月刊Synthwave生活 2022年11月号
このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth、Chillsynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。
最近はAIに絵を描かせる奴を応用してMVを作る動きが加速しているようですが、GUNSHIP - Ghost (feat. Power Glove)のMVは結構すごいです。
まあAIの絵にありがちかもしれないですが、全体的にベクシンスキーっぽくて、3回見たら死ぬ絵を何万回も見せられているような気分になります。あとは部分的にGANTZっぽくもありますね。
他にも(全然違うジャンルですが)King Gizzard & The Lizard WizardのMVも全編AIでかなりサイケデリックな映像になっていますし、日本のアーティストでは4s4kiのMVにも部分的に使われているのが確認できました。
おそらく皆が皆同じような手法を使い始めると急速に陳腐化するのかもしれませんが、20年か30年後に2020年代が懐かしコンテンツとなった時、こういったAIの絵は「20年代あるある」として使われるのかもしれません。
というわけで、今月もレビューの方に行きましょう。
Miami Nights 1984 - Sentimental
Synthwaveのすごい初期から活動しているMiami Nights 1984の新作。Discogsを見るとサントラを除くと10年ぶりのアルバムになるようだ。最初のアルバムが2010年で、この時点でSynthwave・Outrunの基本要素はもう出来上がっていたわけだ。このシーンの立役者としてふさわしい、やっぱりSynthwaveはこの音でないとと言うようなオーセンティックな80年代シンセの音が目白押し。
Downtown Binary - Fantasia
https://keytar-records.com/album/fantasia-2
若干硬質な感じはするけどもどちらかと言うとChillsynthの範疇に入るサウンド。「Paradox」が良かった。
Waveshaper - Forgotten Shapes
Waveshaperによる未発表曲あるいは昔の音源をまとめたアルバム。たぶんSynthwave以前の時代の物も含まれているが、プリミティブでむき出しなシンセが感じられる。
monoscape - Worldview
とても正統派のChillsynth。あまりにもChillsynth過ぎて特に言う事が思い浮かばない。ジャケットもいい感じで文句はない。
The Motion Epic - Deep in the Heart of America
https://sofakingvinyl.com/album/deep-in-the-heart-of-america
完成度の高いAOR的Synthwave。ハイレゾバージョンの音源も用意されているので、これはもう良いオーディオ環境で聴きたい一枚。
eventual infinity - Deep Cover
ジャケットからも読み取れるように、全体的に90年代的な雰囲気。当たり前だが90年代も立派なレトロであり、あの時代の空気をよく捉えたサウンド。90年代のディープな所というかなんというか、テクノがまだ手探りだった頃をイメージしているのかもしれない。