公表死者数は老衰などコロナ以外の死因も 大阪府、70代以上が93%(2月17日現在)
新型コロナウイルス感染症(オミクロン株)の感染拡大で死者発表数が増加しているが、大阪府では、昨年12月17日以降を「第6波」として集計した死者の93%が70代以上だったことがわかった。
老衰などのコロナ以外の死因による死者数も含まれており、「コロナ関連が直接死因」とされるものは、報道発表されている死者数の約6割だった。
また、第6波に入って大阪府での30代以下の新規陽性者は2万人を超えたが、現時点で、死者はゼロ、重症者は11人(重症化率0.005%)となっている。
いずれも2月18日、府の対策本部会議で公表された資料で明らかになった。
80代以上が死者の7割超 コロナ直接死因は約6割
大阪府の死者数は増えているが、第6波の死者は2月17日判明分までで445人。このうち70代以上が414人で、80代以上に限っても322人で72%を占めていた。
50代以下は13人(30代以下ゼロ)だった。
死亡例のうち、基礎疾患のある患者が約4分の3、高齢者施設関連が約半分だった。
また、今回の資料で、死亡例445人のうち直接死因が「新型コロナ関連」とされたのは271人(61%)であることが明らかにされた。
間接死因が「コロナ関連」とされたのは108人(24%)、「コロナ関連以外」とされたのは66人(15%)。間接死因には、誤嚥性肺炎や老衰などが含まれていた。
厚生労働省は、新型コロナ陽性者が療養中に死亡すれば、厳密な死因を問わずに死者としてカウントし、報告・発表するように、各都道府県に通知している。
日々報道発表されている「死者数」には、「コロナ関連」が直接死因でない死者も相当数含まれているとみられていたが、大阪府の公表データからその詳細が明らかになった形だ。
接種歴別にみた場合
大阪府の資料では、接種歴別の死者数も公表された。
445人の死亡例のうち、いわゆるブースター接種(3回接種済み)は5人、2回接種済みは127人、未接種・1回接種のみ・接種歴不明あわせて313人だった。
313人の内訳は不明のため、2回接種を完了していない感染者の死亡例は正確にはわからない。
年代別人数も明らかになっていない。
若年層の重症化率・致死率は?
年代別重症者数・死者数は、2月12日判明分まで大阪府の資料から確認できていることから、30代以下の若年層の重症化率・致死率も算定した。
その結果、第6波では、10代以下・20代・30代いずれも重症化率・致死率ともに0.01%未満だった。
報道されているように、10代以下の陽性者数が急増しているが、現時点では重症者4人、死者ゼロとなっている。
重症化率・致死率を第5波以前と比較
また、大阪府の公表データ(2月17日判明分まで)に基づき、年齢層別重症者数・死者数を第5波以前と第6波で集計・比較したところ、60代以上の重症化率は8.26%→0.74%、致死率は8.49%→0.89%と大きく低下していることがわかった。
40代・50代も重症化率が2.4%→0.07%、致死率が0.32%→0.02%に低下していた。
2月に入って、特に高齢者の死者が増加傾向にある。
第6波の1月30日判明分までと2月17日判明分までを比較すると、重症化率は0.38%→0.74%、致死率も0.38%→0.89%と上昇した。50代以下もやや上昇している。
今後も遅れて重症者数・死者数が増えてきた場合、重症化率・致死率が上振れする可能性がある。
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