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ストレス対処のコツ①丨ストレスのしくみを理解する

「シリーズ!ストレス対処のコツ!」。ストレスに対処するコツを紹介しつつ、具体的にどう行動すればいいのか一緒に考えていくためのシリーズです。1つの記事につき、1つのアクションを提案していきます。

前回の記事のワークではストレスを書き出してもらいました。もしワークをやって頂けていたら、それを基にしていけるといいなぁと思っています。前回の記事は下のリンクから!


ストレスのしくみを知らなきゃ始まらない!

ストレスに対処するHow Toやノウハウも今後紹介していきますが、まずはストレスのしくみを理解することがとても重要です。対処しようとしている相手をまず知らないことには、適切な対処などできようもありません。

ストレスに関する知識をつけておくこと自体が、ストレスに対処するためのコツの1つです。

「ストレス」ってそもそも何!?

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日常会話でもよく聞く「ストレス」という言葉。実は「ストレッサー」と「ストレス反応」の2つを含んでいる言葉です。

「ストレッサー」とは、「いわゆるストレス」を感じさせる原因のことです。ストレッサーは大きくわけて4種類。心理・社会的ストレッサー、物理的ストレッサー、化学的ストレッサー、生物的ストレッサーです。

心理・社会的ストレッサーには、仕事や家庭の問題、人間関係の悩みなどが含まれます。日常会話で「ストレス」と言っているものの多くは、ここに含まれます。このnoteも主に心理・社会的ストレッサーへの対処を扱っています。

物理的ストレッサーとは、温度や音、光などの物理的な環境刺激を指します。空調が効きすぎている部屋や、PC・スマホからのブルーライトが想像しやすいでしょうか。

化学的ストレッサーには、主に公害物質や薬物が含まれます。たとえばアルコールやタバコ。

生物的ストレッサーは、細菌やウィルスなどの感染症を指します。

「ストレス反応」とは、「いわゆるストレス」を受けた結果として発生する心身の変化です。お腹が痛くなったり、仕事にいきたくなくなったり…さまざまな変化が引き起こされます。ストレス反応にもいくつかの種類があります。詳細はまた別の記事で!

職場で生まれるストレスの全体観

職場のストレスの全体観をつかむためには、米国立労働安全衛生研究所 (National Institute of Occupational Safety and Health, NIOSH)が提唱したストレスモデルが役に立ちます。産業衛生領域では広く知られたモデルです。

図1

画像引用:東京都労働相談情報センター Webサイト
最終閲覧日:2021/02/25

職場のストレッサー(ストレス要因)が実際にストレス反応を引き起こすまでの過程には、個人的要因や仕事以外の要因、緩衝要因などが複雑に影響を与えます。

個人的要因で一般に想像されやすいのは、本人の性格や気質でしょうか。ほかに自己肯定感も重要であり、自己評価が低い人(自分に自信を持てていない人)はより強いストレスを感じやすいといわれています。

緩衝要因の社会的支援、つまり周囲のサポートの量や質も重要です。個人的要因、仕事以外の要因、緩衝要因のうちもっとも影響力が強いのは緩衝要因であるといわれています。

職場のストレッサーはどんなものがあるの?

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職場のストレッサーの代表例をあげています。産業衛生関連の統計をみると、特に「人間関係の問題」、「仕事の質の問題」がストレッサーとなりやすい傾向にあるようです。注意したいのが、ストレッサーとなるのはネガティヴな出来事だけではない点です。一般にはポジティヴとされる出来事(昇進など)もストレッサーとなりえます。

動物病院業界ならではの考察を加えると、臨床での失敗は動物の予後や命に直接的な害を及ぼしえます。したがって、動物病院では特に失敗やトラブルが強いストレッサーとなりやすいと予測されます。


何がストレッサーかは個人差がとても大きい。

代表的なストレッサーをみてきましたが、何がストレッサーとして働くかは非常に個人差が大きくもあります。

同じストレス要因がAさんにはストレス反応を引き起こす一方で、Bさんには全く引き起こさないこともよくあります。個人だけを考えても、その時々の立場やライフステージによって、ストレス反応を生じさせたりさせなかったりもします。

たとえば、上司に怒られてしまったとして。

辛くてしかたがないAさんもいれば、まったく意に介さずケロッとしているBさんもいるでしょう。ただBさんも、別のタイミングで、たとえば仕事に対する自信を喪失してしまっているタイミングで怒られてしまったら、今度は思い悩んでしまうかもしれません。

もし、いま何かにストレスを感じていて。「他の人はこんなことでストレスを感じたりしないだろう」と悩んだり、ストレスを感じている自分を見ないふりをしているようなら声に出して読んでみてください。

何がストレッサーかは個人差がとても大きい。

しかし日本の文化は我慢を美徳とし、周囲に同調することを是とする特色があります。日本人は「まわりも我慢しているから」と考えてしまいやすいといえるでしょう。あなたにとってのストレッサーを周囲が理解してくれるとも限りません。だからこそ、セルフケアが重要だと僕は考えています。


Action その1丨ストレスを受け止め、分析してみる

自分がストレスを感じていることに気づいて、目をつむらず、ありのままに受け止めること。それがストレスに適切に対処するための第一歩です。そしてストレスについて分析してみましょう。自分が感じているストレスを定期的に客観視してみることが大切です。

NIOSHのストレスモデルはその助けになると思います。ストレスに関連しているかもしれない個人的要因、仕事以外の要因はあるか。緩衝要因は働いているか。突き詰めてみるとストレッサーはなにか。

ストレスを見つめ、分析する過程はときに精神的な負荷を伴います。見たくないものを見なければいけない、気づきたくなかった自分に気づくかもしれない。しかし、この過程を通らなければストレスに対処する力は向上しないのも事実です。

まずはやってみる。やってみて、気づいて、傷ついて、築いていく。カウンセラーとしての僕の恩師が言っていた言葉です。

なんとなくストレスがあるなーと感じている方は、まずはやってみて頂けると嬉しいです。辛くなりすぎない程度に、でもほんの少しだけ今までより踏み込んで。


ここまでお読みいただきありがとうございました。次回も「シリーズ!ストレス対処のコツ!」。ストレッサー候補となるような出来事が起きたとき、ヒトの心の中で何が起きるのかを紹介する予定です。キーワードは「認知」!

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