2019/9月に聴いたものなど

このシリーズでは、だいたい月1を目標にSynthwave、Outrun、Darksynth等の作品のレビューと言うか紹介をしていきます。

Emil Rottmayer - Detached EP

Homeとか”憂鬱”の系統のアナログ感のあるドリーミーなSynthwave。今回これは一聴してこれは良いとおもった。絶妙な硬さと柔らかさを持ったアナログ系とデジタル系のシンセの音色が程よく混ざり合って、非常に心地よい。とくに「Farout」はなんかすごい神々しいものがある。深夜にYoutubeで、新しい音楽との出会いを求めておすすめ動画をひたすらクリックし続けた末に、この曲に出会ったならば、それはもう感動ものだろう。

River City Girls (Original Video Game Soundtrack)

https://open.spotify.com/album/359E5Uu9UapJWnXp2SJ1Hl

ゲームのサントラ。「熱血硬派くにおくん」のスピンオフ的な作品のようで、てっきり日本の会社が作ったゲームだと思っていたが、海外制作のゲームの模様。存在は知っていたが、このサントラを聴くまで全くノーチェックだった。主題歌?とボス戦の曲以外がほぼ全部Synthwave路線となっていて、作ったのはMegan McDuffeeという方。中にはKavinskyのNightcallのパロディみたいな曲もある。このゲーム自体は私は未プレイだがそのうちやってみようかと思った。

Sellorekt/LA Dreams - Fascination

基本的にMitch Murder的な路線のSynthwave。しかしこの人のBandcampをのぞいてみると、なんかすごい量の作品をリリースしている。どうも2012年頃から活動しているらしい。ご丁寧にベストアルバムも定期的に出している。全部聴くのは無理かもしれないが、とりあえずベストアルバムだけでも聴いてみようかと思う。

Michael Weber - Emotional Investments

「BUSINESSWAVE」を標榜する、謎のSynthwaveアーティスト、Michael Weber。そもそもSynthwaveの人はみんな謎の人物かもしれない。しかしBUSINESSWAVEってなんやねん?と思ったが、Bandcampを見ると「オフィスのバイブスをあなたの耳に!」とか書いてあるので、そういうことなんだろうと思う。で、タイトルが「感情的な投資」でそして一曲目が「ブラックマンデー」という・・・。このようなジョークはSynthwaveかVaporwaveくらいでしか許されないだろう。しかし、ただ単にビジネスというものを題材に音楽を作る、というだけでジョークが成立するというのは、なかなか考えさせられるものがある。我々はなぜ、給料をもらうためにわざわざスーツをきてネクタイを締め、いかにも「私はビジネスパーソンです」という雰囲気を醸し出さねばならないのか?なぜ、コンビニの店員は関西人でも、「いらっしゃいませ」とか「温めますか」の時には標準語になってしまうのか?我々は普段何気なくビジネスという物を行っているが、実は冷静に見ると滑稽でうさん臭い儀式かもしれない。Vapowave以降の音楽では、このテーマは普遍的なテーマになるのかもしれない。内容の方はと言えば、ビジネスシーンでも問題なく通用する、カッチリとした手堅いSynthwaveでした。