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スペイン語圏の音楽事情 Mecanoまでを巡って

前書き

以下、昔話なので、戯言をお許しください。

中学生の頃から、洋楽、とくにポップ・ロックが好きで、ちょうど大学生になった頃(名古屋から東京に上京しての貧乏学生時代)からは、ようやく多くのアーティストが来日するようになり、なけなしの仕送りやわずかのバイトでのお小遣いを叩いて、かなり多くのコンサートに行った。個人的にベスト3を挙げると(記憶が定かでないので年号の間違いがあればお許し下さい)、3位がFocusの初来日コンサート(1974年)、2位がYESの初来日コンサート(1973年、名古屋で)、堂々の1位はRory Gallagharのやはり初来日コンサート(1974年)で、これは中野サンプラザだったが、結構ガラガラの客の入りも、本人は(ひょっとしたら粉か草をやっていたのかも)ノリノリでアンコールに次ぐアンコールで終電の時刻が心配になるほどだった。あと上位に入るのはTen Years Afterの前座だったProcol Harum、Neil Young、King Crimson(数回行った)、Jeff Beckなど多くあるが、いまいちだったのもいくつか、とくにChicagoの2回目とCCR(Creedence Clearwater Revival)はダメだったなあという覚えがある。あとPink Floydは一生懸命やっているのだが、音が酷くて思わず寝そうになったが、友人が同じ感想を持っていたのは印象的だった。それに、同じアーティストの2回目の来日コンサートは何故ダメなのか!?上記の3位と1位の2回目は本当にがっかりしたのを覚えている!

そんな学生時代、何故か専攻言語がスペイン語(通った大学ではイスパニア語と呼んでいた)だったため、彼の地やラテンアメリカの音楽はどうなっているかというのを知りたくても、留学でもしない限り、インターネットも何もない時代なので、情報はほんのわずかしか得られない。来日したアーティストも、たしか、せいぜいトリオ・ロス・パンチョス(当時完全に中南米のプロトタイプに祀り上げられたなあ!)とフリオ・イグレシアスくらいで、フリオは音楽祭なんかで来日したあと、数年後に初のコンサートがあり、大学院生時代だったけど、どんなものかと行った覚えがある(パンフレットはたしかまだ持っているぞ!)。あとは、スペインからラファエルが来ていたかな?

大学で歌の上手いネイティブの先生から聞かされる楽曲も、ラ・マラゲーニャとかベサメ・ムーチョとかマリア・イサベルとかゴロンドリナといった、今になって思えば、完全な演歌や民謡の類で、実際に音楽事情がどうなっているのかは1980年あたりまで全然分からなく、日常は相変わらず英語圏のポップ・ロックを聴いていた。
そんなある日、今となっては絶滅種のVHSビデオが普及して、後に1975年に亡くなる独裁者フランコの後継としてフアン・カルロスが国王(王政復古)に指名される議会の場面が収められている映像がスペインの友人からビデオで届き、それがTVE(televisión española)の¿Qué noche la de aquel año?(あの年はどんな夜だった?)という番組の1969年版の録画だということが分かり、食い入るように観たのだった。これは今は上記TVEのアーカイブで誰でも閲覧することができる。


その後、この番組のビデオをときどき入手できて、スペインではこんなアーティスト(スペイン語圏だけではなく、英語圏も)が人気があるんだなあと感心して拝聴していたところ、ある日、この番組の1982年版が入手でき、あの独裁国家だったスペインでさえも画期的な総選挙が実施され、サッカーワールドカップもスペインで開催された時の様子も知ることができたのだが(実は、この前年の1981年に初めてスペインに行った)、その中のあるグループの演奏にすっかり魅了されることになった。

(このURLの46分くらいから)
Mecanoである。このグループについては、英語のwikiからも詳細が分かるので、ここでは細かく述べないので、参照していただきたい。

美しく、透明な、天使のような声で歌うアナ・トロハ。ここから細かいことは書かないでおこう、と言うか、書き始めたらどこまでも書くことになるのだが、「ここが僕のスペイン現代ポップ・ロック音楽の原点」だということだけははっきりと書いておこう。今、僕の書斎の棚には、学術書よりもスペースを占有して、スペイン語圏の音楽を中心としたCD(今は配信になってしまったなあ!)、ビデオ、DVDが積んであり、CDだけで250くらい、他も含めると400くらいはあるだろう!夢は、定年退職したら、いつまで元気でいられるか不明だけど、スペイン語圏の音楽を紹介する配信(ストリーミングか動画)ができたらなあと思っている。youtube他のネット配信では著作権の問題がクリアーできないので、どうやるかを検討中である。(アメリカだと簡単に小さなFM局を開設できるのになあ!)地方のFM局で週に30分ほど番組枠を持たせてくれないかなあ!?

★ビデオもDVDも、当時は値段が格段に安いので、現地に行った時や、現地の通販からPAL方式で購入していた。そのためにPALを日本方式に変換する必要があるが、今はもう使わないビデオについては、勤務先の大学に変換してダビングする装置が用意してあり、DVDについてはPCでの再生には問題なく、DVDPlayerも全方式対応を(日本製だけど、電気店では販売できないらしく、輸出品の逆輸入ものという形式でネットで売っている)購入して持っている。(今は殆ど使っていない)

スペイン語をやっているので、必然的にスペインの音楽に嵌っていったのだが、本当に今の語学学習の環境は羨ましい限りだと思う。2か国語放送(映画で英語のままセリフを言って、字幕は出ない)というのが始まったのが、僕の大学院生時代だけど、当時は英語も勉強しなくてはいけないので、夜な夜な、小さなカラーテレビ(それまではモノクロだった)を買って、食い入るように観ていたものだし、スペイン語については、ネイティブの先生や留学生が結構いる大学とは言え、最終的にはとにかく現地に行ってみるしかなく、本当に苦労した!それに比べ、今は本当に楽しく勉強できる環境が揃っているのだが、学生たちはその活用法が分からずに本当に損しているかもしれないと思うことがある。
様々な例があるが、例えばamazon.primeビデオ(他の配信でも)の字幕機能。これは知っている学生は利用しまくっていると思うが、多くのドラマや映画にその機能がある。英語が原語のドラマの場合でも吹き替えの言語をかなり多くの言語から選べて、さらに字幕も「なし」からこれも様々な言語から選べる。僕はスペインのドラマを字幕なしでなんとか観ることができるが、中にはスラングだったり、分からない表現が出てきたときは、そのときだけスペイン語の字幕を見て、納得したりしている。また、英語のドラマにスペイン語の字幕にして、英語に対応するスペイン語の表現がこうなるんだというあたりの勉強に利用したりしている。

さて、Mecanoという表題にも関わらず、そこは余り詳しいことは書かなかったが、このあとはMecanoから始まる、僕のスペイン音楽の世界について書いて、多くの方が知らない素晴らしい世界をちょっとだけ紹介できたらいいなあと思っている。

最後に、まだMacenoを知らない方にお勧めを一つ挙げれば、youtubeでも公開されている、Mecano Concierto 88 かな。

この中の「Mujer contra mujer」の歌詞の意味と、みんなが一緒に歌っているときの感情の高まりが理解できると、本当にスペイン語をやっていて良かったなあと思う。(24分過ぎあたりから)
音や画質が良いのを希望される方もいるかもしれませんが、もうDVDにCDやVHSは製造されていなくて、多分、mp3の音源だけが、amazon.es (スペインのamazon)かfnac.es あたりで配信されていると思います。

Mecanoの曲「Un año más」は今でも大晦日に必ず流れてくる、美しい曲であり、今年も終わるんだなあと、一番実感させてくれる。

実は、この曲(歌詞を中心に)と先の「Mujer contra mujer」を勤務先の大学の(社会人向け)公開講座で取り上げたことがあり、スペイン語の美しさのほんの一端でも紹介できたかなと思っている。

(続く)

おまけ!

2008年頃に作成した中級程度のテキストに書いた雑文。スペイン語が分かる人に。
El primer encuentro con la música pop española fue hace más de veinticinco años, cuando fui por primera vez a España y una amiga me regaló una cinta de las canciones de Mecano. Me encantó sobre todo la voz angelical y transparente de la vocalista Ana Torroja. La escuchaba mil veces. Canturreaba “Hoy no me puedo levantar. El fin de semana me dejó fatal....”, letra muy famosa del mismo grupo. Desde entonces me hechizaron innumerables artistas de la música pop y rock española y latinoamericana, entre los cuales sólo me limito a algunos en mi i-pod: Alejandro Sanz, Chayanne, El Sueño de Morfeo, Estopa, Hombres G, La Oreja de Van Gogh (¡qué pena fue la salida de Amaia!), La Ley, La Quinta Estación, Maná, Pereza, Paulina Rubio, Shakira, etc.
Un día en mi despacho de la universidad estaba escribiendo un artículo escuchando una canción de Mecano, “Un año más”. Se oía: “En la Puerta del Sol como el año que fue, otra vez el champán y las uvas y...”. Pero no pude coger la letra que seguía. Como el disco no tenía ningún folleto con letras, lo escuchaba tantas veces casi olvidándome del artículo hasta que de repente la entendí “y el alquitrán de alfombra están ...”. Era tan difícil porque se cantaba “yelal... quitrán... dealfom... braestán”. Siempre es una gran alegría poder deducir algunas letras que no entiendo al principio.
Por último os quiero decir cuánto he aprendido de la música latina. Para mí la música ha sido tanto una afición como parte de mí. Deseo que seáis amantes de la música latina al mismo tiempo que de la lengua española y que aprendáis el idioma más fascinante del mundo.




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