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フィレンツェスタイルリングができるまで
ここのところ、二点一緒に制作しているフィレンツェスタイルリングであるが、下の写真は、彫りがようやく完成したところ。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206607-179TiToAAH.jpg?width=1200)
あとはこのリングを磨くだけ。
とは言え、この穴一つ一つに木綿糸を通して磨いていくので、これまた結構時間がかかる。
このリングはまず半分(鋳造から上がってきた2ピース)の状態から形成していく。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206522-0aGmakK9Tk.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206888-V0Iy5j7K2C.jpg?width=1200)
(鋳造前のモデル作りは上のようにシンプルなリングを作り、それを半分にして、リューターを使って穴を開け、一つ一つマーキースの形に糸鋸を使ってカットしていく。)
鋳造の物を
この時点でマーキースの形を綺麗に整えるために、一つ一つ糸鋸で削っていく。
表面を紙やすりで綺麗にして
それから2個のピースをロウ付けしてリングの形になる。
それから上下に縁用の平たいリングを再びロウ付けする。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206462-MKe3401obP.jpg?width=1200)
こちらをまたヤスリや紙やすりで整えてから、ピカピカに磨く。
他の物と比較しても、ここまでにかかる手間暇もかなりのものだ。
そしてここから彫りに入る。
まず上下の縁部分に彫りを施す。
そしてようやく側面に取り掛かる。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206782-w3Wo44pVyZ.jpg?width=1200)
ここまで来ると、おお、ようやく本格的な彫りだ!
と充実感もみなぎる。
一つ一つの彫りの工程をたどっていくことで、どんどんと輝きが増していくのが、
これまた興味深い。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206202-dOfzygNVVG.jpg?width=1200)
余白を残さず、これでもか!これでもか!とぎっしりと彫りが加えられていく。
このぎっしり感が西洋っぽいとつくづく感じる。
和物が好きな私は、日本画の余白などに心惹かれていたので、はじめの頃はこういう作品に少々抵抗があった。
余談になるが、生け花なども余白の美だと思う。
こちらの人は盛りだくさんに花を生けるのが好きだ。
生け花の先生がおっしゃっていたことだが
イタリア人が生けると、ペタッとした感じになると。
平面的にぎっしり詰め込むからだろう。
奥行きを計算すれば、少しの花材で、美しさは演出できる。
一輪挿しに花一本と葉物だけで、美を表現することも十分にできるわけだ。
余談が長くなった。
彫りを終えてここから、最後の磨きに入る。
ブログ冒頭で申し上げた木綿の糸を通しながらの磨きである。
同じタイプのリングであっても、石入りの場合は、リングの形が出来上がった時点で、
先に石を留めて
それから同様の彫りの工程へ。
フィレンツェスタイルのリングというのは、シンプルとは程遠い見た目同様、
恐ろしく手間暇がかかっているのである。
この輝きは、身につけて思ったのだが、
確かに、気分を盛り上げてくれる。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425206159-4eUGGPY05j.jpg?width=1200)
大きな石で主張するのではなく、
ぎっしりと敷き詰められた彫りの、繊細な輝きは
そこはかとなく自尊心を高めてくれるような気がする。
作り手としては手間暇かけて生み出したわが子のような存在が、
身につけてくださる方を違う次元にお連れすることができれば、作者冥利につきることだろうなぁと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1666425329920-qYxFzOuDAu.jpg?width=1200)
シルバー×18Kゴールド、全てゴールドのラインナップ。
それでは皆さん今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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