雨の日に傘を壊す子

中学1年生の時によく一緒に下校する友達がいた。
部活が一緒で仲良くなり、部活がある日もない日もよく一緒に帰っていた。

その子は雨の日になるといつも傘を自分で壊していた。
ビニール傘をよく使っていたのだが、強風と大雨で骨がビニールから外れてしまうことが多く、「壊れてしまったからもういいや」の感覚で自分で地面に打ちつけて壊していたのだ。

はたから見たら何をそんなにヤケクソになっているんだというぐらい無心で硬い地面に打ちつけていた。

ビニール傘はコンビニで300円くらいで売っているし、また買えばいいやという使い捨ての感覚なのだろう。

私は彼女が「バンッ!バンッ!」と思いっきり傘を地面に叩きつける横で「あははは〜」なんて笑いながらいつも見ていた。傘を破壊している子の横でのんきに笑っている私も私である。

あの子は今どうしているのだろうか。
まさか大人になった今でも傘を自らぶっ壊していないことを祈るばかりだ。

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