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9か月間の正社員生活に幕を閉じた。

この4月に入社した会社を、12月末を持ちまして退職することにしました。

理由は色々あります。ネガティブな理由が半分、ポジティブな理由が半分といったところでしょうか。

ポジティブな理由としましては、もっとWebの知識やスキルを深めていきたいということ。
(私はもともと、長年フリーランスでWebディレクターをしてきましたが、今の会社では広報担当としてWebに限らず幅広い業務を行ってきました)

そして、ありがたいことに「私と仕事したい」と言ってくださる方がいるので、私自身も私を必要としてくださる人と仕事がしたいと思ったからでした。
ネガティブな理由はここでは控えます。

今日は、たった9か月間ではありますが、約9年ぶりに正社員として働いて思ったこと、感じたことを綴ります。

子供がいる女性が正社員として働くことの難しさ

1つ目は、「結婚・出産した女性の正社員勤務はかなりハードルが高い」ということ。
9年前に正社員として働いていたとき、私はまだ独身でした。子供もいません。そして実家暮らしでした。
実家の恩恵をたっぷり受けて、ぬくぬく温室を生活していた私は、朝から夜遅くまで働き詰めでした。
20代の体力だったからこそできたこと、そして親が一切の家事を引き受けてくれていたからこそできていたことなんだなと改めて思います。

そして、今の私は数えで41歳。保育園に通う子供が2人。
家事育児は、夫もかなり積極的な方だとは思いますが、料理や家計管理は私の役目です。また、子供がまだまだ小さいうちは、子供関連のイベントや体調管理などやることが多岐にわたります(そして自分の思う様にならないのが子供というもの)。
日々の仕事のタスクだけでなく、家事のTODO、子育てのTODOなども両立していかなければなりません。なので、余裕でキャパオーバーの日々です。子供が生まれてから、何度コンロの火をつけっぱなしにして忘れていたことがあったか…(-_-;)

なので、この状況でそもそも仕事をするというのはかなりの無理ゲーだなと実感するばかりです。これまでにフリーランスを10年ほど経験してきた身としては、正社員で働くお母さんたちはなおさら大変だと感じる次第です。

昔、とあるメディアの運営をしていたときに、働くママさんたちにインタビューをしていたことがあります。その時にある方がおっしゃっていた言葉がとても印象的でした。その方は、とある会社で正社員として働いてきましたが、子供を出産したことを機にその会社を辞めます。
その方が言うには…

「出産後、時短で働くとなると、給料はそれまでの半分ぐらいになる」
「時短だけれども、仕事仲間はこれまでと同じ量や質を求めてくる」
「男性社員たちから“なんでそんなに忙しいの?”と言われた」

とのこと。
これを聞いたときに、私は憤りしかありませんでした。
でも、これがまだまだ現実なんだなーと。
※ちなみに、その方はもともとスキルが高い方だったので、すぐに新しい会社に転職され、前よりも良い条件で働いているということです。

私自身も、とある社長さん(同世代の男性)に、
「出産4か月後から働き始めないか」
との誘いを受けたことがありました。
その誘いに対して
「いやいや、さすがに産後すぐは無理です。自分の体力のこともあるけれど、そもそも子供が寝る子かどうかにもよるし。」
と答えました。すると、その社長からの答えはこうでした。
「いけるやろ!」
(↑ポジティブで何も考えていない言い方)

思わず
「産褥期の女性の体をなめるなー!」
と叫びたくなりましたね。
その方にもお子さんたちがいますが、おそらくは奥さんに任せっぱなしだったんだろうなと容易に想像がつきました。

…と、話は少しそれましたが、私もこの4月から正社員で働いていて、正社員はどうしても会社の事情に左右されがちということ。そして時間の縛りがあるのが苦しいというのを痛感しました。

私には『フリーランス』という働き方が最善だった。

そして、2つ目は「私には正社員は合わない」ということです。
これも大きな気づきでした。

そもそも私は成り行きでフリーランスになり、これまで特に何も深く考えずにやってきました。「いつかはこの仕事辞めたい」「専業主婦になりたい」と思っていたぐらいなので、Webディレクターという仕事に本腰を入れていない自分がいました。(受けた仕事は徹底して向き合いますが、積極的に営業や新規開拓などをしていなかったという話です)

そんな中、知り合いからの正社員のお誘い。
やる業務内容も限られているとのことでしたし、給与は満足とは言い難いものの、作業内容や量を考えると悪くないかもなぁと思う自分がいて、入社を決めました。何よりも「安定的な収入」を求める自分もいたんですよね。

けれども、スタートアップ企業で社員数が少ないということもあり、出るわ出るわ業務の数々。毎朝9時から仕事を始めて、あれよあれよと気づけば夕方。そして、慌てて夕飯の準備をする毎日でした。

そんな中、私の心の中には沸々とした思いが浮かんでいました。
「もっと本を読みたい」
「あのイベントに行ってみたい」
「あの人に会いに行きたい」
「もっと子供に対してゆとりをもって接したい」
等々

そこで分かったんです。
私には自分ひとりになる時間が必要だということ。
アウトプットしないと無理な気質だということ。
それがないと「何のために生きているの?」と思ってしまうこと。
仕事ばかりの人生は嫌だということ。
仕事は自分の人生を豊かにするための手段の1つであって、余裕を無くしたりイライラするためのものではないということ。
そんな私のわがままな思いを叶えるためには、今まで何気なくやってきた『フリーランス』という働き方が最善だと気付いたんです。

私がWebディレクターとして働き続ける理由

私はお世辞にも、「フリーランスのWebディレクターとして頑張ってきた」とは言い難い部分があります。先にもちらっと書きましたが、いつかはこの仕事を辞めたいという思いもあったんですよね(Webディレクターとしてたくさんやってきた自負もありますし、その仕事の大変さも十分に分かっていたので、ゆっくりしたかったというのが正直な気持ちです)。

でも、今回正社員として働く中で、「私がライスワークとして頑張っていきたいのはWebだ」と気づいたんですよね。これは自分でも驚きでした。

それはきっと、周りに楽しみながら働いているフリーランスのWebクリエイターさんの存在があったからです。自分と近い立場の方(女性で、お子さんがいて、フリーランスで、Webをやっていて、という方)が生き生きと仕事をしている姿。そして活躍の幅を日に日に広げている姿を見て、「私もそっちのステージに行きたい」と感じました。

結局、これまでになんだかんだ言いながらもWebの仕事を辞めなかったのは、経済的な理由だけではなく、きっと「この仕事が好き」という気持ちがどこかであったからなんでしょうね。今はそう思います。

ということで、来年1月からは、再びフリーランスのWebディレクターとして活動します。今はこれからの活動に向けてワクワク・ドキドキする気持ちしかありません。
今は準備期間として、昔からの付き合いがある信頼しているデザイナーさんに名刺作成を依頼していたり。
前から気になっていた方に「上級SNSマネージャー講座」の講師をお願いし、1月から本格的に学ぶ予定になっていたり。
Web業界でフリーランスとして活躍する人たちとの交流が増えてきたり。
そして、ここ最近は「手放すと入ってくる」というのを実感しているところで、ちらほらご相談もいただいています。本当にありがたいことです。

今回、正社員の仕事を辞めたことで気づいたことを糧に、これからの活動も頑張っていきたいと思うところです。

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