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歴史考察 #171 六甲山(むこう)の語源はマオリ語だった⁈

こんにちは、véritéです。
先日向日神社を訪れました。向日神社は京都府向日市にあります。
そこで気になったのは「向日市(むこうし)」という地名です。

そこで向日市の語源を調べてみますと、大歳神(おおとしのかみ)の御子である御歳神(みとしのかみ)がこの峰に登られ「向日山(むこうやま)」と名付られことに始まると。

「むこうやま」で連想するのは、「六甲山(ろっこうさん)」です。
「六甲山」の語源は、大阪から見て「むこう」にあることから「むこうやま」、それが六甲山になったという説です。

また、「武庫 (むこ)」 の山で、のちに「六甲(むこ)」 の字を当てて音読したものとありますが、六甲山は「むこうやま」とも読めますよね。

そして「むこうやま」で連想するのは、私のふるさとである福島の「信夫山(しのぶやま)」です。「信夫山」の語源も諸説ありますが、アイヌ語原説では、SHI-NUPシヌプからシノブに変化し、シとは大きい、NUPURIヌプリは山の意味で「石山」を指すと。

私は幼少期、この「信夫山」の裾野に住んでいたのですが、住所が「信夫山」ではなく、「西向山(にしむきやま)」だったのです。

「信夫山」の西側に位置しているため「西向山」だと思っていましたが、ひょっとして「むこうやまの西」という意味だった?!

さらに「むこうやま」で連想したのは「武甲山 (ぶこうさん)」です。
「武甲山」の語源を調べてみますと、「日本武尊が東征の際、自らの 甲(かぶと)をこの山の岩室に奉納したという伝説に由来する」とありましたが、「むこうやま」とも読めますね。

向日山、西向山、六甲山、武甲山。これらの山に共通する「むこう」にはいったいどんな意味があるのでしょうか?

早速「むこう」という言葉の語源について調べてみますと、なんと、マオリ語に辿り着きました‼

マオリ語は、ニュージーランドの先住民族マオリの言語で、東ポリネシア諸語のひとつで、マオリはハワイキからニュージーランドにやって来たのだとか。

そんなマオリ語には 「ム・コウMU-KOU(mu=silent;kou=knob,stump)」という言葉があり、「静かな切り株(瘤のような山)」という意味が✨

つまり「むこうやま」とは「静かな切り株の山」ということになりますよね✨

そして、切り株といえば、柱状節理であり、湧き水であり...六甲山も武甲山もいずれの山にも豊富な湧き水がありますよね✨

地下水が豊富な山は、遠い昔には巨樹だったのではないかとする説への確信が一歩進んだ今日この頃。

そういえば、巨樹の切株伝説がある大分の切株山(きりかぶやま)の山上には湧き水もあるとか...

ちなみに、マオリ語が語源ともいわれる地名もありました‼
例えば、京都化野の「あだしの」は、マオリ語の「アタ・チノ」、ATA-TINO(ata=how horrible!;tino=main,reality,exact,very)、「(死体が散乱して)まことに恐ろしい(場所)」

京都伏見の「ふしみ」は、マオリ語の「フチ・ミ」、HUTI-MI(huti=hoistpull out of the ground;mi=urine,river)、「(地下)水(の水位)が・高い(または水が湧き出す。場所)」

いずれにしましてもマオリ語は想像以上に身近な存在で、そのルーツを探るヒントなのかもしれません✨

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