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セルフケアの重要性

前回までは業界全体に焦点をあてて記事を書いてきました。
今回は「個人がどう精神的健康を保っていくか」に焦点をあてて、
そのさわりをまとめています。


ちなみに、マガジン機能を使って記事の内容を分類しています。
「業界全体、組織」に焦点をあてた記事は、
「動物病院業界のメンタルヘルス研究所」というマガジンに。

「個人」に焦点をあてた記事は、
「こころメンテナンス研究所」というマガジンに振り分けています。
 こちらには「いま、なんだかモヤモヤしている」という気持ちを
 和らげるのに役立ちそうな情報をまとめています。

院内で行われるメンタルケアには3つのケアがある!

個人の話に向かう前に、少し全体観をば。
動物病院だけではなく、組織内で行われるメンタルケアは
誰が当人のケアを行うのかによって、大きく3つに分けられています。

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セルフケアは、スタッフによるスタッフ自身のメンタルケアです。
僕の、僕による、僕のためのメンタルケアです。

ラインによるケアは、上司や同僚によって行われるケアです。
元気がなさそうなときに声をかけたり、などが想像しやすいですね。

事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは、
社内にいる臨床心理士や産業カウンセラーなどが行うケアです。
僕が株式会社VDTで行っている業務はこれにあたります。

補足ですが、社外のサービスなどに委託して社員のメンタルケアを行う場合を「事業場外資源によるケア」として 4つめのケアに数えます。

僕がセルフケアを重要視する理由

僕は 動物病院で働く人々のメンタルケアを考えるとき、
3つのうちの「セルフケア」を行う力を重要視しています。
(その他の 2つのケアをないがしろにしていいと思ってはいません)

セルフケアの力は、自分が伸ばそうと思えば伸ばすことができます。
被雇用者の立場であっても、
病院の方針、体制、規模に関わらず、
さらには仕事だけでなく私生活などに場面が変わっても役に立ちます。

また開業し院長として働いている先生方は、
スタッフに対してラインによるケアを提供する側にあることが多く、
自身へのラインによるケアは得づらいこともあるでしょう。
そのような場合でも、セルフケアは有効です。


職場の状況、職場内での立場・人間関係、職種…etc
それらに関わらず、自由に手を伸ばし、向上させていくことができるのが
セルフケアの力だと考えています。


セルフケアって何すればいいの?

セルフケアが重要なのか! よし、やってみよう!!

…‥‥で、なにすればいいのん?😓

このようになるのは当然です。
日本の学校教育の中で、自身のメンタルを健康に保つための方法など
ほとんど教わる機会はありません。

僕に関しては、社会に出てからも日々臨床の現場に揉まれ、
ただでさえ時間がない生活の中で獣医療以外の勉強に費やす時間は
無駄とすら感じていました。結果、燃え尽きたわけですが…

セルフケアは、体系的な方法論・技術群として確立されつつあり、
学べば誰もが習得できる「スキル」です。


長く働くためにも、もっと視野を広げてさまざまな勉強をしなさい…
と、当時の自分に言ってあげたい。



本題の、「何すればいいのか?」に戻します。

セルフケア、その中でもメンタル不調を未然に防止するための
行動指針が厚生労働省関連機関の中央労働災害防止協会から示されています

メンタル不調を未然に防止するための活動を 1次予防と呼びます。
他に 2次予防や 3次予防がありますが、また別の記事で。

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睡眠・休養・食事・運動をバランスよく?
意外と普通?

そう、普通です。
けれど全ての土台となる、とてもとても大切なことです。

普通のことこそ徹底するのが難しい。
特に動物病院のように命と向き合う職務で、
多忙かつ拘束時間も長くなりがちな職場であればなおさら。


ちなみに、6時間睡眠を2週間続けると、パフォーマンスは2日間徹夜した
直後と同程度にまで低下してしまうとの報告も出ていたりします。
しかも当の本人はパフォーマンスが低下している自覚なし。恐ろしい…

前出の報告はペンシルベニア大学とワシントン大学によるものですが、
こちらのサイトでわかりやすくまとめてくれています。

「HR NOTE ー人事業務に役立つ情報メディアー」
 最終閲覧日:2021/02/17
 https://hrnote.jp/contents/a-contents-4252/

この noteで主にカヴァーできるのは、
・ストレスへの気づき、対処法
・心身の健康に関する知識や情報
であり、これから先はこのあたりの話題が多くなるでしょう。

しかし、バランスのとれた生活が全ての土台となっていることは
頭の片隅といわず中心に留めておいていただけると幸いです。


最後に、ちょこっとワーク丨ストレスに気づく力

自身のストレスに対して気づく力、対処する力を振り返るためのワークです。
A4のコピー用紙を 2分割すればできるのでぜひ試してみてください。
やり方は以下の画像の通り。

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左側に、いま感じているストレスを書き出してみてください。
誰かに見せる必要はありません。
ワークを終えたらシュレッダーに直行でも構いませんので、
なるべく自分に正直に書いてみましょう。

右側に、それぞれのストレスに対してどう対処しているか個別に
書き出してみてください。


僕の一例を掲載します。
自由に書いて構わないのですが、迷うようなら参考にしてみてくださいね。

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僕は昔から目立つことが嫌いでした。
今は少しだけ慣れましたが、やっぱり好きではありません。
たくさんの人に自分の考えを発表するのも苦手です。

そんなもんで note を投稿するときは毎回こんな感情が湧きつつ、
飽きもせず右の呪文を唱えながら投稿しています笑
右の考え方が正しいのかどうかは全く知りませんが、
少しずつ不安・恐怖は薄れつつあります。

皆さんはどんなストレスが書き出され、
それぞれにどんな対処法をとっているのでしょうか。


このときに右側が、

・美味しいものを食べる
・とにかく寝る
・お酒を飲む
・旅行に行く

といったものだけであった場合は要注意!


これらの対処法をとれば、
気分が晴れ、また明日から頑張ろうと思えるようになるかもしれません。

しかし、次にまた同じストレス源に曝されたときに
受けてしまうストレスレベルは果たして下がるでしょうか。

下がらないとしたら、同じストレス源に苦しめられては気晴らしをしての
イタチごっこにハマり込んでいるかもしれません。


ストレスの対処法にはコツがあります。
次回は、そのコツについて情報をまとめる予定です。

このワークが自分のストレスとなりやすい物事の傾向、
ふだん何気なくとっている対処法の癖を振り返る機会になれば幸いです。



ここまでお読み頂きありがとうございました。
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