徹底できないことは、やらない

これは反省も含め。自分自身が新卒後、働いた企業では、私自身があまり強制されるのが、好きではなかったし、スタートアップに転職した時に、それは避けたいとの思いがあった。大企業にいたことがある人が、ベンチャーに行くと、組織はフラットで、個人の意思を尊重したいとの思うがある方も多い気がするし、それ自体は、私も今は変わっていない気がします。

ただ、ベンチャーで急に取締役になると、IPOのためもあるし、様々なトラブルを経験すると、事前にそういったトラブルが起きないようにしたいと思ったりします。特に、若くして幹部になると。そこで、様々な制度などを導入するのですが、比較的コンプライアンスのような議論が不要なことはいい反面、それ以外は徹底できなかったりします(あるある)。ここで、当初の皆が、主体的に行った結果、徹底されているといいなあ、などと思ったりするのですが、まあ、そうはいかない。コンプライアンス的な問題がないため、IPOなどでは問題にならないが、結局、経営側の施策の徹底度が中途半端な状況は、様々な点に広がっていくことになります。

経営的な自信とも関連しますが、最近はあくまで会社のビジネスにおいて業務として行わなければならないことに関して100%徹底できることしかやらない、逆にいえば、やると決めたら、組織的に100%やらせる、べきだということを学んだ気がします。これも私のすごい同僚から学んだことです。60-70%やるが、やらない人がいても問題にならないと、ちゃんとやった人が馬鹿を見る形になってしまう。当たり前の問題なのだが、正直、経営側が成果を出せていない中では、あるいは、どこかで自主性という言葉を重んじすぎていた部分はある気がします。

外資系では、守るべきこと、評価されること、権限は、文書化され、明確ですが、だから主体性を殺しているわけではありません。ルールが明確なほうが、日本のようなルールは明確でない、やってもやらなくてもいいが、もしかしたら、見えないところで、評価に影響されているかも、はフェアではない。まさに、メンバーシップ的な、見えないルールでの同調圧力が働いているのが日本です。

組織がフラットでありたいと思いすぎると、徹底した組織としてのアクションが起こせません。ベンチャーでは、とにかく勝つための最適な組織を模索すべきはずが、なんとなく、ベンチャー組織では、大企業の真逆の、比較的フラットな組織を選び過ぎた、ために、失敗するケースもあるように思います(フラットな組織は、理想の一つで、すべて駄目ではないのですが、難易度が高いので、ちゃんと設計しないと真似できない、と思っています。業種などにもよりますが、できるのであれば、それはすごいことな気がします)。

最近における国、あるいは、東京都のコロナ対策とも似ている気がしています。すなわち、自主規制が中心。国も、企業の経営者も、思ったほど強制力ではない中で、組織運営が求められ、主体的な抑制により、組織運営を行うのが、日本人の国民性であり、教育とも紐付いている気がします。もちろん、大株主兼経営者がいるベンチャーのほうが、強制力は聞きやすいですが、とはいえ、採用市場の影響もあるので。

話は戻りますが、私の反省として、よかれと思いつつ、徹底できないことで、皆が主体的に受け入れてくれたら、と思って導入した制度は結構ありつつつ、徹底できなかった反省も多くあります(失敗かの評価も難しいのですが)。

クリスマスパーティーやハロウィンで、幹部層が仮装するとかも、やったことがありますが、スタッフの参加も当然強制でなく、強制でない中では会社の規模が小さい中ではうまくいったほうかもしれないが、やはり一定の規模感からは、社内のイベントも仕事とし徹底度を持ってやるか、そうでなければやらないか、との判断をしたほうがいいだろう、と最近は思ったりしています(このあたりは、ビジネスモデルやスタッフに求めるクリエイティビティーのレベルにもよる気もするので、あまり一律に議論すべきことでもないのですが)。

少ない人数で、成長市場で勝つための要素は、徹底力やスピードです。まだ、市場で生き残れるかもわからない段階で、様々な理想だけを優先しすぎたら、そもそも会社としての存続性も危ぶまれます。特に、明確な差別化商品やサービスではなく、オペレーション力を問われるビジネスでは、組織力、その中でも、徹底力が勝敗を決める、ということを痛感したりします。

私自身はあまり得意ではないのですが、、、

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