【和歌山探訪その1】「そうだ、和歌山に行こう。」【1年目ITエンジニアが自社サテライトを利用してみた】
そう思ったとき、既に時刻は20時を回っていました。
世はシルバーウィーク。普段は東京オフィス勤務の私ですが、9月21、22日は新大阪オフィスで業務をこなし、23日移動日、24日〜和歌山オフィスで休暇をとる計画を立てていました。
元来、弊社の和歌山サテライトはワーケーションを目的として立てられています。
休暇をとるという構造上、もちろん私もメインの目的はそこ(バケーション)においておりました。一方で、せっかくなのですから、休暇を通して新規事業のアイデア(ワーク)等、新しい刺激を受けて何かしらを見つけられたなら、こんなに良いことはありません。
さぁ、どうやって行こう?
弊社、和歌山サテライトオフィスまでの主な移動手段は以下の4つが考えられるかと思います。
①新大阪から特急くろしおでJR和歌山駅へ。紀伊本線で南海和歌山市駅に移動し加太線で八幡前駅まで。
②なんばから南海電鉄サザン特急で和歌山市駅へ。その後加太線で八幡前駅まで。
③関西国際空港から南海電鉄、泉佐野乗り換えで和歌山市駅へ。以下同じ。
④徳島港からフェリーで和歌山港へ。南海電鉄和歌山港駅から以下同じ。
今回は南海電鉄に乗ったことがなかったこともあり、②を採用しました。
以下のようなルート(一例)です。
今日中に移動を済ませるなら、バッファ(旅先では何が起きるかわかりませんからね!)も考慮するとそろそろ移動し始めなければいけません。
というわけで、まずは御堂筋線でなんば駅へ向かいます。
御堂筋なんば駅(南海なんば駅)→南海和歌山市駅
なんば駅から南海電車に乗り換えます。
思ったより人が多いことに驚きました。
もちろん、全員が和歌山に移動している人ではないでしょうが、和歌山まで帰っている人たちも相当数いそうです。(実際に和歌山市駅で多くの人が降りていました。)ともすると、和歌山市在住で日中は大阪市で働いている人がいる。即ち、和歌山市は十分大阪市の通勤圏内であり、逆に言えば和歌山でのビジネスも十分大阪が商圏になりえるでしょう。この気付きは新鮮なものでした。
余談ですが、当然大阪ですので、エスカレーターは右です(※1)。
いざ、和歌山に出陣!
和歌山市行きの電車を電光掲示板で確認し、乗り込みます。
南海なんば駅→南海和歌山市駅
電車に乗り込むこと、数分……。
出発時刻になっても、電車は動き出しません。
「あら、何かトラブルかしら?」「それとも、南海電車はそんなもの(数分のダイヤの乱れは仕様)なのかしら?」と思っていましたが、今考えるとそんなわけありません。
待つこと数分、電車はゆっくりと走り出し、安堵するのもつかの間…
なんだか様子がおかしいことに気づきます………。
「これ各停の普通列車だ!!!!!!!!!」
なんと、特急だと思っていた電車は各駅停車だったのです!
「スーッと」全身から血の気が引いていきます。「和歌山市行きに乗り込む」ということに注視しすぎていたためか、和歌山市駅行きという表示案内だけを見て特急だと決めつけていたのです。
逆に言えば、和歌山市駅まではたどり着くことが出来ます。しかし、所用時間は2時間以上。特急と比べると到着時刻は1時間ほど差が生まれます。
そもそも、和歌山市駅から加太線に乗り換えなくてはいけませんし、加太線のダイヤがその時間まで機能しているかも定かではありません。昨今の情勢を鑑みると尚更です。時刻はこの時点で既に21時近くになっています。
「どうしようどうしようどうしようどうしよう」
取り乱しそうになるのを、懸命にこらえ頭をフル回転させます。私も仮にもエンジニアの端くれです。我々は顧客の要望を整理、把握し、それに基づいて実現する方法を考え実装するのが仕事です。深呼吸をし、落ち着いて事象や要件を切り分ける。いつもオフィスで言われていることです。
迅速にスマートフォンで情報を集め、最初二駅は特急も各駅に停車することを突き止めます。つまり、最初二駅で下車し、次の特急を待ち、即時に乗り換えれば、そこまで大きなロスにはなりません。
ギリギリのところで天下茶屋駅で下車します。
(若干写真がブレているのが動揺を表していて、妙にリアルです。)
逆に言えば堺まで行っていれば、かなりのロスになっていました。
急死に一生を得るとはまさにこのことです。
次のサザン特急を待っているといかにも「特急感(?)のある」少々ラグジュアリーな車両が停車しました。しかし、これは有料特急なので焦って乗ってはいけません。気づけば関西国際空港まで連れて行かれます。
南海9000系・9501F編成・車両番号9001。これこそがサザン特急です。
ちなみにサザン特急というのは
南海→南→South(サウス)→Southern(形容詞化してサザン)
というのが、由来。
尚、終点が和歌山市駅ではなく、和歌山港駅なのは四国方面へのフェリーに乗り換えることを目的としており、当時は鉄道と航路の組み合わせにより、大阪と四国を結ぶ最速の連絡列車として機能していた名残のようです。(※2)
なんでこんなことを知っているかというと、天下茶屋駅で思ったよりサザン特急を待つ暇な時間があったからです。
無事サザン特急に乗り込み、揺られること数十分…
無事和歌山市駅に到着します。
ここから八幡前駅に向かうには加太線に乗り換える必要があります。
プラットフォームで八幡前行きの電車を待つこと数分…
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ><((((●゚<
なんだか魚の形を模した可愛らしい電車が到着しました。
何がめでたいのかはわかりませんが、悪い気はしません。びっくりしたのは車内の内装です。
魚まみれです。
宮澤正之さんが見たら泣いて喜びそうな光景です。他にも
扉がダイバーだったり
足元にタコがいたり
海藻が降ってたり
つり革が魚介類だったりします。
(個人的に一番惹かれたデザインはこれです。)
そんな和歌山市はオリジナルな婚姻届も作っているようで、社内に掲示してありました。
電車だけに、うまくこと言っている風です。(̶私̶も̶は̶や̶く̶幸̶せ̶と̶い̶う̶レ̶ー̶ル̶を̶一̶緒̶に̶走̶り̶た̶い̶も̶の̶で̶す̶ )
ついにオフィスの最寄り駅へ
加太線もとい
加太さかな線に揺られること数分。
やっとのことで八幡前駅に着きました。(※3)
既に時刻は23時をまわっていました。
くっっっらッッッっっっ!!!!!!!!!!!
びっくりするくらい暗いです。あたりからは虫の声もします。これは「田舎」です。私の生家も大概田舎なので、なんだか妙に懐かしい気持ちになります。
予想を裏切り有人駅の改札を抜け、徒歩で弊社和歌山サテライトを目指します。
しかし、暗いです。
上の画像を見ると「筆者は大げさに言い過ぎである。十分明るいじゃないか。」とお思いになることでしょう。しかしながら、これはスマートフォンで撮った写真であり、肉眼の見え方と相違があることに留意しなくてはいけません。実際に見えている景色は…
誇張無く、これぐらい暗いです。
一人でスーツケースを引いて歩くには心細すぎます。
「明るいところに行きたい……」
虫と同じようなマインドですが、明るさを目指してまずはコンビニに向かうことにしました。気づけば食事もまだですし、飲み物等も買い込む必要があります。
空にはぎょしゃ座(カペラ)らしい星が励ますようにぽつんと光っていました。馬になった気分で歩きます。
御者(ぎょしゃ)に励まされながら、買い出しを済ませオフィスにたどり着き、諸々済ませ就寝したのは午前2時ごろ。死んだように眠りにつきました。
(つづく)
注釈・他
※1
なんと和歌山も右でした。一般的には関西は右という十把一絡げなイメージがありますが、実態としてはより細分化された地域によって違うというのが真実らしく、押し並べて「エスケレーターは右!」というのは大阪府と兵庫県、和歌山県の3県のみだそうです。(出典下記)
※2
98年に明石海峡大橋が出来るまで、瀬戸大橋から迂回するルートを除き、関西に渡るには本路を利用するしかなかったという事実は、現代だと考えられません…。
※3
そして、この時はじめて「はちまんまえ」と読むことを知りました。(これをやはたまえと読んでしまうのは四国民の性でしょうか…。)
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弊社の基幹業務であるMagentoのステッカーです。紺に映えてお気に入りです。
やはり海のレジャーを推しているのでしょうか。