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収益か、配慮か /ウマ娘になぜイケメン息子はいないのか。

https://www.oricon.co.jp/news/2209821/full/

このゲームをやったことはなく、ネット記事を数本読んだだけです。また、ソシャゲに課金をしたこともなく、馬券もこの10年で1回しか買っていません。

そんな外野の人間が何を言ってんだって感じですね。ただ、このゲームで牡牝ともに美少女で表現されていることについて、違和感があったので、少し考えてみたいと思います。


イシューは、なぜイケメンのウマ息子はいないのか?


すみません、ありきたりなイシューでした。ピクシブ百科事典にも

実際に競馬ファンにも、牡馬(男の子)と牝馬(女の子)を分けてほしかった人も少なくなかったようだ。

という記載がありました。

まず、成否要因が漠然としているので、ゲームの経済的利益と関係者の定性的な利益の最大化=成功、として、現在大成功しているとしましょう。

結論を先取りすると、「美少女への課金」が生み出す利益が、イケメン息子のメリットを全て吹き飛ばすほど強かったから、となります。


■ 定量的なメリット。ゲーム会社の収入=課金額=娘への課金者数 X 課金単価+息子への課金者数 X 課金単価、と置きます。息子と娘の作成コストは同じでいいでしょう。とすると、

 → 想定するコア課金層は、競馬ファン∧美少女ゲーム課金者。競馬ファン∧美男子ゲーム課金者より、桁が違うくらい多そうです。

 → となると、息子化すると、その分だけ課金対象が減るのでネガに働きそうです。

 → また、娘だけの世界観の方が課金意欲が湧く(課金単価が上がる)? 推しよりも有名イケメン息子の方が強かったりするとネガです。また、男女の交流シーンより、娘オンリーの交流の方が課金にポジ、などもありそうです。

  ※ 男女からは離れますが、擬人化対象が競走馬、つまり課金に抵抗が薄い競馬ファンがターゲットであることは、他のものの擬人化より利益ポテンシャルが高そうでエレガンスを感じます。

■ 一方で、このゲームに一部の名馬は登場していない様です。これが愛馬の娘化を嫌がる馬主さん、という原因があるとすると、イケメン息子化によって説得可能性は高まり、登場キャラは増える。というメリットはありそうです。

  → 登場キャラ=課金対象が増え(牡馬も牝馬も増え)、課金収入が増えるメリット

  → とはいえ、上の仮説の経済的利益を埋めるものではない(課金対象数よりも、コア課金者数の方が効く)ということでしょうか。

■ 最後に、その他関係者の定性的利益です。新たな競馬ファンの取り込みを考えると女性層に向けたイケメンがいる方が良い。全員美少女よりも自然で、広くPRに活用できる。というメリットが見込まれます。

逆に、「擬人化」より「美少女化」の方がエッジが立ってて、想定コア層の認知にブッ刺さる。というのはありそうです。ここの娘オンリーのメリットも大きいのかもしれません。


ここまで俯瞰したメリットの数はイケメン&美少女両方の方が良さそうです。しかし、現実は娘オンリーのゲームが作られ、大ヒットしています。

そんな訳で「コア層のもたらす美少女への課金収入が、イケメン息子のメリットを全て吹き飛ばすほど大きいことが見込まれたから。かつ、そうだったから」を、イケメン息子がいない疑問への答えにしておきます。

すごく当たり前の結論にも見えますね。

ですが、こう考えてみると各所から色んな声もあったであろう中で、過度な配慮や妥協をせず、きちんとビジネスに向き合って結果を出しているという凄みを感じました。


(書き始めたときにはこんな感想を抱くとは思わず、65%の言語化の面白さを改めて感じております。

とはいえ、この浅い知識だけで考えたことを不特定多数に示すことへの不安もあり。。。)

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