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ジャン・チャクムルを見守り続けて・・・

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トルコの若きピアニスト、ジャン・チャクムル(Can Çakmur)の存在を知って以来、第10回浜松国際ピアノコンクール(2018)での優勝を経てさらに成長を続ける彼を応援していま…
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#アンナー・ビルスマ

ジャン・チャクムル最新インタビュー(2) 後進の育成は自分にとって最大の夢のひとつ

このファイル(インタビュー「素晴らしき若者たち」シリーズ)がカバーする範囲で出会った音楽家たちの中には、コンクールは実のところ音楽家の成長にマイナスの影響を及ぼしており、自分たちを競走馬に変えさせていると言った人たちもいました。あなたの考えもそうですか?コンクールに参加することを拒みながら、国際的な規模で名の知られた音楽家/ピアニストになることは可能でしょうか? 実際のところ、このコンクールというものの大きな危険性です。私たちは頭の中で大抵、賞を成功に、脱落を不成功にしばし

ジャン・チャクムル「サバフ」紙インタビュー(2) インスピレーションの源

- 自分のスタイルを説明していただけますか?(クラシック音楽の内外で) 自分が糧とした音楽家や音楽の種類には誰が、どんなものがありますか? 解釈者というのは、演奏する作品の言語やスタイルに敏感かつ協調的であらねばなりません。ステージの上で、理想的な条件の下で、音楽家は唯一の人間としてではなく、音楽が肉体を手に入れた状態としてそこにあるべきです。真のインスピレーションというのは、まさにこの露と消えてなくなる感覚ではないかと思います。私にとって最大のインスピレーションの源はお