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トレードには「運動神経」が必要だ!

私ヴェレ(@vere_oku)の対談シリーズ、元テレビ局勤務のトレーダーXさんの第2回目です。実はスキャルピングにはまったこともあるというXさん。しかし続けていくうちに空気を読むやさしいトレーダーになったようです。その理由を伺いました!

「お金よりも分析が楽しくてトレードをしている」

X:実はトレードをはじめたばかりの頃はスキャルピングにもはまりました(笑)。濾しとった情報からバーストを検知して、ストップ高ばかり狙っていた。バーストは、ちょっと専門的になるんですが、「tf-idf」っていう情報の目新しさを判定するモデルみたいなのがあるんです。これは本当によくつかいますね。これに成長性を見る理論を組み合わせて、どのタイミングで特定の話題が急激に膨らむかだけじゃなくて、どこまで伸びて、最後いつどれぐらい減衰するかまで見積もるんです。

テレビ局を退職して、株をやりはじめた最初の一週間は、本当にそればかりを見ていました。100銘柄ぐらい同時に監視していたと思います。どれでもインできるっていう感じにしておいて。

ヴェレ:それはデイトレードになるんですか?

X:デイトレードですね。いや…デイというか、場が開いてから最初の30分ぐらいでしたね。スキャルピングばかりで。

ヴェレ:…😮

X:今もいろいろ試行錯誤中ですが、今のスタイルは、情報を裏付ける膨大なニュースを背景に持ちつつ、情報の広がり方や、爆発の仕方、減衰の仕方などを頭の中でなんとなく想定しながら、最後はテクニカル的に落とし込んでいく感じですね。

ヴェレ:それは普通の人にはマネできませんね…。

X:できるんじゃないですか?でも、実は僕の周りには一人もトレーダー仲間がいないんですよ…。ヴェレさんは、たぶんはじめてお会いしたトレードをしている人です。僕は感激ですよ(キラキラ)。自分はTwitterも何もやっていませんから。

ヴェレ:Xさんはお金というよりは、分析とかが楽しくてやってるって感じですよね。

X:はい。だからいろいろ実験もしています。何株買うかで自分の心理状態がどう変わるのかとか。100株か、1,000株か、1万株かによって、利確の早さもずいぶん変わりますよね。でも、はじめはロットの大小で、自分の心理がどう変わるかを考えながらやっていたんですが、実際のところはロットが大きくなりすぎると場が動いちゃうので、そっちの影響の方が遥かに気になるようになってしまいました。

小型株だと、自分の利益のためだけだったらぐんぐん株価を上げて、利確でナイヤガラ落としをする…なんてこともできますけど、それをやってしまうとその銘柄自体が信用されなくなってしまいますよね。僕はやっぱり、会社や社会の話題性や業績に合わせてワーッと株価が上がっていく無理のない感じをちゃんと正確に捉えて、その場が壊れないようにしながらみんなで上がってこうぜ、みたいに思っています。

ヴェレ:空気を読むやさしいトレーダーじゃないですか…。そんな視点の方、はじめてです。

私は為替ですから、自分で相場を動かせるような世界ではありません。流れに乗るだけですしね…。

X:僕はたぶんトレーダーじゃないんだと思います。本業では会社を経営していますし、そもそもメディアにいたときは、全く株に触ったことはありませんでした。テレビ局の社員はトレードを一切できませんし、周囲にやろうという人もいませんでした。普通に仕事をしていれば、予定原稿なんてたくさん見ますから、やろうと思えばなんでもできてしまいます。

でもテレビ局から離れて、株をやってみると、予定原稿の書かれるロジックを知っていることはとても大きいと感じています。

トレードには運動神経が必要だ!

ヴェレ:こういうお話を伺うと、軽い気持ちでトレードなんてできないな、と思わされます。

X:あと、トレードって、運動神経いるじゃないですか。

ヴェレ:いりますね(激しく同意)。

X:だから、長くスキャルピングができる人って、オリンピックのトップランナーのような天才だと私は思います。

ヴェレ:反射神経ですよね。Xさんは頭脳派ですけど、私は肉体労働系のトレーダーです(笑)。瞬発力だけ。

PCで監視はしていますが、注文は全部スマホだから、普段から、TwitterとかLINEとか日に何千と打って、いつでも指を鍛えてます!

X:すごい!運動神経と頭の良さって連動すると最強だと思います。ヴェレさんは、肉体労働だって謙遜されていますが、スキルを持った実力派・頭脳派アスリートです!超人的な指さばき、一生訓練しても追いつけません!うらやましい…。

対極を同時に見る「イーグルアイ」

X:僕、「イーグルアイ」というのを常に考えていて。

ヴェレ:イーグル?鷹ですか?

X:はい。鷹って、空高くから1000m先の平原にいる小さなネズミやウサギを一瞬で捕えますよね。実は鷹の目は広い視界と、ズーム機能の両方があるんですって。対極を同時に見る。そういう思想です。だから時間足もいろいろ変えてみてみています。

ヴェレ:おもしろいですね!それは私のトレードにも生かせそう。

普段はどんな環境でトレードされているんですか?

X:27インチぐらいのディスプレイ3面でやっています。でもトレード用っていうより、僕はプログラムを書くので、普通にそういう環境です。発注するときは、1枚は発注板で、1枚にたくさん銘柄を表示して、もう1枚は社会情報をキャッチするための1枚ですね。

どうせやるなら負けないほうがいいですよね。僕は、どちらかというとこれまでお話してきたような理屈が間違っていないということを確かめたいから、負けたくないと思っています。

がつがつしちゃうとメンタルが大変じゃないですか。

ヴェレ:ピュアですね(笑)。私のトレードとの関わり方も、Xさんに似ているかもしれません。

トレードをはじめてから物理や数学の本を読むようになって、本の内容はとても抽象的なんですが、それをトレードに生かしています。勉強をするためにトレードをしているようなところがありますね。

X:株の格言って人生論ですよね。ヴェレさんのツイッターを拝見していても、まるで哲学。何度「なるほど」を膝を打ち、メモしたことか。それでいて、思いっきりおちゃめなことも書く。真面目さとユーモアさ、努力とセンス、その上にある確かな実力、いろんなことを感じながら刺激を受けています!

ヴェレ:私、ときどきツイッターでまじめなことを書いてるんですが、あれってチャートを見ているとインスピレーションがわくんですよ。

X:それはすごいですね。いつか本にでもまとめてもらいたいです、本当に。

ヴェレ:ネタが続けば、ですかね…。今日はとても面白いお話をありがとうございました!


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