認知の癖、よくある10パターンをご紹介しました。僕が初めてこのパターンを学んだ時に感じたことは「え?わかりづら…!」だったのを覚えています。自分の認知が偏っていることには気づいても、それがどのパターンに当てはまるのか全く見分けられませんでした。あっちにもこっちにも当てはまっているような気がする…!

今思えば、偏りに気づけてさえいれば事細かなパターン分類はそれほど気にしなくてよかったように感じます。僕はべき思考が強いので、「すべて正確にパターン分類すべき」という思考になっていたのかもしれませんね。

自分の認知の偏りにさえ気づけていれば、対応は自然と頭に浮かんでくることが多いです。もし思い浮かばなければ、誰かにアドバイスでも貰えばいいだけのこと。

あまりパターン分類することにこだわらず、「こんなに種類があるんだなー」程度に考えておけるといいですね。


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