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自己啓発本のススメ①―特徴と傾向

〇自己啓発本とは
自己啓発本をちゃんと定義するのは難しいですが、ざっくり言えば「生き方のハウツー本」という説明ができると思います。

その中でも日常生活や人間関係の中でのメンタルの作り方を記したものと、ビジネスやスキルアップについて記したものとがあります。今回扱うものは後者、ビジネス系のものです。

本屋さんに行けば前者が「人生論」や「生き方」、後者が「自己啓発本」でまとめられていることが多いかと思います。最近だと、メンタリストDaiGoとか堀江貴文さんとかの本がけっこう積まれてますね。

あと同じ棚によく落合陽一さんの本も置いてありますが、彼の書くものは少し質が違う感じがします。というのも、自己啓発本の多くは「私はこうしたらうまくいきました」系なんですが、落合さんの書く本にはデータやグラフが豊富に活用されていて、一定の客観性が担保されています。新書とかに近いですね。

自己啓発本の多くはソフトカバーで200ページ前後、値段は1200〜1600円+税、1ページ10行・1行20文字前後くらいで、しばしば文中にマーカーっぽいのが引いてあります。また、見出しが大きめで目を惹きやすくなっている傾向にあります。

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たとえばAmazonでテキトウに検索するとトップに出てくるこのDaiGoの本。ソフトカバーで1540円、ページ数は240ページほどのようです。ほぼ上に挙げた自己啓発本の特徴と合致しますね。自己啓発本の多くがこのテンプレートから外れないものだと思っていただいて構いません。

ちなみに僕が今まで読んできたやつはこのへんです。

・スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』

・古市幸雄『1日30分を続けなさい!』

・飯野謙次『仕事が早いのにミスをしない人は何をしているのか』

・堀江貴文『時間革命:1秒もムダに生きるな』

・中田敦彦『勉強が死ぬほど面白くなる独学の教科書』

などなどです。今までに50冊くらい読んだでしょうか。「暇なん?」と言われそうですが、そういうわけではありません。

1冊読むのに10分くらいしかかからないからです。

〇速読&多読

自己啓発本のカテゴリに入れていいのかは知りませんが、ハウツー本系統でよく見かけるのが速読に関する本です。

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こういうやつですね。下に「貸し出し状況」云々とあるのはGoogle Chromeの「その本、図書館にあります」というプラグインで、Amazonで検索した本が設定した図書館にあるのか表示してくれます。便利!

こちらの本の謳い文句によれば、「【15刷、90,000部突破のベストセラー】/【短時間の訓練で、驚きのスピードに! 】/1.5時間練習で分速15000字に/分速38万字(500ページ以上)の圧倒的な読書スピードも可能に!」とのことです。1分で500ページはさすがに……という気もするのですが、まあ読んでもいない本の悪口を言うのはやめておきましょう。

この本に限らず、速読系の本は1冊3分とか5分とかで本が読めるようになる!というのを売りにしています。僕は学部生のころそうした文句を素直に信じ、練習し、挑戦し、挫折した経験があります。

しかし、最近になってようやくわかりました。確かに1冊3分やら5分で本を読むことは可能なのです。ただし本のジャンルを選ぶかぎりにおいてです。

つまり、まさしく「速読のやり方」のようなハウツー本、今回扱っているような自己啓発本を相手にするときには、速読のテクニックは有効なのです。

テクニックと言いましたが、そこまで特別な技術が必要なわけでもありません。先述した通り、自己啓発本の典型的なものには大抵ラインマーカーもどきが引いてあります。それに従って読めば、普通に読んでも10分くらいで読了することができるでしょう。

※ちなみに速読本では物理的な意味で斜めに読む斜め読みや、ページを画像を見るようにぱっと見て、大事そうな部分だけスキャンするといった技法が紹介されています。難しいです。

そう考えていくと、自己啓発本というのは実に速読向きのジャンルです。そもそもタイトルを読めば内容の8割が分かるようになっている。堀江貴文さんの『時間革命:1秒もムダに生きるな』なんて典型的ですよね。極論すれば、中身を読まなくても概ね何を書いているか分かってしまいます。

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逆に言えば、多くの自己啓発本は薄利多売というか、1冊1冊の中身はあんまりありません。また堀江さんを例に出しますが、彼は2019年に7冊も単著を出してます。本だけ読んで生きているわけでもないですし、インプットが間に合うわけがない。『あり金は全部使え:貯めるバカほど貧しくなる』と『情報だけ武器にしろ。: お金や人脈、学歴はいらない!』はタイトルだけ見ても同工異曲です。

なので自己啓発本を読むときには、単純に早く多く読むことが最高効率になるわけです。よって、速読&多読が基本です。

だからこそ、著者の方には申し訳ない話ですが、本を購入して読むのはためらってしまいます。というより、僕は1冊も購入したことはありません。立ち読みか、Amazonのprime readingで読んでます。まあ、「時間も金も有効に使え!」がこれらの本に共通する教えですから、書いている人も許してくれるでしょう。

じゃあそもそも自己啓発本、読む必要なんてないんじゃないか?それがそうとも限りません。私見では、自己啓発本を読むことはバカにできない効用を有しています。

次回の記事では、自己啓発本を読むことのメリットについて考えていきたいと思います。

※②はこちら

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