アストラルプレーン・コピー・父親の物語
男Aの父親の物語
俺は最低なクズだった。それを認められないのが本当のクズたる所以だ。
素面のとき少しでも自分がクズだと脳裏によぎったときは全て自殺した妻のせいにした。
妻だとも思っていなかった。都合良いセックス相手というだけだった。
俺が23の時、彼女は高校生で行くところが無いからと家に転がり込んだ。
すぐに妊娠したが俺は赤ん坊が嫌いだった。煩い肉の塊だ。
俺は夜勤の後仲間と船か馬かで、妻がいる家に帰らなかった。
妻が産んだのは未熟児だった。そして妻は自殺した。
正直赤ん坊と一緒に死んでほしかった。
俺より子どもを心配した俺の母親が赤ん坊を引き取った。
家は静かになった。夜勤と眠れないのを理由にアルコールにのめりこんだ。
俺の母親のおかげで赤ん坊は成長した。
片足を引きずる子どもを俺はできそこないだと思った。
こんなの俺の子どもじゃない。
案の定、こいつはいじめられた。
あるとき、Aが殴られて目の上を腫らして帰ってきた。
いじめっことその親は律義にもAと俺に謝罪に来た。
いじめっこは俺を殴ってチャラにしてと言った。
そのいじめっこをみて、この子こそが俺の子だと感じた。
五体満足で意志が強い。それに対してAは・・・
その時も酔っ払ってた俺は、いじめっこを弱々しく殴り返したAをみて
こうやってなぐるんだと言っていじめっことその親の前でAをボコボコにした。
その事件がきっかけでAは児童養護施設に移った。
一度だけ施設にAにあったがAは幸せそうだった。
夜働き朝に酔っ払っていた俺は仲間と計画的な強盗事件を起こした。
刑期を終え、俺は運転手として余生を過ごすことになった。
素面だと冷静に考える時間が増える。
そんな時滅多にならない電話が鳴った。
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