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見えない体の中のこと②

前回のnoteでは、これまでの自分の健康と体のことを振り返ってみた。

子供の頃から特に大きな病気も不調もなく、生理も順調でほとんど困ったことがなかった私だけれど、30歳になって以降、主に婦人科系の疾患が次々に見つかった、という話。

最初の婦人科で色々わかった時

最初に通っていた実家近くの婦人科で「子宮内膜症」と「子宮筋腫(外側)」があるとわかった時、お医者さんには「子宮筋腫があるといっても子宮の外側だし、子宮内膜症もこの程度なら気づかないで妊娠する人もいるくらいですよ」と言われた。ちょっとほっとした。でも、同時に、結婚しているのか、しているなら子供を作る予定はあるのか、と聞かれ、年齢のこともあるしその気があるなら急ぎなさい、とも言われ、「急ぎなさい、か。本当はもっと二人だけの時間も楽しみたいのになぁ」と思った。
この時はまだ、もしかしたら自分は大変なのかもしれないなぁとは思いつつも、まさか自分が妊娠しにくいとは思わず、結構呑気に考えていたなと思う。

妊娠の仕組みについて学ぶ

そもそも、私は妊娠に対して、というか、女性の体の仕組みとか、妊娠の仕組みみたいなものに対して知識が無さすぎだった。卵子と精子が出会うことで受精卵になって、くらいの知識しかなかった。
妊活を意識しはじめるまで、1周期の中で排卵日がいつ頃だとかも知らなかったし、卵子の寿命が24時間くらいだとか、精子の寿命が3日くらいだとか、そのためにいつ頃タイミングをとるべきか、なんてことも全然わかっていなかった。
正しくタイミングが取れたとしても、その1回での妊娠確率は10%とか20%とか。(!)

まずは自分の周期を把握するために、基礎体温計を買って、毎朝基礎体温を測って記録してみることにした。

高温期と低温期の二層に分かれるなんてことも初めて知った。
基礎体温がガクンと下がって、低温期に入るとちゃんと生理が始まる、ということにも、本当だ!!とびっくりした。排卵日から約14日後に生理が始まる。体ってすごいな。(ひとごとか・・・)

不妊治療専門クリニックで不妊症検査を受ける

ルナルナ体温ノートアプリで示される排卵日予測は、大体合ってるんだろうなと思いつつ、いまいち信用できない周期もある。
排卵予測チェッカー的なものも買ってみた。が、自己流すぎて不安だったのと、少しずつ調べて知識が増えていくにつれ、まだ妊活をはじめて数周期しか経ってないけど、子宮内膜症と子宮筋腫以外にももしかしたら何かあるかもしれない、妊娠にまつわる今の体の状態を明らかにしておきたいという思いから、不妊治療専門のクリニックに行ってみることにした。

まずは通いやすい、家からなるべく近そうなところと思い、口コミなども参考にしながら自宅近くのバス停からバス1本で行ける場所にある不妊治療専門クリニックで一通りの不妊症検査を受けた。

私:超音波検診、子宮腟部細胞診、頸管クラミジア抗原検査、一般血液検査、超音波卵管疎通検査、ホルモン検査、フーナーテスト、黄体機能検査、免疫検査、抗ミュラー管ホルモン(AMH:卵巣予備機能検査)

夫:精液検査

全ての検査を終えるまで、計3回通院した。
一部保険適用外の検査もあるため、費用は計52,140円。
まじか。5万もかかっていたのか。(今初めて合計して知った・・・カードで払っていたから実感なかった・・・)

自然妊娠しにくい体かもしれない

結果、やっぱりなんかあったわけで。
・低AMH
・高プロラクチン
異常が出たのはこの二つ。

特にAMHの値の低さにはもうびっくりした。
なんと、実年齢+10歳くらいのレベル。
AMHの数値が高いと、卵巣の中に残っている卵胞の数が多く、低いと卵胞の量が少なくなってきていると解釈することができる。
ただ、卵の質をはかるものではないので、AMH=妊娠率ではない、と。
とはいえ数がかなり少なくなっているのは事実なので、私が生殖可能な残された時間は少ない。妊娠したいならば急がないといけない。

気になるのはなんでこんなに値が低いのか、ということで、低下が防げるなら防ぎたい、その思いで検索魔になった。
わかったことは、これはどうしようもない、ということだった。
年齢に比較して低下する原因はいくつかあるようだけれど(①喫煙②卵巣の手術(卵巣嚢腫)③子宮内膜症(特にチョコレート嚢腫)など)、原因がない人の方が圧倒的に多いらしい。喫煙や卵巣の手術はないけど、子宮内膜症はありえるかも。

もう一つのプロラクチンについて。
プロラクチンは、下垂体から分泌されるホルモンで乳汁分泌ホルモンともいわれ、妊娠以外で血液中のプロラクチンが高値になるものを高プロラクチン血症という。 プロラクチンが高値になっていると、乳汁分泌がみられたり、排卵が抑制されるので無月経、月経不順や不妊などの症状が出る、とのこと。
私は基準値の範囲からは高いものの、ものすごく高いわけではなかったが、この値を正常値に戻すために、週に1回決まった曜日に飲む「カバサール」という薬を処方された。
薬の副作用として、眠気や吐き気などが出る可能性があると説明されたが、今のところ服用後にいつもと変わったことは起きていない。

検査結果がわかってから、「低AMH」や「高プロラクチン」でとにかく検索した。全国にあるクリニックのHP、不妊治療をされている方のブログ、note、学会論文のアブストラクトなどなど。
わからないでいるより、少しでもわかりたい。
そして思ったことは、うん、やっぱり私が自然妊娠するのはかなり厳しそうだぞ、ということだった。
なんとなくの感覚でしかないのだけれど、完全に勘だけれど、私が妊娠を望むのならば体外受精までステップアップは必須なんだろうなぁと思ってしまっている。
検査を受けたクリニックではまずはタイミング指導から、ということにはなっているけれど、本当にそれで良いんだろうか。
私に残された可能性と時間はどのくらいなんだろう。

自分は肉体的な痛みや精神的なストレスにどこまで耐えられるのか

私は肉体的な痛みに弱いのではないかと自分で思っている。
生理痛もあまり重くないわけで、そういう痛み耐性がない。

今回の不妊症検査の中の一つ「卵管疎通検査」がとにかく痛くて、いや、痛いというより気持ち悪くてかなりしんどかった。痛み止めの座薬は入れていたけれど、あの下腹部にズシンとくる痛みというか重さにドン引きした。たった数分、いや数十秒のことなのに呼吸が乱れて、脂汗が出てきて、終わってからしばらく手に震えがあって固まって動かせなくなってしまった。
別の血液検査では、試験管4本分くらいの血液を採られた時に脳貧血を起こした。これは昔から「血を採られる」ということに対してめちゃくちゃ気持ち悪さがあって、もちろん試験管を直視できないし、なるべく意識を散漫にしていないと採血は結構無理。これは精神的なものが関連していると思っている。

体外受精となった時にはその過程で自己注射などあるらしいし、採卵は採る数が少ない場合は麻酔なしで痛いらしい、と知った時には、私、無理かもしれないと本気で思った。
そしてこの先運よく妊娠できたとして、妊婦を襲う様々な体の症状や変化に私は耐えられるのだろうか。ものすごく不安だし、妊娠を望む一方で、ものすごく怖い。

見えないところに想像力を働かせること

妊娠や出産って、本当に奇跡的なことなんだなと、自分が当事者(?)になってこうしていろいろ調べてみるまでわからなかったなぁ。
若ければ難なく授かるというわけでもないし、年齢にかかわらず、不妊に苦しんでいる人はいる。
不妊治療ってほとんど現実世界ではオープンにしない人の方が多いし、知らないだけで、私の周りの友達や会社の人でもいるのかもしれない。苦労しないで授かる人ももちろんいるだろうけど、難なく妊娠・出産しているように見える人でも山あり谷あり色々物語があって、抱えるものがあったのかもしれない。


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