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北米獣医師免許試験・備忘録4、英語攻略法 - 基礎英語力編

【四.英語攻略法 ― 基礎英語力編】
「壱.まずは英語から」でもお話ししましたが、北米獣医師免許を日本人が取得しようと思った場合、英語力を証明する必要があります。その試験対策も大切ですが、試験だけ通過して実際には使えないという事態に陥っては元も子もないので、英語を勉強する際には次の二つが重要になります。

1.基本的な英語力の強化
2.英語試験対策(アイエルツ対策)
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1.基本的な英語力の強化
家庭で英語を話す環境に生まれれば別ですが、そうでない場合、語学は根気です。私の両親は日本人ですし、中学生になるまで英語はこれっぽっちも知りませんでした。高校は農業高校でしたので、英語教育に力を入れていた訳ではなく、今の英語力は自主勉強と私立語学学校等に通った結果です。その経験からおススメする勉強法を幾つか紹介します。


A.インターネット・ラジオでニュースを聞く
多くのメディアがインターネット・ラジオを提供してるので、これを聞き流します。内容が聞き取れなくても全く気にする必要はありません。ひたすら聞き流します。できたら一つのチャンネル、例えば「午後6時のニュース」を聞くと決めたら、それを毎日流します。そうすることで「英語が耳に入ってくる」ことを日常の一部にしてしまいます。ニュースはたいてい標準的な発音で話しますので、どのメディアのニュースを聞いてもいいと思いますが、私のオススメはBBCかCBCです。語りが滑らかな感じがしますし、アクセント等がイギリス寄りでアイエルツ試験で聞く発音に近いと感じるからです。


B.日本で語学学校に通う
語学学校に通うなら、最初は日本で通った方がいいと思います。海外の語学学校に行くと各国から集まる留学生の中で授業を受けることになるので、韓国アクセントの英語、ヒンドゥーアクセントの英語、中国アクセントの英語を聞かなければならなくなります。特にビキナーレベルの場合は本当に他の生徒が何を言っているのか解らない事が殆どです。そして綺麗な発音を身につけたいと思っていても、妙な発音を習得してしまったりします。それにビキナーレベルでの留学は、学校外の生活でのストレスが非常に大きく、英語の勉強だけに集中する精神力を維持するのは大変です。
日本であれば、生徒の発音のクセが似ていますから何を言っているのか見当がつけやすく、それを理解するのも、授業についていくのも格段に楽になります。異国での生活に伴うストレスもありません。でも英語を話すのは先生だけで、英語漬けとはいえないじゃないかという意見もありますが、ビギナークラスではどこの国でも生徒はあまり話しませんので私は海外でも日本でも同じだと思います。


C.物語の朗読(映画でもOK)を英語で繰り返し聞く
ラジオを聞き流すのに似ていますが、こちらはある一つの物語りを延々とリピートします。利点としては繰り返し聴くことでフレーズを覚えられることと、どの単語をどういう場面で使うのか見当をつけやすいという事があげられます。

私が英語の勉強をし始めた頃はDVDが無かったので、有名作家が書いたという「家出のドリッピー」という物語形式の英語教材を購入して、ただひたすら聞いていました。今でもストーリーの一部を思い出すことができます。ビギナーにはいい教材だったのですが、調べたら販売されていない様子。それで思い出したのがNHKの「リトルチャロ」です。最初に見た時、昔これがあったらなぁ…と思いました。英語&日本語字幕がついているし、ストーリーは見ていたら分かるし、面白いしということで。英語のを話せるようになりたいけれど、勉強は面倒という姉に勧めた教材です。

私がカナダに旅立つ前に日本で聞いていたのは「プライドと偏見」「ハウルの動く城」「ショーシャンクの空に」です。レベルとしては中~上級ぐらいの英語力があると理解できる程度だと思うのですが、私が気に行っていたのはレベルでは無く物語のリズム感と言い回しです。「プライドと偏見」は通常、あまり使わないセリフが含まれていますが、ちょっと洒落た英語が覚えられます。「ハウルの動く城」は非常に聞きやすく、また海外に宮崎ファンも多くいるので、観ておくと時に会話が弾んだりします。「ショーシャンクの空に」は刑務所の話なのでスラングが入っていますから、実用面では若干難ありです。しかしモーガン・フリーマンの語りは捨てがたい…ということで聞いていました。


D.英語圏の国に月単位で遊びに行く/ボランティアをする
特に英会話(Speaking)の部分に役立ちます。実際に使われているのを体験するのが一番というところでしょうか。語学学校に通うだけだと、どうしても先生以外のネイティブ・スピーカーと交流する機会がありません。学校通いは程々にしておいて、地元のサークルやワークショップに参加する、あるいは海外の団体が主催するボランティアに参加するなどの方がネイティブの友達ができる確率が高くなります。海外で一ヶ月半、日本で合計4年の語学学校生活のなかで知り合った人のうち、友人としての付き合いが今でも続いているのは私の場合は一人だけです。それ以外の、例えば共通の趣味を通じて(レイキ・セミナー等含む)知り合った人は、今でも交流があるのですが…英語は手段にすぎないという事かもしれません。


E.英語の子供向け絵本を読む
会話が出来るようになってくると感じることですが、歴史のこの時代は英語では何というのかとか算数の「かけ」の場合はどうだろうとか色々出てきます。そんな時に見つけたのが、この「宿題対策シリーズ」。日本でいう小学校6年生ぐらいまでを対象としてるので、基本的な科目について優しく、そして分かりやすい英語で説明している本です。
私が購入したのは「国語(つまり英語)」「数学」「理科」「歴史」「社会」。今はもう少し新しいシリーズが追加されているようです。


F.英語の新聞を教材として読む
読解力を上げるための勉強です。新聞を読もうとすると、最初はイディオム、専門用語などに阻まれてかなり大変です。そのため教材としてまとめられている本を買うと、言い回しの説明・オーディオ・単語説明等が記事毎についているので勉強するのがかなり楽になります。何冊かこなすと新聞の言い回しに慣れてくるので、それからバイリンガル新聞あるいは英字新聞に挑戦するといいと思います。


G.日本でカウチ・サーフィンをする
カウチ・サーフィングはソーシャル・ネットワーキング・システムの一つで、「旅人を家に泊めてあげる・旅人になって人の家に泊めてもらう」というサイトです。私は英語の先生に勧められて始めました。海外から日本にくるツーリストで「地元の人と触れあいたい」「観光だけではなく、思い出となる経験をしたい」など色々な理由でカウチ・サーフィンを希望する人はかなりいます。仮に貴方が日本の、しかも地方に住んでいたりすると、面白い人が「泊めてくれませんか」とサイトを通じて申し込んでくる確率が高くなります。私は北海道の道東地区に住んでいた時に始めましたが、かなり色々な人に出会いました。異文化体験・生の英語レッスンが自宅でできるチャンスがあります。

もちろんメールのやり取りで「あ、この人は節約したいだけだ」とか「なんとなく感じ悪い」と思った場合はお断りすればいいだけです。相手を泊めてあげることができない場合は「お茶だけOKです」と自分のプロファイルで表示する事もできます。


最後に重要なのが、時々は英語の勉強を投げ出したくなることが必ずあるということです。そういう時はスパッと離れること。そして気が向いたら時に戻る。そしてまた英語の世界を思い出せばいいだけの話です。これを何度か繰り返すと、離れた後に戻るのがだんだん早くなっていきます。

今読んでみると、今でも有効だなあと思う手法と、ちょっと古いかなぁと思う部分とありますね。私が英語を勉強していた頃はスマートフォンとか無かったですし。AirBnB も無かったのです。カウチサーフィンって、まだあるのかな?みたいな感じです。私もずーっとアクセスしていないので。

あと振り返ると、よく続けられたなということです。今、気まぐれにアラビア語を少し勉強していますが、全然進まないんですね。目標がないからかな?英語を勉強していた時は、自分の世界が広がっていく実感があって楽しかったのもあると思います。

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