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バズったスポットを価値あるモノに

11月23日(木)は勤労感謝の日。隣の県のことなのに、まったくチェックしていなかったけど、愛知県は11月24日(金)を県民の日として、なんと25日(土)・26日(日)が4連休です。だから今週は、エリア全体(どこまでをエリアというか曖昧ですが、ベルデが関わるエリア全体と)例年では考えられないほどの人入りなのです。紅葉スポットとして認知が広がってきた、ということなのか・・・。

この地域の観光に関わるモノとしては、素直に嬉しく、仲良しのホテルマンとは「過去最高の賑わい!いい秋で感動してる」と幸せ気分をシェアしたりしているのです。


・発信のチカラ恐るべし~丸山公園編~

先日、三重県ナンバーワン観光系インフルエンサーさん(ふがまるちゃん)と撮影会を開催しました。モデルさんはベルデのゲストのハスキーとお友達ハスキー。

ふがまるちゃんとは3年前のSUPの撮影依頼からのお付き合いで、その後、同じエリアの真手丸山公園を撮影にきてくれるなど、三重県いいところを精力的に発信しています。彼もこの3年でインスタのフォロワーが4000から44000に激増しているとのこと。

その丸山公園は今完全にバズっていて、普段はゴーストパークですが、紅葉の時期は駐車場も待ち状態になっているとのこと。なんとこの週末は警察も出て、臨時駐車場を開設し、役場職員が総出で案内をしていました。

発信のチカラ、恐るべし。紅葉狩りの帰りに寄っているんだろうな、と最近は平日でもBOUQUET(近くのハンバーガー屋さん)はいっぱいです。ベルデ(私の会社)への効果へと繋げるのは私の仕事。

バズリと地域の受け入れ体制と経済的効果はバランスさせないと持続可能でなく、できないとせっかくの人入りもマイナスでしか捉えられず、それこそ尾鷲のオハイのようにクローズすることになってしまいます。

私は、住人が少なくなり、外からの人も来ない地域は衰退しかないというシンプルな思考で、知ってもらえて来てもらえて楽しんでもらえる、というのは未来に残せる大きな価値だと思っています。

とはいえ、丸山公園をカメラを持ってお散歩ルートにしている地域住民からすれば、窮屈なんだろうなと想像もしています。

・SUPスポットでバズっている公園~さくらの里公園編~

ここからは、少し厳しい話。現在進行形でバズリが継続し、クレームも日常的に起こり、オーバーツーリズムになっている別の公園についてです。

私がベルデとして宮川でSUPやカヤックのアクティビティをスタートさせて9年が経ちました。ノールールでプロモーションばかり先行しているため、およそ5年前からSUPで遊べる周辺公園の利用については、夏休みや週末を中心に公園は満車・公園近くに路上駐車、私有地への駐車で溢れてきている・・・という、関係事業者としては悩ましい課題が継続しています。(もちろんきっかけはベルデにあると自覚しています)

特に、さくらの里公園は、SUPカヤックの事業者・個人利用者の急増により、バサー(バス釣り)からのクレームが頻発しています。バサーは環境保全協力金を払っているという理由で、お金を払って釣りに来たのに無料で遊んでいるSUPやカヤックの無法駐車っぷりを見て、SUPカヤック層をよく思っていない方がほとんどだと思います。

この公園は、こうしたクレームが貯まり関係者で協議した結果、2年前バサーやSUPカヤックの準備のためのスペースを町でつくってもらっていました。ただ今年は、この転回スペースにも長時間(遊んでいる間ずっと)駐車し、バサーの転回や弊社のアクティビティの準備場所(転回場所)としても使えない日が多くあります。

私たちも公園を利用させてもらっている事業者なので、弊社のゲストだけでなく、できる限り来訪者が気持ちよく使ってもらえるように、また協力金を払ってもらっているバサーの迷惑にならないように、と気を付けているのですが、公園の管理人ではありませんので限界があります。

・オーバーツーリズムは、原因療法で!

京都のような都会だけでなく、人口8600人の三重県大台町でもこれは立派なオーバーツーリズムです。夏のさくらの里公園はすでに、放っておくと紅葉の時期の丸山公園も、限定された時期ですが、地域が持続可能に受け入れられる範囲を超える状態にあります。

すぐできる対処療法としては、現場の看板はもちろんですが、ルール・マナーアナウンスをネット上にあげて、事前に確認してもらえるよう観光協会や役場がくどいくらいに情報を拡散する。(まだここもできていない地域なのです・・)ただ、この対処療法は付け焼刃的に効果のないアナウンス看板だけが増殖し、公園の景観をたいへん損ねています。

マネジメントはとてもタフな仕事で面倒なのですが、原因療法を施さなければ、来訪者も地域も事業者も解決とはなりません。

<地域はどんな人に来てほしいのか?の協議>
これは私はベルデを立ち上げた頃から言い続けていることです。大台町は、地域の経済に貢献しないマナー・ルールを守れない人に来訪してもらいたいのか?

 サスティナブルツーリズムやレスポンシブルツーリズムの今の流れに逆らっているようでは、いつか本物の地域のファン・宮川のファンは離れていくと思います。(既に以前から公園をお気に入り場所と応援してくれた方からも「もう行けない状態だね」と伝えられています。)

他のトラブルが起こった公園やキャンプ指定地のように、利用者があふれてきたから全面利用禁止、になってしまっては、利用と保全のバランスを売るユネスコエコパークの地域として恥ずかしいことです。

私の考えは、宮川でアクティビティを始めた9年前から変わりません。

「大台の自然を愛し、節度があり、地域経済をまわす」人に気持ちよく来訪してもらえる地域であることが、町の観光振興に直結することという想いです。具体的方法は、法定外目的税としてユネスコエコパーク税が導入され、地域の自然をつかって楽しんでいる受益者が積極的に保全負担できる仕組みをつくること。

もちろん、この原因療法は、行政だけでなく、DMOや観光協会、関わる民間、地域住民で解決する課題です。ここまでオーバーツーリズムへの具体的施策もないまま、使いにくい公園にしていることは、私自身の力不足も大いにあると自戒しながら・・・実は来週、この公園利用についての会議があるので、何度か提案している「宮川セッション」の資料をブラッシュアップしているところです。

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