ワクチン健康被害補償の年代別データ（2月10日発表時点）
厚生労働省が新型コロナウイルス感染症のワクチンで因果関係を認定した健康被害の補償対象者は、2月10日までに518人になった。すべて医療費・医療手当の補償となっている。死亡一時金の申請がされている例もあるが、いずれも保留で、認定された例は今のところない。
厚労省の疾病・障害認定審査会は年齢別集計などの詳細を公開していないため、本プロジェクトで独自に集計したところ、最も多いのは40代の139人だとわかった。認定者のうち8割以上が女性だった。高齢者より若年者にやや多い傾向で、10代は19人、20代は75人が認定されていた。
現在、受理済みの審査案件はまだ500件以上あり、今後も増える可能性がある。
（本件の続報はこちら）
接種者数のデータ
被害認定件数の集計結果
大半がアナフィラキシー被害の補償 審査中は500件超
厚労省によると、2月10日までに1040件の審査が受理されている（申請総数は不明）。
このうち、審査結果が判明したのは527件であるため、500件以上が審査中とみられる。
否認されたのは9件（否認理由のほとんどが「通常起こりうる副反応の範囲内」というもので、因果関係に疑義があるとされたのは1件のみ）。今後も被害補償の認定件数は増える可能性が高い。
審査結果として公開されているのは、性別、ワクチンの種類、年齢、請求内容、疾病名・障害名・判定・否認の理由のみで、健康被害の重症度等の詳細な情報は開示されていない。
ワクチン副反応による被害補償を認定した結果の一部
これまで認定されたのは「アナフィラキシー」「急性アレルギー反応」などが大半だった。「心筋炎・心膜炎」による健康被害の認定は、現時点では1件も出ていない。
死亡一時金の申請は5件あったが（20代女性を含む）、いずれも判定保留とされている（12月9日の分科会資料、2月10日の分科会資料）。
審査結果が出ていない500件超の案件は、年齢・性別・病名などは公開されていない。
インフルエンザワクチンの被害補償を大きく上回る
2回接種完了者は1億人に迫り（2月7日時点で9900万人超）、約1000人の健康被害が審査対象になっていることから、接種者全体に占める割合は現時点でおよそ0.001%（10万人に1人の割合）となり、ごく一部といえる。
ただ、インフルエンザワクチンで健康被害が認定されたのは、1977年〜2019年の42年間の総数で177件だった（欄外注記に「昭和52年2月から開始された新制度分の累計」と書かれている）。
被害補償件数だけでみると、新型コロナワクチンは、インフルエンザワクチンの過去40年あまりの総数を大きく上回っていることになる。
一方、「副反応疑い」報告は、厚労省の集計で約3万件、死亡例は1400件を超えている（医療機関報告分、1月2日まで）。接種後死亡例で因果関係が認定された事例はまだ1件もない。
「副反応疑い」報告のデータ内訳は別途報告する。
公開資料のリンク先一覧
（厚生労働省において、新型コロナのワクチン被害補償に関する審査結果が開示されたもの）
第143回 疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会（2021年8月19日）＝認定17件、否認6件、保留5件
第1回 疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)（2021年9月13日）＝認定37件、否認・保留0件
第2回 疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)（2021年10月22日）＝認定81件、否認・保留0件
第3回 疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)（2021年11月19日）＝認定126件、否認0件、保留3件
第145回 疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会（2021年12月9日）＝認定17件、否認6件、保留5件（うち死亡3件）
第4回 疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)（2021年12月23日）＝認定110件、否認0件、保留5件
第5回 疾病・障害認定審査会 (感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)（2022年1月28日）＝認定115件、否認3件、保留0件
第146回 疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会（2022年2月10日）＝認定3件、否認0件、保留2件（うち死亡2件）
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