ストレートヘアに憧れて

私は生まれつきの天然パーマだ。
生まれつきと言っても、小学1〜2年生くらいまでは普通の直毛だったのだが、だんだんと何故かクルクルの髪の毛になっていった。

父親も天然パーマで祖父も天然パーマなので完全に遺伝だ。
しかしながら三人きょうだいで私だけが天然パーマとして生まれてきた。
これがいわゆる天命というやつだ。

私は毛量も多くボリュームもかなりあった。
天然パーマのせいでからかわれることがしばしばあってその度に傷ついたり、泣いたり正直散々だった。

仲の良い友達にもなかなかクセの強い天然パーマの子が1人いたのだがその子は中学に入学する前に一変、ストレートパーマをかけてきた。

天然パーマからサラサラのストレートヘアに変身すると見た目がものすごく変わり、結構なイメチェンになるので周りからも熱い視線が注がれる。

彼女は少し恥ずかしがってしきりに自分の頭を撫でていたが、私はちょっとうらやましくなった。


そして中学に入学してしばらくして私もストレートパーマをかけた。

中学は他の小学校の子たちも入ってくる。
私の場合は中学に入ってまあまあ経ってからかけたので、入る前だったら私がイメチェンしたことを悟られなかったのに、タイミングが遅れたせいで余計注目されてしまった。

何があったのかと聞かれたり、コソコソ言われたりしたがあまり気にしないようにした。

ストレートパーマはやはり定期的に施術していかないと次第にとれてくるのだが、値段も高いし面倒くさがりの私はギリギリまで引き伸ばして、いよいよやばくなってきたという時にやっと危機感をを感じて母親に連れられて美容院に行くような感じだった。

普通の人なら少しでもクセが出てきたところですぐ施術をすると思うのだが、私の場合は面倒くさがりの性格があいまって、天パ、ストレート、天パ、ストレート、天パ、ストレートと変身を繰り返し続けた。

なので、突然夏休み明けにストレートになった時などやはりみんな驚いてまた色々と言われたりもしたが気にしたら自分が変なのかなという感覚になるので考えないようにした。


高校生になってからは定期的にきちんと美容院に行くようになったが、私の過去を知らない子に「ストパーかけてる?」と言われたりクセが少しでも出てくると指摘されて、正直うんざりしていた。みんな見た目の変化に本人よりも敏感すぎる!
髪の毛のことを言われるたびに怖気付いていたのかもしれない。こういうのいつまで続くんだろうと思ったりもした。

大学に入るとみんな周りをそこまで気にしていないのもあったりして色んな人がいるからということもあり、誰にも指摘されることなく過ごせた。そういう面では大学というところはすごくありがたい場所だった。

この頃から髪も染め始めた。ただ、ストレートパーマで既に髪に負担がかかってしまっているのにヘアカラーをするとなるとさらにダメージが加わる。それでも髪を染めたかったし周りも染めていたので、流されるようにやっていたという感じだ。

社会人になってからもストレートヘアは保ち続けている。
でもやはり今でも直毛の人を見ると「どんな時でもクルクルにはならなくて、スタイリングも楽そうでいいな」と思う。

たまに直毛の人が「くせ毛の人うらやましい」と言ったりするが、果たして本当にそうだろうか。一度ガチガチの天然パーマと交換してみたら絶対に1週間でいやになるだろう。

私は髪質が柔らかく、一度ストレートにすると自分でヘアアレンジしようと思ってもすぐに元に戻ってしまう。それを母親に相談すると「パーマかけてみたら?」と答えが返ってきた。とてもおかしい話だ。

どぎつい天然パーマが嫌でストレートパーマをかけているのにその上からパーマをかけるって、もう頭が色んな意味でグチャグチャになる。もちろんやることはなかったが。

でも、寝癖がひどいほうで髪が外側にハネがちなので起きたら自然の外ハネヘアーが勝手に完成している。なのでこれにクリームをつけたりオイルを付けたりしたら楽して無造作ヘアーの出来上がりだ。

そんなこんなで妥協しない限り一生続いていく天パとの戦い。これからも私は立ち向かっていく所存だ。

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